危険を嗅ぎ分ける弱者の才能
GM | : | それではアレクラスト見聞録 第22回セッションを開始します。 |
サンドロ | : | 次は何処に行くんだっけ? |
GM | : | “エレミア” での調査が無事に終わりまして、次は隣の “ザイン” に向かいます。 |
サンドロ | : | そうだ。私の馬車が手に入ったんだったな。 |
GM | : | お前のじゃないけどな。 |
クロウ | : | トムさんも一緒なんだよね? |
GM | : | そうです。トムも同行中です。 |
サンドロ | : | 面倒くせぇから御者は全部トムにやらせようぜ。 |
ボーデル | : | ははは(笑)。それくらいやらせてもいいか(笑)。 |
トム | : | 「喜んでやらせていただきます。」 |
サンドロ | : | 「お前、少しでも揺らしたら絶対に許さないからな。」(一同笑う)。 |
ボーデル | : | そこまで厳しくせんでも(笑)。 |
GM | : | ガッコン、つって馬車だけ切り離して置いてくのね(笑)。 |
サンドロ | : | よーし、メガンティアで追跡だ。 |
GM | : | いやいや、メガンティアに乗って逃げるから(一同笑う)。 |
トム | : | 「この馬で逃げれば追いつかれない!」 |
アーティ | : | 各馬一斉にスタートしました(笑)。 |
サンドロ | : | バッカ、メガンティアには指紋認証ついてるから盗難できないよ(笑)。 |
クロウ | : | どれだけよ(笑)。 |
GM | : | メガンティア、松風だもんな(笑)。 |
サンドロ | : | そうだ(笑)。黒王号でも可(笑)。 |
ボーデル | : | そんなでかかったのか(笑)。 |
GM | : | モンスターレベルも上がった事だしね。 |
ボーデル | : | 蹄鉄つけただけなのに(笑)。 |
GM | : | 威圧感が増すと身体も大きく見えるのさ。 |
ジェリル・クチビ | : | 「相手が小さく見えるって事は・・・・・・あたしが勝つってことなのさ!」 |
ボーデル | : | お前がでっかくなってるだけだ(笑)。 |
GM | : | では君達は御者をトムに一任し、パッカラパッカラと進んでいきます。 |
アーティ | : | 飯は全部大根かよ。 |
GM | : | その大根を盗られたから取り戻しに行くんだよ。 |
アーティ | : | そうか(笑)。 |
GM | : | では休憩所で休みつつ、地味に “ザイン” に到着しました。 |
サンドロ | : | 地味に着いた! |
ボーデル | : | “ザイン” ってどういう国だったっけ? |
GM | : | “ザイン” ですが、なんとラヴェルナには前情報がありません。 |
ボーデル | : | むー? |
アーティ | : | 俺を殺してくれた奴らの祖国じゃないのか? |
GM | : | そうだよ。通称 “湖岸の国” と呼ばれる国で、国民の3割が “エア湖” に浮かぶ筏の上で生活しています。 |
クロウ | : | へー。 |
GM | : | 国王は第4代ゼウヌス。王城は “シャイニングトライデント”。騎士団名は “雷魚騎士団” だそうです。 この騎士団名は酷いよね。 |
ボーデル | : | あまり強そうな名前じゃないよね(笑)。 |
サンドロ | : | 沼の底に沈んでそうだな(笑)。 |
アーティ | : | よーしサンドロ、君の所属を言ってみろ(笑)。 |
サンドロ | : | えっとね・・・・・・・・・・・・“鉄の槍” 騎士団だ(一同歓声)。 |
クロウ | : | 言えた言えた(笑)。 |
GM | : | 雷魚騎士団てさ、『ベルセルク』の雑魚傭兵団とかでいそうだよな(笑)。 |
サンドロ | : | あひゃははは!(爆笑)。 |
GM | : | で、この国は農業や牧畜、林業を中心に栄える農業国なのだそうです。あまりそんなイメージ無かったけど。 |
ボーデル | : | 昔の “ファン王国” と何かしら関係とかなかったか? |
GM | : | ・・・・・・まぁ、色々ありまして。で。 |
アーティ | : | 何かごまかした(笑)。 |
GM | : | アレクラストで現在流通しているガメル銀貨。120年ほど前に流通したのですが、それを生み出したのが何を隠そうこの “ザイン” 王国の貴族であるガメル伯爵。 |
ボーデル | : | ああ、だからガメルってのか。 |
GM | : | そう。ガメル伯爵がガメル銀貨を発案しまして、まずは自国に広めて、そのシステムがあまりにも優秀だということで、それを周辺国にも広める旅が始まったのでした。 ガメル伯爵はそれで水戸黄門ばりの全国行脚の旅を始めたのですが、とある小国に入った時に水戸黄門暗殺エンドという劇的な最後を迎えたのでした。 |
サンドロ | : | マジで。うっかり八兵衛みたいな奴がうっかり殺しちまったのか。うっかり過ぎて。 |
GM | : | 「危ない黄門様!」 どんっ! グサッ! |
アーティ | : | うっかり過ぎるだろ(笑)。 |
GM | : | で、現在流通しているガメル銀貨の大半は、“ザイン” にある貨幣ギルドで製造されているとの事です。 |
サンドロ | : | そこ乗っ取ってたくさん作ってもらおうぜ。 |
ボーデル | : | でも材質が銀だから銀がないと作れない。銀本位とか金本位ってそういうシステムだから。 |
サンドロ | : | ああなるほど。じゃあクロウに盗んできてもらおう。 |
クロウ | : | ええっ? |
ボーデル | : | まあそれが一番だな。 |
アーティ | : | ドワーフに銀鉱山掘らせればいいんじゃね(笑)。 |
GM | : | というわけで、君達はチンタラと “ザイン” に到着した訳ですよ。 |
サンドロ | : | わーい。 |
GM | : | 一応入国するってンで、入り口のところで入国手続き、名前など書いたりするのですが。 |
ボーデル | : | カキカキ。 |
GM | : | トムは君達とは目的も違うので、別手続きで先に入国します。商人名義だしね。 |
クロウ | : | うん。 |
サンドロ | : | では申請書を書こう。 『サントロ・オーエンパッツ』、『ラヘルナ』と。 |
アーティ | : | 偽名を使うな(笑)。 |
サンドロ | : | 『ポーテル』(一同爆笑)。 |
ボーデル | : | 弱くなったな(笑)。 |
サンドロ | : | 『アーピー』(一同爆笑)。 |
アーティ | : | ハーピー?(笑)。 |
ボーデル | : | アーピー(笑)。 |
サンドロ | : | 最後に 『魔王』 と(一同大爆笑)。 |
アーティ | : | 魔王様が降臨なされた(笑)。 |
GM | : | でもさすが、サンドロさんはいい嗅覚をしてらっしゃる(笑)。 |
一同 | : | ??? |
GM | : | ラヴェルナが身分を名乗った瞬間に連行されます(一同爆笑)。 |
サンドロ | : | ええええっ!?(爆笑)。 |
GM | : | 君達全員(笑)。 |
アーティ | : | またか(笑)。 |
ボーデル | : | 「なぜこの国は来たばかりの旅人を連行するのか!」 と喚き散らす(笑)。 |
サンドロ | : | いいことを教えてやろう。お前達のような天才には俺は一生勝つことはできない。だが弱者には弱者なりの 『危険察知能力』という、お前ら天才には決して持ち得ない才能があるんだ!(一同爆笑)。 |
GM | : | 上手い事言うなぁ(笑)。 実際の話。ラヴェルナが “オーファン” から来たと話すと、見張りの兵士達は一様に顔色が変わるね。 |
兵士 | : | 「“オーファン” だとぉ~?」 |
GM | : | と、奥から兵士がわんさか出てきて君達をズラッと囲む。 |
兵士 | : | 「この “オーファン” のスパイが!」 |
サンドロ | : | 「このスパイ野郎が!」 |
兵士 | : | 「いや、お前だよ!」(一同爆笑)。 |
サンドロ | : | 何食わぬ顔で隣に立ってるのね。「こいつらどうしてやりますかい?」(一同笑う)。 |
ボーデル | : | ジューネのとき以来の非道い扱いだな。 |
GM | : | そうだね。 |
ボーデル | : | !! トムと一緒にいるとろくな目に遭わん!!(一同爆笑)。 |
アーティ | : | この死の商人が!(笑)。 |
GM | : | トムは門の向こう側から心配そうに覗き込んでるけどね。(半身を乗り出して)こう、すぐに隠れられるように。 |
アーティ | : | この野郎(笑)。 |
サンドロ | : | 「トムー! トムー!」(一同笑う)。 |
GM | : | じゃあ消えた(一同笑う)。 |
ザイン兵士 | : | 「大変だ! 奴らの仲間が逃げたぞ!」 |
GM | : | いや、そうなる前に消えた(笑)。 |
クロウ | : | 何者なの(笑)。 |
ボーデル | : | 奴もまた商人の嗅覚が働いたんだろう。 |
クロウ | : | そうだね(笑)。 |
サンドロ | : | まあいい。リストの中に入れておこう。『トム』と。 |
GM | : | それはなに? 抹殺用のブラックリストか(笑)。 |
アーティ | : | 復讐帳だな!(笑)。 |
ボーデル | : | ある意味デス・ノートだ。 |
GM | : | ある意味のな。最初の注意書きに『このノートに名前が書かれた者は殺される』と。 |
サンドロ | : | 殺される(笑)。なんだそれ不思議でも何でもないじゃないか(笑)。 |
ボーデル | : | じゃあいいや。抵抗しても仕方ないし、連行されると。 |
GM | : | まぁまぁ。この辺は史実どおりの進行なので。おとなしく付いてきてください。 |
サンドロ | : | うむ。 |
GM | : | では君達は王城に連行されます。武装解除され、しばらくすると大臣のソルダスがやってきます。 |
サンドロ | : | 大臣、ソルダス。 |
GM | : | 当然、護衛の騎士が付いているので、君達は身動き取れないね。 |
ソルダス | : | 「“オーファン” から何用で参ったか?」 |
クロウ | : | るるぶ。 |
ボーデル | : | では「コレコレこういう旅をしております。」と。 |
GM | : | というのを、ラヴェルナが包み隠さずペロリと伝えるのですが、ソルダスは俄かには信じてないようで疑りの視線を投げかけてきますね。 |
ソルダス | : | 「貴様達の話を信用しない訳ではないが、我が国は今微妙な状態であって、“オーファン” からの客人を手放しで信用する訳にはいかん。しばらく我々の監視下に入ってもらおう。」 |
ボーデル | : | うむ。 |
サンドロ | : | 別にいいんじゃないか? |
アーティ | : | 牢屋に転がされるよりかマシだ(笑)。 |
サンドロ | : | 「分かった。その代わり、ベッドは最高級の物を頼むぞ。名目上は客人扱いなのでしょうから、それ相応の持て成しはしていただきたい。」 |
GM | : | それには返事はせず、ソルダスは退室します。 |
ボーデル | : | その微妙な状態とやらについて聞かせてもらいたかったが。 |
サンドロ | : | 「ベッドはどこだ! ワインを寄越せ! チーズは最高級品だからな!」 |
アーティ | : | 誰も聞いてないんじゃないかな(笑)。 |
ボーデル | : | また喚き散らしおって。 |
GM | : | では、今のところは客人用の部屋に放り込まれます。一応、男女には分けてくれます。 |
サンドロ | : | では鎧を脱いでベッドに寝転がろう。 |
ボーデル | : | 分けられたんでは相談のしようもないな。 |
サンドロ | : | そのとおり。『ガトーは寝て待て』と言うからな。 |
ボーデル | : | ガトー? |
サンドロ | : | アナベル・ガトーのような偉大な人物は、いつか登場するのを寝て待ってるしかないのだ。 |
GM | : | 自分がその偉大な人物になろうとは思わないのか(一同笑う)。 |
サンドロ | : | 我々のような一般兵が何を頑張っても無駄なんだ。 |
ボーデル | : | 一兵卒に戻りおったこいつ(一同笑う)。 |
GM | : | そうこうしていると、ラヴェルナが呼ばれ、一人連れて行かれます。 |
クロウ | : | 困っちゃったね。 |
ボーデル | : | せめてコイツ(クロウ)もセットでお願いしたい。 |
GM | : | いや、ラヴェルナだけだ。 |
アーティ | : | ではこのショートソードを。 |
GM | : | いや、既に武装解除されている。 |
アーティ | : | ではこの石を!(笑)。 |
GM | : | 却下! |
ボーデル | : | ていうか何の石だ。 |
アーティ | : | 普通の石。 |
GM | : | ELEMIRE 産のな。 |
アーティ | : | そう(笑)。 |
サンドロ | : | アーティは <ロケーション> を使いたいからな。 (ナイフを取り出す仕草)じゃあその必要の無い耳なんかどうだ? |
アーティ | : | 切るな! 耳を切るな!(笑)。 |
サンドロ | : | 耳が嫌なら毛髪しかないな。 |
アーティ | : | そもそも発動体も無いから魔法は無理だろ。 |
サンドロ | : | いや、気合で。 |
アーティ | : | き、気合か(笑)。 |
GM | : | ただ、しばらく、そうだね数時間もするとラヴェルナが無事に帰ってきます。 尋問室のような部屋に連れて行かれ、旅の目的について色々と犯人に対するように疑り疑り聞かれたそうです。 |
サンドロ | : | <センス・ライ> されたなら・・・・・・ |
GM | : | いや、魔法は無かった。 |
サンドロ | : | 無いのか。ププッ、後進国め。 |
GM | : | ただ、“モラーナ派” が云々と聞かれたが、それについて説明はしてもらえなかった。 |
サンドロ | : | もらーな? |
ボーデル | : | なんだそれ? 前に武具を取りに来た連中、何て言ったっけ? |
GM | : | おお~覚えてるね。それだけ気づけばいいや。 前々回のセッションで鍛冶ギルドに武具の発注をしたのが “前王派” のペドロ。それを強奪したのが “モラーナ派” の騎士です。 |
ボーデル | : | “モラーナ派” は誰を盛り立てようとしているんだ? |
GM | : | いや、その辺について詳しい話は聞いていない。ただ、連中を統括していたのがデラルサっていう貴族だ。 |
サンドロ | : | ああそうだ。そんな名前だった。 |
ラヴェルナ | : | 「どうやら、“モラーナ派” の何かと間違えられているみたいですね。」 |
ボーデル | : | “モラーナ派” が “オーファン” の人間と密通しているみたいな感じになってるんでしょ。だから “オーファン” の人間を警戒している。 |
ラヴェルナ | : | 「ただ、“モラーナ派” についても、こちらからの質問については一切何も答えてもらえませんでした。」 |
ボーデル | : | うーむ、情報が少ないのう。 |
サンドロ | : | まったく。こういう時に私を連れて行ってくれればよかったのに。 |
アーティ | : | 一番危ないんじゃないのか?(笑)。 |
サンドロ | : | 「お前らは一体何の目的で来たんだ?」 「えっ、いえいえ、あのあのあいあ、なっなっな、あの・・・」 |
アーティ | : | どもり過ぎだろ(笑)。 |
サンドロ | : | 「たっ、旅のぶんっけん、を・・・・・・」 |
兵士 | : | 「それは国勢調査じゃないのか。」 |
サンドロ | : | 「こっ、えー、あっ・・・・・・旦那、落ち着いてくだせぇ。」 |
アーティ | : | お前だよ(笑)。 |
GM | : | サンドロは武器がないと途端に弱気になるのか(笑)。 |
サンドロ | : | しかし武器があると強気になり過ぎてしまう。・・・・・・ただの人格破綻者じゃないか。 |
GM | : | で、君達はそのまま軟禁状態となります。 |