健全な恐怖と神経症的な不安の違い

健全な恐怖の特徴
神経症的な不安の特徴
砂漠を歩いていたらガラガラヘビがいたというように、実際に危険な状況がある。 墜落するのではと恐れて飛行機に乗らないというように、実際には危険がないのに、あるいは実際以上に危険性を大げさにとらえている。
健全な恐怖はたいてい長くは続かず、危険が去れば消える。 神経症的な不安は際限なく続き、日常生活に支障が出る場合もある。
健全な恐怖を感じた場合は、なんらかの行動を起こす。 典型的な場合では。恐れているものを避けて行動しなくなる。例えば、内気な人がデートをしたり友達をつくったりすることを避けるなど。
健全な恐怖を生じさせる考えには、きちんとした根拠がある。 神経症的な不安のもとになる考えは、ほぼ100%歪んでいたり正しくなかったりする。例えば、パニック発作に襲われる人は気を失いそうだと訴える。しかしよく考えると、実際にパニック状況にある時というのは、心臓が高鳴り、それにともなって大量の酸素が脳に送られるわけだから、気を失うわけがない。
怖いと感じていることを恥ずかしいとは思わない。 自分を変わり者だとか落ちこぼれだと思っている。また、不安を持っていることは恥ずかしいことなので、他人に知られてはいけないと思っている。
見るものをそのまま受け取っている。健全な恐怖には隠された動機などない。 不安な人は、たいてい夫婦の対立や仕事への不満など、認めたくないか扱いたくない問題を避けている。
「自分を愛する10日間プログラム」(デイビッド・D・バーンズ著/ダイヤモンド社)より