因果応報
ゴブリンを笑う者はゴブリンに泣く

GMそれではSwordWorld第10話を始めます。“いにしえの滅びの街” から脱出した君達は、一路 “ムディール” へと向かっています。
クロウよく方角が分かったね。
GM簡単な世界地図とかは持っているという事で。
アーティ星の位置とかから推測したんだよ。
クロウ現在位置はどこですか?
GM(“妖魔の森” の左を差す)ここです。これから森を抜けて、“ムディール” へと向かいます。
サンドロ山越えしてしまった方が良かったんじゃないか?
GMスポンサー(ラヴェルナ)からゴーサインが出たのだ。
これから通る森は“妖魔の森”と呼ばれておりまして、ものすごーくいかがわしい森であります。ラヴェルナがここを調査したいとおっしゃられたので、君達は向かっているのであります。
ボーデルいやいやいや、うちのボスは厳しい事をおっしゃられますのぅ(笑)。
アーティ<ファイアボール> が使えないぃ(笑)。
GM<ブリザード> なら問題ないよ(笑)。
アーティ元々使えない~(笑)。
サンドロメガンティアは大丈夫だろうか。
GM乗るのは無理っぽいけど、ついてはこれる。
クロウどんな所なのですか?
GM“妖魔の森”ってのは、名の通り大量の妖魔が住まう森です。その中には妖精や幻獣などもいるにはいますが、主にこの森を占めているのはものすごい数のゴブリン
アーティおおー!(笑)。
クロウ狂っちゃう! あそこが狂っちゃう!(笑)。
ボーデルいや、獲物はコボルドだけのはずじゃ。
GMゴブリンなんてオマケみたいなものだって?(笑)。
妖魔の森 : 外周部
GMそれでは、君達は無事に“妖魔の森”へと到着しました。
ボーデルううむ、間違えて“いにしえの滅びの街”へ行ったワシらとしては、よく到着できたものだ。
GM今回は道案内がいなかったからね(一同笑う)。
アーティあいつマジいらん(笑)。
GMでは、“妖魔の森”に入って早一週間。
クロウはやっ!
GM妖魔の気配も無く、実に平和な時間が流れております。
クロウいいことだよね。
ボーデルラヴェルナ様には悪いが、護衛としてはありがたい限りじゃ。
GMいくつかの植物系モンスターは出てきますが、それはどこの森でも同じようなものでして、雰囲気としては“一角獣の森”と同じようなものだそうです。
クロウああ、あの森かぁ。
サンドロなら最悪じゃないか(一同爆笑)。
GM違うよ! 静かないい森なんだよ!(笑)。
アーティ地面に足をぶっ刺して光合成でもしていようかな(笑)。
ラヴェルナ「アーティ、置いて行きますよ。」
アーティ冗談だって(笑)。
サンドロしかし、食料は大丈夫だろうか。このパーティは一人エンゲル係数の高い奴がいるから、妖魔でも出てこないと食料が調達できん。
GM待て、妖魔を食うつもりか? 『ダンジョンマスター』かお前は(笑)。
サンドロ違う、それを食べるのはボーデルだけだ(一同爆笑)。
ボーデルうほーう! だったら普通の動物を狩ってくるわい!
アーティレンジャー技能ないけど(笑)。
GMそれは大丈夫だろ。あそこに光合成だけで済ませている奴がいるんだから。
アーティ俺?(笑)。
サンドロ半耳に食わせる食料など、はなから持ってきてないからな。
アーティえーと、「万物の根源たるマナよ・・・・・・」(一同笑う)。
ボーデル「植物を育てたまえ~。」(一同笑う)。
クロウなぜに植物?(笑)。
妖魔の森 : 中腹部
GMでは、さらに二日。何も起こりません。
アーティ拍子抜けするね。
GMつーわけで、皆さんも流石にたるんできてしまったわけです。
サンドロ綺麗なお花。なんて素敵な彼岸花。ボーデルの御髪に似合いそう。
ボーデルお礼に死をくれてやる(一同笑う)。
GMそういうところで、最近使い様によっては非常に便利だと気づいたカッツェ君が、アーティの向こう脛をガリガリガリガリと引っかき始めます。
アーティ「痛っ! いたたたッ!」(一同爆笑)。
ボーデルほっほう、それはちと危険じゃのう。緩みきった頭を切り替えよう。
GMでは皆さん、[ 危険感知 ] をお願いします。
ボーデルそれはやる気が起きん。任せたぞ。
サンドロ(コロコロ)よっしゃ1ゾロ! おっしゃー!
クロウ初だね。
サンドロ幸先がいいな(笑)。
GM喜んでるけど、パーティの危機よ(一同笑う)。
クロウえっと、『13』。
GM気が付くと、周り中ものすっごい数の妖魔に囲まれています。
クロウ「皆、構えろ~。」
サンドロ「え? 皆どうしたんだい?」(一同笑う)。
クロウとりあえず全員に伝えます。
GM周囲の闇の中で、いくつもの目が邪悪に光っている。
ボーデル簡単には通してくれんか。
サンドロ膝を微かに震わせながらこう思うんだ。
『これが・・・これがあの時のコボルド達の心境なのか・・・・・・』 (一同大爆笑)。
GMまさに立場逆転(笑)。
サンドロ『報いは受けるのか・・・・・・』(一同笑う)。
GMでは、申し合わせたように一斉に妖魔達が襲い掛かってきます。
ボーデルおー! ゴブリンとはいえ、この数はまずい!
アーティ相手、何体いるわけ?
GMいや、流石に普通に戦闘やるわけにも行かないし、はしょらせていただきます。
ボーデルヴィジュアルシーンに移行したわけだ。「やあっ! はぁっ! ほぉっ!」
サンドロラヴェルナ様を中心に陣形を組むぞ。
アーティよ~し、グレートソードを構えるぞ~(笑)。
GM皆、好き放題に斬って捨ててくれて構わんよ。
さて、ボーデルの食料が一月分にも達しようかという頃・・・・・・。
クロウ凄!
GMラヴェルナが悲鳴じみた声を上げます。
ラヴェルナ「おかしい! 普通、ゴブリンは臆病な種族で、武器を構えた人間にはおいそれと襲い掛かったりはしないはず。ましてやこれだけ仲間を倒されていると言うのに、怯みもしないなんて!」
GMゴブリン達の攻撃は止みそうにも無いね。
サンドロヤバイな。
ボーデル「いやぁ、これはキリが無いわい!」
GMその時、一体の立派なゴブリンの姿が一瞬だけ映りました。ラヴェルナが、
ラヴェルナ「ゴ、ゴブリンロード・・・・・・!」
GMと息を呑みます。
サンドロゴブリンロードだと!
GMでは、全員 [ 怪物判定 ] 。目標値『10』。
サンドロ『15』。
アーティ『8』。
クロウ『8』さ。
ボーデル『9』じゃあ。
GMボーデルはともかく、何でサンドロしか知らんのだ(一同笑う)。
ゴブリンのロード種です。並みのゴブリンとは比較にならない高い能力を持っている。
実はこの森には、幾人ものゴブリンロードが君臨しているのです。ゴブリンロードに指揮されたゴブリンたちは軍隊の如き組織力を持ち、ゴブリンとは思えぬ勇敢さで戦いを挑んでくるのです。
ゴブリン「イーッ!」 (敬礼)
クロウそれはショッカーですか?
ボーデルなんじゃこいつら、戦闘員か(笑)。
GM君たちはその事にいち早く気付き、騎士サンドロの活躍もあって一人の犠牲者も無く、包囲網から抜け出すことに成功しました。
サンドロゴブリンロードの首、取ったりー!」
GM別にいいけどね(笑)。
サンドロ新たな必殺技の名前を考えたのだ。
GM“肉微塵”以上のインパクトだろうな?(一同笑う)。
サンドロ「サンドロスペシャル、“ファック・スラーッシュ”!」
GMなによそれ?(笑)。
サンドロいや、ただ“ファック”って付けたかっただけだ(一同笑う)。
アーティ二段切りがいいと思うよ(笑)。
GMしかし、後ろからゴブリン達に追われている状態です。
ボーデルやれやれ、いい加減疲れたのぅ。
サンドロおまけに一人だけ足が遅いし(一同笑う)。
ボーデルうぅるせぇぇぇ! 森の中ではそう変わらんよ(笑)。
GM君たちが追いつかれつつ倒しながら森の中を逃げ惑っていると、前方に不意に朽ち果てた木製の門が現れます。
ボーデルこれはどうしよう。
サンドロ「ラヴェルナ様、いかが致しましょう?」
ラヴェルナ「森の中で襲われるよりはマシでしょう。あそこに逃げ込みます。」
ボーデルやれやれ。この間の亡霊の街のようでなければいいがのぅ。
サンドロ「わかりました。それでは私が先行します。」
クロウじゃあ後ろは私が。
GM森の中からは矢が途切れなく飛んできています。狙いはデタラメだけど。
サンドロ門は閉まっているのか?
GM閉まっているね。所々腐っているけど、鉄で補強された、随分立派な門だ。周りの城壁も苔が生えてつる草に覆われている。
サンドロ大丈夫かそれ?(笑)。「開門! かいもーん! 誰か、開けてくれ!」
ボーデルガンガンガンガン! 門を叩き続けるぞ。
GM後ろから妖魔達が迫る、迫る!
クロウ「早くしてよ!」
サンドロ「助けてくれ! 誰か、誰か!」
GMその瞬間! それまでビクともしなかった門がゆっくりと内側に開いていく。
サンドロ「皆、急げ! 中に入るぞ!」
クロウ「ラヴェルナ様はお先に!」
ボーデルなだれ込む。
GMでは全員中に逃げ込むことが出来た。追いすがる妖魔が飛び込もうとするが、何とか阻止する事に成功したよ。閉まりかけた所で、何体かの妖魔が手を突っ込んできているけど。
サンドロ叩き切ってやる!
ボーデル容赦せんよ。
ゴブリン「ギャー!」
GM切り落とした手が足元でビチビチ跳ねているね。
アーティ手だけで動きそうだな(笑)。
GMしばらくすると、その手がうっすらと消えていきます。
サンドロなに? 消えたのか?
GMそして振り返ると、それまで廃墟だったはずの都が、美しい様相の立派な都に変わっているのだ。