うつ病の主な症状



1、落ち込むことについて。うつ状態とは?

うつ病の主な症状に、落ち込む=うつ状態があります。これはどの患者さんも持っている症状です。
うつ状態というのは、親しい人や家族を亡くしたり、大きな失恋をした時などに、誰にでも起こりうる状態です。
ゆっくり思い出してみれば、誰にでもこういう経験はあるでしょう。
ちょっとだけ、そんな思い出しても涙が出てきそうな、身も心もズッシリ重くなるような、そんな辛かった経験を思い出してみて下さい
もし仮に、そのとても悲しかったあの頃が、理由もなくずーっと続いて、しかもちっとも気持ちが浮上する気配がなかったら、貴方はどんな気持ちになったでしょうか?
いくら理性では「死んだって何もならない」とわかっていても、その悲しみがずっと続くあまり、自分はこの先もずっとこうなんじゃないかという不安が頭をよぎる時に、死んでしまったらラクになれるかも…?と思うかもしれません
まさにこの状態が、うつ病さんにとっては長年続いているのだと思って下さい
大抵健康な人のうつ状態というのは、時間と共に段々癒されていくものなのですが、うつ病患者さんの場合は化学的に脳内の化学物質に障害があるため、時間の力でもうつ状態が癒えるのが難しい状態にあります。

大恋愛の末に失恋した。大事だった人を亡くした。そんな時人は誰でも酷く落ち込むでしょう
何をしていても悲しくて、辛くて、仕事も手につかない。
何をしているわけでもないのに、涙が溢れそうになる。
何もやる気が起きない。
悲しい気持ちでで頭が一杯で眠りが浅い。
ご飯があまり喉を通らない。
悲しみが大きいため、いっそこの悲しみや苦しみから逃れられるのなら死んでもいいという考えが頭をよぎる…。

そんな時、貴方は周りにどう接して欲しかったでしょうか?
「そんな風にくよくよしていたって無駄だ」と叱咤されたかったですか?
…違いますよね。
「そりゃあ苦しいよね。無理しないでね。辛い時はたまには有休とってゆっくりしなよ(辛い時たまには学校サボってゆっくりしなよ)」…そんな、自分の気持に共感的な言葉を待っていたはずです。それは、うつ病さんにとっても同じことなんです!

うつ病の落ち込み方というのは、医学的にも健康な人よりもかなり深いとされています。
実際私も病気になる前には想像もつかなかったほど深く辛い落ち込みを、病気時代に経験しました。
脳内で悲しい気持ちを感じる化学物質が、壊れた水道の蛇口のように出っ放しになっていたんだろうなって思います。
きっかけがなくてもスーッとエレベーターで下に下りていくような感じで、気持ちが落ちていく。しかも自分が何をしても、止められない。
独特の苦しみと、絶望感を伴う落ち込みでした。しかもそのうつの苦しみから、いつ浮上できるのかは全く見当もつかない。なんたって理由がないのだから
しかもうつ病の辛いところは、その絶望的な落ち込みが長時間続くことです。きっかけがあってもなくても、苦痛を伴う落ち込みに長時間さらされているため、「こんなに苦しいならいっそ死んでしまいたい」という考えが頭をよぎります。
そこから、うつ病患者さんには自殺願望が芽生えるように思います。

実際に、自殺者の脳を解剖してみると、ほとんどが一時的、もしくは慢性的に脳がうつ状態(セロトニン不足状態)にあったという医学的な結果も出ているそうです。

そのうつ病特有の落ち込みが余りにも辛いため、私は病気時代顔つきさえ変わっていたと聞きました。
本当に、見ただけで「苦しいのを我慢しているんだな」ってわかるような顔つきだったそうです。確かにうつ病時代の写真を見ていると、この時は満面の笑みで写ったつもりだったのに…という時の笑顔が、どこか辛そうな笑みだったりしました
でもよく考えてみたら、その写真は外で撮ったもので、私は具合が悪いのを無理して外出した時のものでした。病気で辛いのに無理して外出してた時なら、そりゃあ自分では笑った気でいても、辛そうな感じになるのはわかる気がします
うつ病当時の私は、病気のせいで自分が頑張っている自覚がなかったため、そういう風に無理して外出していることすらわかっていませんでした。
だからこそ「満面の笑みだったはず…」と写真を見て思い悩んでしまうのでしょう
しかしそんな辛そうな顔つきも、うつ病が治れば全く後遺症もなく元に戻れますから、心配はいりません




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