インチキ魔術師登場
GM | : | では更に一月ほど迷った後。 |
アーティ | : | 何ィ!(笑)。 |
GM | : | ようやくケンタウロスの部族を発見しました。 |
サンドロ | : | 「ラヴェルナ様見つけました。どっかのハーフエルフのせいで道にも迷いましたが、このサンドロが発見致しました。」 |
クロウ | : | (アーティに)お前のせいにされてるよ。 |
アーティ | : | まぁよくあることだ。 |
ラヴェルナ | : | 「とにかく、よくぞ見つけましたサンドロ。」 |
アーティ | : | 「違うんです。この 【るるぶ】 が間違っていたんです! 古かったから!」(笑)。 |
ラヴェルナ | : | 「<ティンダー>! 我々の存在意義を失わせる物は滅却します!」 |
アーティ | : | 違いますよ、これもう古いから我々が最新号を発行しようとしてるんですよ(笑)。 |
GM | : | “オーファン” に戻る頃にはまた7年ぐらい経っちまうけどな(笑)。 とにかく、ケンタウロスの部族の集落に到着しました。 |
クロウ | : | ばんざーい。 |
アーティ | : | ずーいぶんかかったなぁ。 |
GM | : | 集落の長である“金色の尾”パダは君たちの事を歓迎してくれます。 パダはその名の通り、金色の体毛を生やした珍しいケンタウロスです。穏やかで人当たりの良い感じ。 |
パダ | : | 「ようこそ、我がケンタウロスの集落へ。私が族長のパダであります。まぁゆっくりとしていってください。」 |
サンドロ | : | そらそうだ。こんなところじゃゆっくりする以外に何もできない。 |
GM | : | ケンタウロスに一個も興味ないでしょ? |
サンドロ | : | まったくないな。 |
アーティ | : | テントがいくつかある程度なんでしょ? |
GM | : | いや、随分いっぱいあるよ。 |
ボーデル | : | 族長が大臣だしな。有力部族なんだろ。 |
GM | : | で、ラヴェルナはその古代語魔術の知識に興味があったのですが、しばし話してみたところ、どうやらラヴェルナの方が腕が上だという事が判明しました。で、逆に教える立場になってしまいました。 |
クロウ | : | あら。 |
GM | : | で、その間君達は自由にしていいと言われる。 |
サンドロ | : | こんな何もない所で何をすればいいのだ。 |
ボーデル | : | 言い過ぎじゃぞ。 |
アーティ | : | 素振りでもしてろよ(笑)。 |
パダ | : | 「簡単な酒場ならあるぞ。」 |
サンドロ | : | ビアガーデンの準備はできているんだな。 |
アーティ | : | 店があるなら行ってみよう。 |
GM | : | パダのテントから出てきた君たちを、数人のケンタウロスが遠巻きに眺めてヒソヒソと話をしています。 |
クロウ | : | 何事よ? |
ボーデル | : | [ 聞き耳 ] しろ。 |
GM | : | 君たちと目があうと、さっと散っていってしまいます。 |
クロウ | : | えー? なんなんだろ。人間は嫌われてるんですかー? |
サンドロ | : | 気にするな・・・・・・亜種族の思考など理解できるわけがない。 |
クロウ | : | いや、仲間にもいるんだけどー。 |
ボーデル | : | まぁいい。酒場の主人に話を聞いてみよう。 |
GM | : | はい。一応、ある程度の酒は揃えてあるよ。 |
サンドロ | : | 私はカウンター席に座ってジントニックと適当につまみを注文し、書物でも読んでいよう。 |
GM | : | 屋外には絨毯が広げられた上にテーブルが用意されていて、幾人かのケンタウロスが休憩しています。 |
ボーデル | : | とりあえず、マスターにさっき見かけたケンタウロスについてでも尋ねてみようか。 「なにかあったのかな?」 |
マスター | : | 「ん? いや特に何も無いと思うが。」 |
ボーデル | : | むむむ? |
サンドロ | : | 気にするなボーデル。きっと文明人が珍しいんだ。 |
ボーデル | : | ・・・・・・凄い事を言うな(一同笑う)。 |
マスター | : | 「・・・・・・ああ、パダ様の天幕から出てきたのか。そりゃあ時期が時期だからね。」 |
クロウ | : | 「時期?」 |
マスター | : | 「おお。そろそろ、次期族長を決める時期だからね。」 |
GM | : | 大体5年制になっていて、来年辺りに交代するらしい。まぁ5年とかも今俺が適当に言った事で公式設定でもなんでもないけど。 |
ボーデル | : | 「族長候補は何人かいるのかな?」 |
マスター | : | 「今のところ、候補は現族長のパダ様と、右腕のノードさんくらいかな。」 |
サンドロ | : | 「ほうほう。ちなみに族長になるとどのような特典があるのかな。」 |
アーティ | : | 一日中寝て過ごせる(笑)。 |
GM | : | うーん・・・畑仕事しなくていい・・・・・・とかはないだろうしな(苦笑)。 |
ボーデル | : | 遊牧民が畑を持つか。 |
GM | : | まぁ、どちらかと言うと責任の方が大きいんじゃないかな。一応あぐらをかいていられるとは思うが。・・・ケンタウロスはあぐらかけないけど。 |
クロウ | : | 馬鹿(笑)。 |
サンドロ | : | ふむ。 |
マスター | : | 「そんな時期だからね。族長の天幕から見知らぬ旅人が出てきて驚いたんじゃない?」 |
アーティ | : | ライバルを暗殺(笑)。 |
マスター | : | 「・・・・・・まぁその可能性も捨てきれないかな。」 |
GM | : | と、酒場の主は声を潜めます。 |
マスター | : | 「・・・・・・実は、前回の族長選定の時にそんな事があってね。」 |
ボーデル | : | 「何があったんじゃ?」 |
マスター | : | 「その時はパダ様とノードさんの他に、ノードさんの親友のドレイスさんって奴もいたんだが。族長候補としてはドレイスさんがだいぶ有力だったんだが、選挙の直前に殺されてしまったんだ。それも、襲撃を受けてな。」 |
GM | : | そんなこともあり、最近ピリピリしてきているということです。 |
ボーデル | : | 「しかし、右腕ということはノード殿とパダ殿の仲は悪いわけではあるまい?」 |
マスター | : | 「むしろ、当時からパダ様とノードさんとドレイスさんはとても仲が良く、非常に上手くいっていたんだ。」 |
クロウ | : | 「じゃあ何で。」 |
マスター | : | 「これは旅人に聞かせるような話でもないんだが・・・・・・実はドレイスさんが襲撃されたとき、運良く生き延びた奴がいるんだ。というのも、ドレイスさんは部族に秘密で隠し子を育てていたようでな。まぁ、その事実も襲撃後に知れたことだけど。で、そこを襲撃されたんだ。 だが、その子供は助かった。そして犯人を目撃したんだ。顔などは逆光でよくわからなかったのだが、唯一その尾が金色だったことだけは分かったそうだ。」 |
アーティ | : | 金色の尾って珍しいのか? |
GM | : | 珍しいね。この辺りには他にいない。 |
アーティ | : | そうか。・・・・・・犯人は分かった。 |
クロウ | : | それは違うだろう(笑)。 |
ボーデル | : | それだけ単純だったらいいな(笑)。 |
マスター | : | 「まさかパダ様がそんなことするはずがない、とその時はそれで済んだ。じゃあ真犯人を探そうと言うことになったのだが、他に金色の尾のケンタウロスなど滅多に聞かない。で、そうこうしているウチにこの時期にさしかかってピリピリし始めたんだ。 そんな時期に見知らぬ旅人がパダ様を訪ねてきたわけだから、怪しんだんじゃないのか。」 |
アーティ | : | 怪しいものな(笑)。 |
サンドロ | : | しかし、私にはやましい事などひとつもない。 |
ボーデル | : | 「その隠し子どのはどうしておる?」 |
マスター | : | 「今はパダ様のテントの隣で暮らしている。」 |
クロウ | : | 「子供の名前は?」 |
GM | : | ラナードですね。 |
ボーデル | : | 気の良いオヤジじゃのう。酒一杯でこんなに話してくれるとは。 |
アーティ | : | いや、俺が注文しているよ。「日本酒とビールとウィスキーのカクテルを。」 |
マスター | : | 「よーし、ついでにライムとライチとレモンとグレープを絞ってやる!」 |
アーティ | : | こんなもの飲めるかぁ!(笑)。 |
サンドロ | : | そういえば、ラヴェルナ様は何をしているのだ? |
GM | : | パダに魔術の講義をしている。 |
アーティ | : | 待て。俺は酒を飲んでいる場合じゃないじゃないか! それを聞かなければ!(笑)。 |
クロウ | : | そうだね(笑)。 |
GM | : | 千鳥足で戻ってくれ。 |
アーティ | : | 世界が回る~ぅ!(笑)。 |
サンドロ | : | 仕方ない、私も魔術講義に加わろうじゃないか。 (おもむろに両手を突き出して)「ゆ、指がー!」(一同爆笑)。 |
GM | : | うん、それ確かに“マジック”だね(笑)。っていうか実際にやられてもテープには一個も入んないんだけど!(一同笑う)。 |
リプレイではイラストで再現してみました(笑)。 | ||
パダ | : | 「おお! 凄い! それは西の国の魔術か?」 |
アーティ | : | 「騎士の嗜みです。」(笑)。 |
サンドロ | : | 「我が “オーファン” の国民は皆、これができるのです。」(一同笑う)。 |
クロウ | : | 何か聞こうか? |
サンドロ | : | じゃあ聞くか?「次の族長は一体誰になるんでしょうかね?」 |
ボーデル | : | 突然。凄く不自然な聞き方じゃな。 |
パダ | : | 「うーむ、多分ワシが続行するんじゃないかな?」 |
アーティ | : | 大した自信なことで(笑)。 |
GM | : | お~。随分挑戦的じゃないか(笑)。 |
アーティ | : | いいえ、何も言ってませんよ(笑)。 |
パダ | : | 「部族を引っ張っていけるのは自分かノードくらいなものだが、ノードはあまりそういう事を言い出さんからなぁ。」 |
ボーデル | : | ラナード殿は? |
GM | : | まだまだ全然小っさい。10歳くらい。 丁度良く、話をしているところにラナードがフルーツなどの盛り合わせを持って入ってきました。 |
ラナード | : | 「皆さん、どうぞ。」 |
クロウ | : | ありがとうございます。 |
GM | : | なんだか暗いです。へこんでいる感じです。 |
クロウ | : | 何で? どうしたの? |
GM | : | テンションが低いですね。 |
クロウ | : | 子供なのにどうしたの? 子供はもっとハツラツとしているべきではないの? |
GM | : | 最近の子供はこんなものだ(一同笑う)。 |
クロウ | : | えー! そんなぁ。 |
ボーデル | : | 「元気が無いようじゃな。」 |
ラナード | : | 「いえいえ、そんなことは無いですよ。それじゃあ、失礼します。」 と、テントから出て行きます。 |
GM | : | ラナードが出て行くのを確認してから、 |
パダ | : | 「・・・・・・あの子はもう何年もあの調子でしてな。気を悪くされたなら申し訳ない。」 |
クロウ | : | 「いえいえ。」 |
サンドロ | : | 「父親が殺されたとあっては仕方がないでしょう。」 |
パダ | : | 「おお、そんな話まで知っているとは・・・耳が早いですな。」 |
アーティ | : | 耳は長いですよ(笑)。 |
サンドロ | : | 「気持ちは分かります。私も両親を亡くしていますから。」 |
一同 | : | ええーッ!? |
クロウ | : | 何それ? |
GM | : | GMも初めて知る事実(笑)。 |
サンドロ | : | 知らなかったのか。 私が今、咄嗟に考えたのだ(一同爆笑)。 |
ラヴェルナ | : | 「サンドロ・・・そうだったのですか!」 |
GM | : | と、ラヴェルナの涙腺も緩みます。 |
サンドロ | : | 私の正式な名前はサンド-ロウ。つまり(※)、母親は “ガルガライス” の出身なのだ。 |
※ “ガルガライス”=南国=ビーチ=浜辺=砂(サンド)・・・という連想かと思われる(笑)。 | ||
GM | : | そ、そうなのか!(笑)。 |
アーティ | : | そんな設定を唐突に話されてもー!(笑)。 |
GM | : | この際聞こうじゃないか(笑)。“ガルガライス”って事は肌も黒いのか? |
サンドロ | : | 多少はそうかもしれない。“オーファン” の学者だった父は、冒険者だった母と駆け落ちして “ガルガライス” に渡ったのだ。 |
GM | : | おいおい、“オーファン” から出ちゃったよ(笑)。 |
サンドロ | : | それからずっと母親の村で暮らしていたのだが、ある時モンスターに襲撃されて、両親が亡くなってしまったのだ。 |
クロウ | : | 両親!?(笑)。 |
サンドロ | : | そしてサンドロは独りになってしまった。それを聞きつけた父方の祖父がまだ幼いサンドロを “オーファン” に連れ帰り、騎士としての教育を無理矢理受けさせたのだ。 |
GM | : | まぁ、出身が学者で今は騎士ってのもそれならアリだな。 |
サンドロ | : | だからサンドロって『砂の法律』で『 Sand - Law 』と書くんだ。 |
GM | : | それって今さっき考えたろ? |
サンドロ | : | うん。 |
GM | : | うんって言っちゃったよ!(一同笑う)。 |
サンドロ | : | 親は『“ガルガライス”を守っていける強さを』という意味でこの名をつけたのだろう。 |
GM | : | そうか。これまでの忠誠心も愛国心も欠片もないような発言の数々はそういうことだったのか。 |
サンドロ | : | それもあるかもしれない。 |
GM | : | 騎士団の名前も覚えずにな(笑)。──何騎士団だっけ? |
サンドロ | : | ・・・・・・。 |
クロウ | : | “鉄の槍”でしょ。 |
ボーデル | : | お前が言うな! |
GM | : | なぜ君はいつも言ってしまうんだ? |
クロウ | : | ご、ごめん(笑)。 |
サンドロ | : | 当然、覚えていたよ(笑)。 |
アーティ | : | あと3セッション位経ったらまた質問しよう(笑)。 |
GM | : | まぁ、後半部分はラヴェルナには話さないわけだね。 |
サンドロ | : | ああ。両親の部分だけだ。 |
GM | : | 旅の途中で焼き殺されちゃうからね。 では、パダもそれまでと違った視線を君に向ける。 |
パダ | : | 「・・・ラナードも両親と死に別れていてな。目の前で殺されてしまったのだ。よければ仲良くしてやってくれ。」 |
ボーデル | : | 「ノードというのはどこに住んでいるのじゃ?」 |
パダ | : | 「集落の外れの方にテントがある。そこに住んでいる。」 |
ボーデル | : | 「それでは、ワシはこの辺で失礼。」 と、脱出しよう。 |
クロウ | : | あたしも付いていこう。 |
アーティ | : | 「ではラヴェルナ様、講義の続きを。」 |
サンドロ | : | 「私にも講義の続きを。」(一同笑う)。 |
ラヴェルナ | : | 「サンドロ・・・・・・貴方、古代語魔術に興味があるのですか?」 |
サンドロ | : | 「見ていてください・・・ハイッ!」(と、PLがメモ用紙を手の平に吸い付けてヒラヒラと浮かべる) |
パダ | : | 「おお! 掴んでいないのに、紙が手の平に吸い付いて浮かんでいる!!」(一同笑う)。 |
アーティ | : | 説明的なセリフありがとーう(笑)。 |
GM | : | 言っておかないと、後でテープを聞き返した時に訳が分からんからな(笑)。自分の為のフォローだ(笑)。 |
アーティ | : | ナイスフォロー!(笑)。 |
GM | : | このまま、どんどんマジックが高等化していくのか(笑)。 |
アーティ | : | 口からトランプが~(笑)。 |
サンドロ | : | 「ここに金魚の入ったコップがあります。フンッ!」 ゴクッ! 「・・・いなくなりましたね!? そりゃっ!」 ゴボッ! 「戻りました!」(一同笑う)。 |
GM | : | そりゃ電撃ネットワークじゃねーか!(笑)。 |
サンドロ | : | 「これが“オーファン”に代々伝わる<ニンゲンポンプ>です!」 |
GM | : | お前の一族だけの話しにしろよ! “オーファン”丸ごと変態にするんじゃねぇ(一同爆笑)。 |
クロウ | : | いやだーいやだー(笑)。 |
GM | : | では、ノードの方に話を移します。 |