 ２、無気力について落ち込みの次に、うつ病さんを苦しめるのが、無気力と体が重い感じです。 とにかく何もする気が起きない。何故だかわからない。やらなきゃいけないってわかっていても、できない。 私も、そうでした。 学校に行かなきゃいけない。今日は出席取る授業だから、出ないと単位が厳しくなる。 今日はアルバイトだから、時間通りに家をでなくてはいけない。 何時から友達と遊ぶ約束。約束だから守らなくちゃ。私も友達とは会いたい。遊びたい。 宿題しなきゃ。テスト受けなきゃ。バンドの練習行かなきゃ そういう、健康な人だったらなんてことない約束。やるべきことが、闘病時代私は本当にできませんでした そして、「そんな当たり前のこともできないなんて」と自分を責め続けていました。 「学校へ行くことも、友達との約束を守ることも、私の気の持ちようでどうにでもなるのではないか」と、思っていました。 でも、それはうつ病がそう思わせているだけで、実際気の持ちようで何とかなる問題ではなかったと、治った今思います。 あの時の無気力な感じ。何も手につかない感じ。今でも手に取るように思い出せます。 脳の疾患というのは不思議なもので、怪我や他の体の疾患のように、自覚しやすい症状の出方をしません 基本的にうつ病さんは、真面目で責任感の強い方が多いです。 だからこそ、うつ病の脳が「お前は怠けている」「それくらいできないでどうするんだ」と自分をいじめ続けます。 でも、本当はそんなことは全くないんです。 何もやる気がない時、それは体を休める時なんだろうと思います それは、うつ病さんにだけ言えることではありません。健康な人であっても同じです。 確かにうつ病を知らない人なら、「なんでそんなこともできないんだ」って思うかもしれません。 でも、誰がどう言おうとも、うつ病は医学的にも認められた脳の化学物質障害です。 治った私も、あの時は「体の病気だった」と実感を持って言うことができます。 骨折と同じ。内臓の病気と同じです。 無理して学校行って骨折の具合がよくなりますか？ 歯を食いしばって会社へ通勤して、内臓の病気がよくなりますか？ どちらかといえば、無理をして、体の具合は悪くなる一方ではないでしょうか。 それは、うつ病だって同じです。 無気力で何もする気が起きないというのは、うつ病の症状のひとつです。 それは、打撲した足が痛いのと同じ。風邪を引いて咳をしたりするのと同じ。体が不調なためにでる、体の症状のひとつです。 足を怪我して痛い時、痛いのを我慢して歩けば治るのでしょうか？ 違いますよね。 足が痛い時は、できるだけ歩かない。それが一番ではないでしょうか？ うつ病も同じ。何もやる気が起きない時は、何もしないのが一番です。 とかく日本では、常に頑張ることを強要され、頑張ることを美徳とされます。 それは間違ってはいないとは思いますが、だからと言って休養することや遊ぶことを否定的にとらえるのは間違っていると思います。 健康な人であっても、頑張るためには休養することが必要です。 トップアスリートであっても、最高の結果を出すためには、休養と練習のバランスを一番に考えることでしょう。がむしゃらに頑張ることだけ続ければいいってものではないと思います。 常に頑張り続けられる人間はいません。 時には問題懸案について考えることを逃げることも大事だと思います。そうやって気分転換をすることによって、新しい解決案が思いつくかもしれません。 時間を置くことで、頭に血が登っていたケンカ相手も自分も冷静になれて、お互いに謝ることができるようになることもあるでしょう。 あらゆる意味で、休養することは大事です。 立ち止まることはいけないことではありません。 これからを走り出すために、必要な時間なのだと思います。 逃げることは、いけないことではありません。 危険から逃れることは、動物であれば当然の自己防衛です。人間だから危険から逃れてはいけないなんておかしい。 うつ病さんにとって最大の危険は、ストレスを溜めることです。 ストレスを溜め続けたから、今こうして症状が出ている。我慢して我慢して体を壊して、病気にまでなったのです。だからこそ、うつ病さんにとってはこれ以上ストレスを増やさないことが最優先の事柄になります。 ストレスを少しでも和らげるためには、ストレスの原因から逃げることは、自己防衛のための当然の行為です。 逃げることは、いけないことではありません。 気力がないというこは、それだけ身も心も疲れ果てていることを意味します。 貴方の心の傷を癒す時なのだと、体が訴えているのだと思います。 うつ病の症状でもありますが、健康な人であっても疲れ果てた時に無気力になることは誰でもあるでしょう。 そういう時は好きなことをしてのんびりするのが一番。 うつ病さんの場合は特に、今まで頑張ってきた分、今は休めと体と脳が訴えてる時なんです。 だから、うつ病さんは頑張ってはいけないのです。無理するのも良くありません。 常に無気力、それは常に身も心も疲れ果てている状態ということだからです。 
|
