平和な街 王都ライナス
GM | : | じゃあシナリオ2を始めましょうか。まぁ前回のシナリオは失敗した訳ですが。 |
アーティ | : | 記憶にないなぁ。 |
GM | : | 今回はその事とはまったく関係ないシナリオなんで忘れて下さい。絡みはないのでダーク・エルフとかをへたに意識しないで。 |
ボーデル | : | ダーク・ドワーフを探そう。 |
GM | : | お前だよ。 それでは君達は “ラムリアース” 領土に入りました。“ラムリアース” は比較的平和な国なので、とくに魔物からの──今までもなかったけどさ──襲撃もなく、安全な旅を楽しめます。 |
アーティ | : | “ラムリアース” といえば、フレアホーンと誰かが身内同士で争ってなかったっけ? |
GM | : | えい黙れ先に言うな(笑)。 それでは “王都ライナス” に着くけれど、それまでに見事な黒毛の馬の放牧などが拝めるかもしれないね。 |
クロウ | : | 何で? |
GM | : | “ラムリアース” は馬の特産地なのだ。ラムリアース産の馬は通常の1.5倍の価格で取引されているという、2倍だったっけか? 忘れた。で、そういう感じのほのぼのとした雰囲気が “ラムリアース” といった感じです。“ライナス” の入り口には門番が立っておりますが、まぁ特によっぽど怪しい格好、それこそ鼻と耳が長くて黒いようなのとか、そんなのでもこない限りは別に取り締まるとか無いから。 |
サンドロ | : | (ボソッと)怪しいドワーフとか。 |
ボーデル | : | (ピクッ)なんじゃと? |
サンドロ | : | ドワーフは存在そのものが怪しいんだよ(笑)。 |
ボーデル | : | 差別、差別。 |
GM | : | 前回のシナリオで、ドワーフと人間の間にものすごいヒビを入れてしまったかもしれない。 |
ボーデル | : | 一部の人間じゃろうが。こいつのような人間はそうおらん!! |
GM | : | 人間とドワーフはあいなれない生き物なのよ、みたいなさ(笑)。 ライナスの門番に呼びとめられる事もなく、君ら一行はすんなりと入ることができます。まぁ、そういうポカポカな陽気なので、外壁なんかでは黒猫なんぞがあくびなどかいています。 |
GM | : | 君達は “オーファン” からの使者であるため、至極簡単に国王イルアーナ16世との謁見に望めます。凄いね、16世なんだってこの人。“ラムリアース” は魔法王国時代からある国らしいからね。16世って書いてあってビックリしちゃった。もうそろそろイルアーナって名前にも飽きてくるだろうね。 じゃここで会話シーン。 |
イルアーナ | : | 「ふむ、よくぞ参られたラヴェルナ殿よ。」 |
ラヴェルナ | : | 「イルアーナ王、お久しぶりにございます。この度は “オーファン” 王リジャールより、この様な物を預かって参りました。」 |
GM | : | とラヴェルナは1通の封書を差し出します。 |
イルアーナ | : | 「・・・・・・ふむ、はっはっはっ。私としてもリジャール王との狩りの約束を楽しみにしていた所じゃ。して、この手紙への返事はそなたに渡せばよいのかな?」 |
ラヴェルナ | : | 「いえ、我々はこれから少々遠方まで用がございます。実は今回の旅はアレクラストの現在を観察し、書き留める事が目的でして、これから遠く東方の地まで旅をする予定なのです。ですが、これは決して国力調査などではありません。」 |
イルアーナ | : | 「わかっておるよ。いずれ誰かがやらなければならない事。さすが若く発想が斬新なリジャール王、なかなか出来る事ではない。わかった。これに対する返事はこちらから使者をだそう。」 |
ラヴェルナ | : | 「ありがとうございます。それともうひとつ、この国が保護している伝説の幻獣の住む “一角獣の森” の生態系など調べたいと思っております。どうか森に入ることを認めて頂きとう申し上げます。」 |
GM | : | といってラヴェルナは深くこうべを垂れます。 |
サンドロ | : | あっ、それは一緒になって。 |
クロウ | : | そうだね。 |
GM | : | イルアーナ王は |
イルアーナ | : | 「はっはっはっ、そんなに深く頭を下げなくても、それだったらこちらから頼んでもよいぐらいだ。私は魔女殿には一目置いておるのでな。」 |
ラヴェルナ | : | 「ありがとうございます。」 |
GM | : | とラヴェルナはもう一度深く頭を下げます。 |
イルアーナ | : | 「ただ、探索の方は2、3日待っていただけないかな? それまでは城内に部屋を用意しよう。そこで長旅の疲れを癒して欲しい。」 |
ラヴェルナ | : | 「かしこまりました。その条件でよろしくお願いいたします。」 |
GM | : | と、ラヴェルナは言われたとおりに従う。 |
サンドロ | : | いや、そんなに長く旅してねぇんじゃねぇかな。 |
GM | : | してるぞ。“グードン” に行くまでに8日ぐらい掛かって、そっから “ラムリアース” までは何日も掛かるからね。すまねぇな、その辺すっとばしてるからよ、保存食とかの処理もやってねぇからな。 で、謁見はここで終わりとなります。いったん解散ですね。ラヴェルナは |
ラヴェルナ | : | 「2、3日の間は暇が出来たみたい。まぁ “一角獣の森” 以外にも珍しい拠点が沢山あるから、まずはそこから調べましょうか。そうですね、あなた方にも “一角獣の森” の調査には参加してもらうけど、それまでは自由にしていて下さい。」 |
GM | : | と言ってくる。 |
クロウ | : | ふーん。 |
サンドロ | : | そうか、この旅の目的は軍事調査だったのか。 |
GM | : | 違うってば。 |
サンドロ | : | 極秘任務。 |
GM | : | 違うってば。 |
ボーデル | : | 馬の訓練所みたいなのがあったら行ってみるか。なんせ名産物だからのぅ。 |
GM | : | どっぞ、好きにして下さい。つっても何があるかっての、前回と違って考えてないから何していいかわかんないと思うけどさ。 |
サンドロ | : | “ラムリアース” ってどこだっけ? |
GM | : | アーティ、君の故郷ではないか!! |
アーティ | : | うおっ!? |
GM | : | あー、それネタに入れればよかった。くっそー忘れてた。 |
アーティ | : | 危ねぇぜ。 |
GM | : | くっそーつまんねー。これ以上故郷ねぇんだよな、もう。“グードン” でしょ・・・・・・。 |
クロウ | : | “プロミジー”。 |
GM | : | いつの話になるんだよ。“テンチルドレン” なんて、東方をぐるっと一周回ってきてからだぜ。 |
サンドロ | : | じゃあ今日はアーティの家に行って勝手に飲み食いでもしようか。 |
GM | : | 城内に部屋を取ってもらったんだが? |
ボーデル | : | ワシはとりあえず城下に下りるぞ、城は肌に合わん。だってまわりみんな人間サイズで背が高いんだもん。ちょっと疎外感を感じるんじゃ。 |
サンドロ | : | お前の肌に合うのは洞窟だけだろう。 |
ボーデル | : | 奴は非常に偏見の目でドワーフを見ておるぞ。 |
サンドロ | : | 石と洞窟だけなんだよ、お前の友達は。へっへっへっ。 |
ボーデル | : | 騎士の風上にも置けん奴だと記憶しておこう。 |
サンドロ | : | これは違う。これは前回のシナリオでの経験からきた実感だ。 |
ボーデル | : | やはりこやつ、騎士の・・・・・・。 |
サンドロ | : | (慌てて)プレイヤーの言葉だ、今のは。 |
アーティ | : | ・・・・・・あれ? お前って騎士だったのか? ああ、そうだそうそう。騎士っていうイメージがあまりなかった。 |
ボーデル | : | 全然ねぇよ。 |
GM | : | まぁ好きにして。城内でゴロゴロでもいい。一番イベントを起こしたくないんだったら、城内でゴロゴロがいいかもしれんが。 |
クロウ | : | じゃあそうする。 |
GM | : | マジかい。 |
アーティ | : | 部屋で午睡を楽しんでいようか、ずっーと。 |
GM | : | 家にも戻らないでか? |
アーティ | : | うむ。 |
GM | : | 親不孝者だなぁ。 |
サンドロ | : | 体がなまっているから剣でも振っていよう。騎士団の訓練する場所かなんかあるだろ? そこを貸してもらおう。 |
GM | : | 訓練場に行ったのだな。ラヴェルナはどこぞに出掛けて行きます。 |
GM | : | サンドロは訓練場と。まぁ騎士達は訓練しておりますが、この国の騎士は基本的に実戦経験というのがないので、君の目で見てもちょっと甘っちょろい感じがするんだよね。 |
サンドロ | : | なるほど。 |
GM | : | みんな型とかは形式通りなんだけど、実戦に出て使えるかどうか怪しい感じ。 |
ボーデル | : | 突きと一緒に蹴りが出るとか(笑)。 |
GM | : | むしろ、咄嗟に蹴りが出ない感じ。たぶん、今持ってるブロード・ソードを跳ね上げられたら、腰に差してるショート・ソードに手が伸びる前に、飛んでいくブロード・ソードをボーっと眺めてそうな感じだね。 そんな彼等にも1つだけ目を見張るシーンがある。 |
サンドロ | : | 何? |
GM | : | 訓練のスタートで「構えー!!」って合図の後に各自、自分の剣に <エンチャント・ウェポン> を掛けてから訓練が始まる。 |
アーティ | : | ヤな訓練だなー。 |
サンドロ | : | ガーン!! 騎士達の指の辺りを見てみるけど。 |
GM | : | 指って? |
アーティ | : | コモン・ルーンか? |
GM | : | ううん、自力みたい。たぶんね、剣が全部アレなんじゃないかな。 |
アーティ | : | 発動体か。 |
GM | : | だって、6レベルになれば5点の精神点で <クリエイト・デバイス> 掛けれちゃうもん。ラヴェルナも掛けられるよ、だからアーティもファイター技能さえ取ればラヴェルナがプレゼントしてくれるのに。 |
アーティ | : | と、取れというのかー!? |
GM | : | いや、言わない言わない。言わないけど、戦闘系技能1レベルぐらい持ってないと、レベルが高くなってきた時あっさり死ぬよ。 |
アーティ | : | バレンだってファイター技能もってるしな。 |
サンドロ | : | 「オォ~オォ~オォ~。」 |
GM | : | 何だよそれは? 崇めてるの? それとも劣等感? |
サンドロ | : | 劣等感だ。 |
アーティ | : | でもさ、訓練なのにダメージ高くしてどうすんだろうね。 |
GM | : | 実戦でもとっさに掛けられるようにだろう。たぶん本当にとっさの時には掛ける前に剣を抜けって感じだろうけどな。まあ常に実践向き(ぽい)訓練をしてる訳よ。でも全員レベル低いだろうけどね。ファイター3レベルはいないと思うよ。そのかわりソーサラー1レベルは持ってるだろうけど。 |
サンドロ | : | いいんだいいんだ。<エンチャント・ウェポン> 掛けてからだと出だしが遅れるんだ。こういうのは仲間に掛けてもらうのが一番だよ。 |
ボーデル | : | 最悪だ。 |
GM | : | はい。こんな感じでござるよ。中にはちっちゃい子供も1人だけ混じっていて、1人だけ別格の所で剣を振ってます。結構太刀筋は良いです。 |
サンドロ | : | なるほど。「はっはっはっ、お兄ちゃんが相手してあげよう。」 (手加減一切なしで打込み)ブオォォン!!(爆笑)。 |
兵士 | : | 「貴様!! 無礼な!! フレアホーン王子に向かって何事だ!!」(一同爆笑)。 |
サンドロ | : | (慌てて)さ、さっきのは冗談だからな? |
クロウ | : | やめとけばいいのにって思ってたけど。 |
GM | : | この子はフレアホーンといいまして、あそこの馬鹿が先程俺より先にほざいてしまった──。 |
アーティ | : | 馬鹿って俺か!?(笑)。 |
GM | : | 将来 “ラムリアース” を背負って立つ王子様です。今殺せば歴史が変わるぞ。どうだいサンドロ、歴史に介入してみないかい? |
サンドロ | : | しねぇよ。私は騎士だ。とっても器が大きくて、ドワーフに偏見など持っていない素晴らしい騎士なのだ。 |
クロウ | : | 嘘つき。 |
GM | : | そうするとフレアホーン王子はね、横にいた男にボソボソ話し掛けて君の方に指をチョイチョイやってだね──。 |
アーティ | : | 打ち首じゃ(笑)。 |
GM | : | それも面白いかもしれんが。それをやったらキャラクターが可哀想だからやめてやろう。フレアホーン王子はテクテク歩いて来てだね。君にこう聞いてくる。 |
フレアホーン | : | 「おい、そこのオーファンの騎士殿。実戦経験はおありかい?」 |
サンドロ | : | 「実戦経験と申しましても・・・・・・」 |
ボーデル | : | カマキリを一撃で殺したぐらい。 |
クロウ | : | うん、殺ったね。 |
フレアホーン | : | 「なぁなぁ、ゴブリンが弱いって、どんくらい弱いの?」 |
GM | : | と聞いてくる。 |
サンドロ | : | 「そうですね・・・・・・ゴブリンといったら私でも楽に勝てるから、運というものもありますが、一対一の勝負だったらおそらく勝てると思います。」 |
GM | : | フレアホーンはね、 |
フレアホーン | : | 「僕の国は平和だから何も起こらないんだ。」 |
アーティ | : | 起こって欲しいんかい!! |
フレアホーン | : | 「うん。」 |
サンドロ | : | 「国にとっては平和が一番かと。」 |
フレアホーン | : | 「駄目だ。僕は実戦を経験してみたい。」(一同爆笑)。 |
アーティ | : | 戦争じゃー!!(笑)。 |
フレアホーン | : | 「“一角獣の森” に行けば何か危険な魔物がいるかもしれないけど、1人じゃ行かしてくれないんだ。」 |
クロウ | : | 一緒に連れて行ってくれないかなって聞かれるんじゃ。 |
アーティ | : | そして誘拐事件発生。 |
GM | : | まぁそんな感じでこのシーンは終わり。 |
サンドロ | : | 最後に一言王子に向かってね、「王子、実戦に出る為にはひとつだけ覚悟しなくてはいけない事があります。」 と。 |
フレアホーン | : | 「なんだい?」 |
サンドロ | : | 「それは『人を殺す覚悟と、自らの死を覚悟する事』です。」 |
一同 | : | 沈黙。 |
GM | : | ・・・こいつなんかカッコイイ事言ってねぇ? |
クロウ | : | たまにはいいんじゃない?(笑)。 |
サンドロ | : | 「その覚悟が出来るまでは、剣の訓練に専念しても遅くはないでしょう。」 |
GM | : | じゃあ彼はキラキラした目で |
フレアホーン | : | 「うん、わかった!」 |
GM | : | と君の事を尊敬の眼差しで見ていよう。 |
ボーデル | : | 本当にわかっているのか、こいつ。と思う。 |
サンドロ | : | うーん、実は私自身、覚悟が出来ていないというのは口にも出せなかったりする。 |
ボーデル | : | 人は殺してないからな。 |
アーティ | : | 人はね。でもいつか殺すね。 |
GM | : | ・・・・・・で、城下に出たボーデルはどうしますか? |
ボーデル | : | 武器屋を見まわってこの辺の品質と治安の調査をしよう。 |
GM | : | 街を物色する訳だな。小物屋に行って小言をつける訳だな。「何だこのダガー、造りが甘めぇなおい。」 |
ボーデル | : | ワシが作り直してやるわい。カンカンカン(笑)。 |
店員 | : | ひぇー。「買い取り(笑)。」 |
GM | : | 治安は良いよ。物凄い平和そうだね。街中で子供がキャッキャキャッキャ言いながら走り回ってる。そして怪しそうな人物が路地裏にまとまって残飯をあさり──それはない。 |
クロウ | : | それは本当に平和なのかなぁ? |
サンドロ | : | 平和だからって裕福とは限らない。 |
GM | : | ひどい話だ。街の人はキャーキャー言いながら──ファッション雑誌はないが──流行のファッションについて語り合ってたりしてるような街だ。 |
クロウ | : | 「あそこの店いいわよねー。」みたいな。 |
GM | : | そうそう。街頭には露店が出てて、街中を食材を積んだ馬車が闊歩し・・・・・・闊歩っつーと偉そうだな。そこら辺では花を売る街娘がいたり。「お花をどうぞ。」とドワーフに。しかも薔薇(一同爆笑)。 |
クロウ | : | せめてマーガレット辺りにしといたほうが(笑)。 |
GM | : | いや、タンポポ(一同笑う)。 |
サンドロ | : | それとも、ドワーフさんにはお花というものが分かりませんか? |
ボーデル | : | やっぱりお前はひどいよ(笑)。 |
GM | : | プレイヤー発言らしいから(笑)。私、個人的にドワーフには牡丹の花が似合うと思う。 |
クロウ | : | ああ、うん、似合うよそれ。 |
サンドロ | : | 彼岸花もありますが(笑)。 |
ボーデル | : | (無視)どういう国だ、この国は。 |
GM | : | 平和な感じだよ。見た感じだとそんな感じの印象を受けるね。 |
クロウ | : | 悪くはないって感じ。 |
ボーデル | : | 一回街に出たからには、もうしばらく街を見まわって行くのもいいじゃろう。少しブラブラして行く。 |
GM | : | えーと『冒険者+知力』で振ってみて。 |
ボーデル | : | (コロコロ)今日は駄目だな。 |
GM | : | それじゃあ何も気づかない。普通に時間は過ぎてくね。 |