おいでませ魚雷騎士団
GM | : | では翌日も君達は同じ職場で──。 |
サンドロ | : | 職場でも何でもねぇ(一同爆笑)。 |
クロウ | : | でも、あたし達はそれっぽい(笑)。 |
アーティ | : | 俺らはな(笑)。 |
GM | : | 各自、ライフラインに関わる重要な仕事に就いているのだ。 ボーデルが瓶を押す事にもきっと何か重要な意味が多分あるのだ。 |
アーティ | : | ねぇよ!(笑)。 |
サンドロ | : | なるほど。さしずめ私はプールの監視員の様な役目だってあるわけだし。 |
GM | : | そう。本人は気づかないだけで、意味はあるのだ。 |
クロウ | : | 土を平らにしているんだよ。 |
GM | : | 明らかに、瓶を引きずった跡だけ窪んでるけどな(一同笑う)。 |
サンドロ | : | わだちの様になってる(笑)。 |
GM | : | ではアーティは今日も料理を作るわけですが。 |
アーティ | : | よーし、今日も張り切って料理作ってみようかー(笑)。明らかにやる気が出ている(笑)。 |
クロウ | : | シチューにしてくれよ。 |
アーティ | : | いや、カレーって決められてるからさ。 (コロコロ、出目7)うむ、いい出来だ!(一同爆笑)。 |
看守 | : | 「分からん奴だな!」 ゴスゴスゴスッ!(笑)。 |
サンドロ | : | そうか。本来ならやってはいけない、やったら必ず失敗すると言われる『素人のアレンジ』ってやつをやってみたら、思いのほか上手くいってしまったのか(笑)。 |
アーティ | : | なかなかいい味じゃないか(笑)。 「さぁみんな、これ食って今日も頑張ってくれ。」(笑)。 |
看守 | : | 「こんなの食べてたら本当に頑張れちまうじゃないか。」 ボコボコボコ(一同笑う)。 |
GM | : | では、君の職場には何人か同僚がいるのですが、そのうちの1人が話かけてきます。 |
アーティ | : | おっ、どんな奴? |
GM | : | 話しかけてきたのはビックスという男です。 |
アーティ | : | ウェッジはいないの? |
GM | : | いない。彼はこの国の騎士だそうです。 |
アーティ | : | 元? |
GM | : | 彼は “前王派”。つまり兄王子を支持していた派閥の者です。 |
ボーデル | : | というか “モラーナ派” が何を旗印に派閥にしているのか分からん。改革派? |
アーティ | : | そもそも元騎士をこんなところにぶち込めるものなの? |
ボーデル | : | クーデターが成功したか? |
アーティ | : | 身なりはいいの? |
GM | : | いや、身なりは君と同じで囚人服だよ。白黒縞々の奴だ。 |
アーティ | : | ええ~、青白がいいよ(笑)。 |
サンドロ | : | じゃあ豹柄にしようぜ(一同爆笑)。 |
GM | : | パリス・ヒルトンか(笑)。 |
サンドロ | : | 1人だけ豹柄の変態チックな服着てカレー作ってん(笑)。 |
クロウ | : | 特別すぎる(笑)。 |
GM | : | もしくはフレディ・マーキュリーみたいにしてやるよ(笑)。 |
アーティ | : | 囚人かそいつ(笑)。 |
サンドロ | : | 囚人というか変質者じゃないか(笑)。 |
アーティ | : | だから捕まったんだな(笑)。 |
サンドロ | : | なるほど。いやお前の格好の話だ!(一同笑う)。 |
GM | : | ビックス曰く、ついこの間・・・といっても数ヶ月前、君達がくる直前だ。“ザイン” 国王のウラーノス1世ってのが亡くなったのだ。 |
ボーデル | : | 崩御したわけね。 |
GM | : | ああ。で、“ザイン” 国家は真っ二つに別れた。なぜかというと、ウラーノス王には2人の王子がいた。皇太子である兄王子は残念ながら国を治めるだけの器を感じさせないダメ王子だった。逆に、弟王子の方がウラーノス王に勝るとも劣らぬ完璧超人だった。 |
サンドロ | : | なるほど。 |
ボーデル | : | 器量があったわけだ。 |
本部以蔵 | : | 空の王位に、ダメな兄貴と優秀な弟・・・・・・決闘でしょう。 |
サンドロ | : | なるほど。 |
ボーデル | : | バトらせたの? |
GM | : | いや、兄王子が普通に王位を継承したわけですが、そこに不満を抱いたのが弟王子を支持する連中。これが決して少なくはなかった。 ダメ兄貴に国を継がせたら良くはならないというわけで、優秀な弟に継がせたいと考える奴らがいたわけよ。 |
アーティ | : | ふん。 |
GM | : | で、そいつらが決起いたしまして。 |
ボーデル | : | しちゃったのか。 |
サンドロ | : | クーデターか! |
GM | : | そう。 |
サンドロ | : | 鎌と竹槍を持って!! |
GM | : | それは『いっき』です(一同爆笑)。 |
アーティ | : | それ小判集めるだけだろ。クーデター成功しないぞ(一同笑う)。 |
GM | : | 一部の騎士貴族達に煽られた王弟が謀反を起こし、兄王子である第3代国王を追放し、勝手に王位継承を行ってしまったのだ。 当然、これに対して兄王子が異を唱えたのですが、弟王子も自分が正統後継だと譲らず、ついに両者は “ザイン郊外” で剣を交えたのでした。 |
ボーデル | : | 内乱状態ですね。 |
GM | : | もう完全に内戦です。 で、“現王派”(弟王子) が “前王派”(兄王子) を破り、兄王子はその場で斬首。 |
ボーデル | : | 一応、頭の出来が違ったって話だったものね。 |
GM | : | で、今では弟王子であるゼウヌスが自称3代目の、正確には4代目の王となったわけです。 |
ビックス | : | 「確かに兄王子には王としての才覚は欠けていたかもしれねぇ。しかしそれは、優秀な弟王子が補佐する立場に就けば良かっただけの話であって、ゼウヌスのやり方は間違っている。で、俺は兄王子を支持して戦ったんだが、残念ながら敗れて今に至っている。 その後、“モラーナ派” の連中が謀反を起こしたので、ゼウヌスは兄王子寄りの連中にも恩赦を出したんだ。改めて自分に忠誠を誓うならばそれ以上の罪は咎めないとしたわけだ。結果、かなりの数の連中がゼウヌスの下についてしまった。 ただ、俺は今更ゼウヌスに尻尾を振れないんで、今こんなところで不味いカレーを作ってるわけだ。」 |
サンドロ | : | なるほど。素晴らしい忠誠心だ。 |
ボーデル | : | “モラーナ派” ってのがまた出てきたな。 |
アーティ | : | 「君みたいな人が他にもいるのか?」 |
ビックス | : | 「いるよ。結局 “現王派” にはつけないって連中は身分を没収されて、同じような目に遭ってる。 処刑されてもおかしくなかったんだが、“中立派” にケッセラルド様という、先代のウラーノス王の頃から辣腕を振るっている大臣がいてね。彼が非常に穏健な方で、『兄王子に付いた者も国の大事な人材だ、処刑するのは惜しい』と説得してくれたおかげで、俺たちの処分は保留されている。」 |
アーティ | : | 「そんな立派な人がいて、何で俺らはこんな仕事させられてるんだ?」 |
サンドロ | : | もうその人が王様になっちまえよ(笑)。 |
アーティ | : | そうだよ。俺らの仕事はおかしいぞ(笑)。 |
GM | : | それは・・・こいつは知っていていいんだな。 |
ビックス | : | 「ここを仕切っているのは当然 “現王派” なんだ。」 |
サンドロ | : | まぁ、そうだろうな。 |
ビックス | : | 「“現王派” の連中の計らいで、 “中立派” であるケッセラルド様には我々の情報が入っていかないんだ。ケッセラルド様にこの現状を知らせる事ができれば、何とかしてくれるんじゃねぇかなと思うんだが、そこはそれ、彼は入ってこないようになってる。 俺としても直談判したい気持ちはあるが・・・・・・」 |
アーティ | : | 「会う事すらできないか。」 |
ビックス | : | 「俺には不味いカレーを作る事しかできねぇ。」(一同笑う)。 |
アーティ | : | 「いーや、頑張れば美味くもできる。」(笑)。 |
ビックス | : | 「マジで? やってみようかな。」(コロコロ)『7』だ(一同爆笑)。 |
サンドロ | : | なぜカレーの出目は『7』なんだ(爆笑)。 |
アーティ | : | 「なかなか美味いじゃないか。」(笑)。 |
ビックス | : | 「微妙に美味いけど、凄く美味いわけでもねぇ。」 |
サンドロ | : | なんて中途半端な野郎だ(笑)。 |
アーティ | : | アレンジを利かせるんだ(一同笑う)。 |
GM | : | というわけだ。 |
アーティ | : | カレーを作りながら聞いてるわけだ(笑)。 |
ビックス | : | 「前王・・・兄王子に関してはそれなりに事情には精通してるから、何か知りたいことがあったら聞いてくれ。あと、不味いカレーの作り方についても質問があったら聞いてくれ。」 |
アーティ | : | 「いや、それは俺に任せろ。」(一同笑う)。 |
GM | : | では続いてクロウ。じゃなかったうすのろ。 |
クロウ | : | はーい。 |
GM | : | 君にも同僚がいるんだけど。 |
ボーデル | : | こんな作業を2人以上でやってるって事がまずびっくりだよ。 |
クロウ | : | どれだけスプーンあるんだよ(笑)。 |
GM | : | 日々量が増えてるらしいぞ。 |
クロウ | : | 何それ? 作ってんのかどこかで? |
サンドロ | : | もうスポーク使えよ。 |
同僚 | : | 「新人のうすのろさんだね?」 |
クロウ | : | 「あ、はい。あなたは?」 |
GM | : | こいつはトニーさんだ。 |
トニー | : | 「ここの仕事で聞きたいことがあったら聞いてくれよ。」 |
サンドロ | : | 質問するようなことねえよ馬鹿(一同笑う)。 |
クロウ | : | 「じゃあ、ノルマはどれくらいなんですか?」 |
GM | : | では、教えてもらえた。 |
ボーデル | : | ピコーン。『クロウはノルマを知った』 |
トニー | : | 「真面目に頑張ってもノルマ未達成なんてザラなんで、そんなに酷い目に遭ったりしないから心配しなくても大丈夫だよ。」 |
クロウ | : | 「では、ノルマが達成できなかったり1本も見つからなかったらどうなるんですか?」 |
トニー | : | 「これまで1本も見つからなかったなんて事がないからねぇ。」 |
クロウ | : | そうなのか(笑)。 |
サンドロ | : | ちゃんと探せば出てくるんだな(笑)。 |
アーティ | : | どんだけボロいんだよ(笑)。 |
トニー | : | 「心配はいらないだろうけど、さすがに1本も見つからなかったらこっぴどく叱られるんじゃないかな。」 |
クロウ | : | 「それだけですむのか。」 |
トニー | : | 「当然、体罰だよ。」 |
ボーデル | : | そしたら【先割れスプーン】を盗んでおけよ。 |
アーティ | : | なんでそんな一生懸命に(笑)。 |
サンドロ | : | 掘るんだよ! |
トニー | : | 「だが、今の牢獄は床も石が詰められているし、掘れないよ。」 |
クロウ | : | 「早く見つける方法とか、コツはありますか?」 |
GM | : | お前、真面目だな(一同笑う)。 |
クロウ | : | そりゃそうだよ! いっぱい欲しいもの!(笑)。 |
トニー | : | 「じゃあウラ技を教えてやるよ。両手に1本ずつスプーンを持ってだな。 カチ合わせるんだよ。」(一同爆笑)。 |
サンドロ | : | 自ら割るのか(爆笑)。 |
クロウ | : | やっぱりそういう方法が一番良いんだ(笑)。 |
トニー | : | 「ただ、時々根元から折れるから気をつけろ。」(一同笑う)。 |
ボーデル | : | そりゃそうだろうな(笑)。 |
トニー | : | 「根元から折れた奴を見せるのは勇気がいるぞ。俺は隠してる。」 |
サンドロ | : | それが正しいな(笑)。 |
クロウ | : | どこに隠してるんだよ(笑)。 |
サンドロ | : | そして彼の牢獄のベッドの下には大量の曲がったスプーンが(一同爆笑)。 |
アーティ | : | こいつ何年いるんだ(笑)。 |
クロウ | : | 「そういえば、トニーさんはなんでここにいるんですか?」 |
GM | : | こいつは “モラーナ派” の息のかかった盗賊で、他の派閥の奴にとッ捕まってここに放り込まれてる。 |
アーティ | : | 盗賊のスキルをもってしてもここを脱出できないのか。 |
ボーデル | : | そういや、“モラーナ派” はまだ反抗勢力として残ってるわけ? |
GM | : | こいつはもう随分前に捕まったので、詳しくないです。 |
ボーデル | : | では、“モラーナ派” について教えてもらえないか? |
GM | : | それは教えてもらえるよ。“モラーナ派” の起源について。 |
クロウ | : | あ、やった。 |
トニー | : | 「“ザイン” の前身は “モラーナ” という王国だったんだ。 “モラーナ王国” はクリシュという竜司祭が生まれ変わったエルダードラゴンによって滅ぼされ、その後の跡地に建てられたのが “ザイン” なんだ。」 |
サンドロ | : | ほぉ! |
トニー | : | 「“モラーナ王国” は歴史も古く由緒正しい王国で、今も復興を願っている騎士貴族庶民がたくさんいるんだ。」 |
クロウ | : | “モラーナ王国” をもう一度、ってこと? |
GM | : | はい。「“ザイン” とかふざけんじゃないよ!」 ってのが今もいるわけ。 |
トニー | : | 「で、“モラーナ王国” の復興を旗印に掲げている者達がいわゆる “モラーナ派” ってわけ。」 |
ボーデル | : | この人たちはどのようにして “モラーナ王国” を復興させるつもりなわけ? |
GM | : | いや、そこまでこいつは知らない。こいつは厳密には “モラーナ派” じゃないんだ。通じていただけで。 |
クロウ | : | 「誰と通じていたんですか?」 |
トニー | : | 「誰とってわけじゃないよ。複数の “モラーナ派” 貴族だ。」 |
クロウ | : | 「分からなくてもいいけど、今の “モラーナ派” は誰が引っ張ってるんですか? |
GM | : | こいつは分からない。昔から色々いたし、最近決起したって話は聞いたけど、誰がやったとかは知らない。 |
サンドロ | : | 今は牢獄だしね。 |
クロウ | : | ここから逃げ出す方法も知らないだろうし。 |
トニー | : | 「そんなん知ってたら俺が逃げる。」 |
クロウ | : | そうだよね。じゃあおとなしく仕事してるか。 |
ボーデル | : | 果報は寝て待てって言うし。 |
サンドロ | : | ガトーは寝て待て・・・・・・。 |
GM | : | バトー? |
サンドロ | : | バトーは殺す(一同笑う)。 |
GM | : | ではボーデルさん。 |
ボーデル | : | はいー。 |
GM | : | ボーデルは僅か1日で早くも仕事に慣れ(一同笑う)。 |
ボーデル | : | 押すだけだからね! |
GM | : | 当然、他の人に比べて進みが速いので、他の人たちを抜いていくわけです。そして1日の30メートルのノルマもクリアし。 |
サンドロ | : | はええ。すげえコイツ(爆笑)。 |
GM | : | で、ようやく終わったその瞬間、看守に |
看守 | : | 「じゃあ往復しろ。」 |
ボーデル | : | まあ言うだろうな(笑)。 |
GM | : | で、折り返して進んでいると、隣のレーンの奴と並んだ時に声をかけられるね。 |
ボーデル | : | ほぉ。 |
ウェッジ | : | 「やあ・・・・・・俺はウェッジっていうんだけど。」 |
アーティ | : | いるじゃねぇか(一同笑う)。 |
GM | : | あの場にいなかっただけだよ(笑)。 |
ウェッジ | : | 「あんた、何やってここに放り込まれたんだい?」 |
ボーデル | : | 「いやー。“オーファン” から旅してきたんだが、いきなり投獄されてこんな目に遭ってる。」 |
ウェッジ | : | 「おー、あんた “オーファン” から。じゃあ “オーファン” の王子と面識あるか?」 |
ボーデル | : | 「面識はないなぁ。」 |
サンドロ | : | あるとしても私くらいか。 |
GM | : | いや、サンドロも近衛騎士じゃないし。直接見たこと位はあるだろうけど面識と言える程ではない。 |
ボーデル | : | 「何でそんな事聞くんじゃ?」 |
ウェッジ | : | 「あれ? もしかして、ウチの国とは関係ない人?」 |
ボーデル | : | 関係がないっていうと、どういうことだ? |
サンドロ | : | 別に無えよ(笑)。見聞を広めに来ただけで何でこんな目に遭うんだ(笑)。 |
ボーデル | : | だよな。「ただコレコレこういう旅をしているだけだ。」 |
ウェッジ | : | 「ああ・・・・・・だとしたらとばっちりだねぇ。」 |
ボーデル | : | うむ? |
GM | : | ではウェッジ曰く。先ほどクロウにした話とだいぶ重複するのですが、その他にも情報がある。 |
ウェッジ | : | 「先代のウラーノス一世が急死して以来、この国は内乱状態になったんだ。王子2人とその取り巻きが揉めてな。 新興の国だし “ザイン” はまだまだ不安定なんだ。これまではウラーノス一世の手腕で支えられていたが、崩御によって国の抱える問題点も爆発した。それが、不満を抱えていた “モラーナ派” の連中を駆り立てたわけだ。」 |
ボーデル | : | うむ。 |
ウェッジ | : | 「で、“A” と呼ばれるある貴族が決起を促して、“モラーナ王国” 復興の為に、“ザイン” に対して反旗を翻した。」 |
サンドロ | : | なるほど。仮称 “貴族A” な。 |
ウェッジ | : | 「実は、“オーファン” の王妃は “モラーナ王国” の王女なんだ。リジャール王に貰われちまったけどね。 ということはつまり、“オーファン” の王子は “モラーナ王国” の王家の血を引いていて、“モラーナ王国” の正統後継者の資格があると言えるんだ。」 |
アーティ | : | ほう。 |
ボーデル | : | まあそうだね。 |
ウェッジ | : | 「そこで我々は “オーファン” の王子を立てることで “モラーナ王国” を復興させようと考えた。その為にはまず邪魔な “ザイン” を滅ぼしたいんだ。」 |
ボーデル | : | 彼は “モラーナ派” の人間なんだな。 |
ウェッジ | : | 「“A” 達は今もゲリラ的な活動を続けてるが、俺はヘマして捕まっちまった。今も厳しい拷問が続いているが、俺はこの先も口を割るつもりはない。」 |
ボーデル | : | 革命闘士って感じだな。 |
ウェッジ | : | 「その辺の事情があるから、“オーファン” から来た君たちは身辺を疑われているんだね。」 |
ボーデル | : | なるほど。“モラーナ派” と通じていると思われているのか。 「戦いに敗れた “前王派” はどうなった?」 |
ウェッジ | : | 「兄王子はその場で首を刎ねられたらしい。側近だった連中の生き残りは全てとッ捕まったが、その場で処刑されてもおかしくなかったんだろうけど、我々の決起のタイミングが早すぎて、逆に結束されてしまった。」 |
ボーデル | : | ああ、なるほど。 |
ウェッジ | : | 「我々が反旗を翻して新たな内乱が始まるというのに、“ザイン” 内部で戦力を二分していられないってね。それで現国王のゼウヌスが “前王派” の連中に恩赦を出して取り込んだんだ。 それでも従わなかった連中は、俺らと同じようにここでコキ使われてるようだ。」 |
ボーデル | : | 「基本的には戦力として残っていないのか。」 |
ウェッジ | : | 「腹の中は知らないが、表向きは現 “ザイン” 王国の騎士として召しかけられてるみたいだ。」 |
サンドロ | : | なるほど。そいつらは迎合して “魚雷騎士団” の一員か。 |
GM | : | 魚雷? |
ボーデル | : | 特攻ー!! |
サンドロ | : | 違った、雷魚騎士団だ(一同笑う)。 |
GM | : | 急に強そうに(笑)。 |
ボーデル | : | 「“モラーナ派” の連中はお前さんらを助けようっていう気はないのか?」 |
ウェッジ | : | 「彼らの決起が成功して、国家転覆すればいいんだけどね。」 |
サンドロ | : | なるほどね。把握。 |
ボーデル | : | GM、もう一度聞くが、前回武具を奪い取ろうとしたのが? |
GM | : | 武具を注文したのが “前王派” 。 つまり、あの武具の注文は “前王派” と “現王派” の戦争中のもので、それを奪おうとしたのが決起のタイミングを計っていた “モラーナ派” だ。つまり、あの時点で “モラーナ派” の連中は機を狙っていたのだ。 |
ボーデル | : | しかしあいつら騎士とか言ってたな? “モラーナ派” って身分無いでしょ? |
GM | : | 説明しよう。“モラーナ派” も元々は “ザイン” の騎士だったんだ。“ザイン” の人間はすべからく “モラーナ王国” の生き残りと考えてくれ。 それが、ウラーノス一世が亡くなり内乱が起きたのを見て、「やっぱり “ザイン王家” ダメじゃね?」 「やっぱ “モラーナ” がいいんじゃね?」 と考える連中が現れた。それが “モラーナ派” の発端だ。 |
ボーデル | : | ああ、その時点で発生したわけね。それまではウラーノスがいるからまあいいか、と。 |
GM | : | ウラーノス一世ってのが中々の賢王だったらしいからね。 |
サンドロ | : | ウラーノスがいた頃は良かったな~と。 |
GM | : | ついでに説明すると、“中立派” というのはあくまで “ザイン国内勢力での” 中立という立ち位置だ。“前王派” “現王派” のどちらにも与していないが、こと “モラーナ派” に対しては敵対している。 |
サンドロ | : | “モラーナ派” は “ザイン” では無いからか。 |
GM | : | そう。 |
ボーデル | : | うーむ。この状態を改善するには、“中立派” に接触して意見を言うのが一番だと思うが。 |
サンドロ | : | まぁねぇ。 |
ボーデル | : | とりあえず、何かイベントが起きるまで瓶を押してるしかないんかのう。 瓶の中を覗いたら、水の底に何かあったりは?(一同笑う)。 |
GM | : | ないよ。かなり頑丈そうな瓶だね。 |
サンドロ | : | じゃあ投げつけても大丈夫だな。 |
ボーデル | : | 『ゼルダ』の壷じゃないんだからさ(一同笑う)。 |
GM | : | そんな様子をサンドロは3階から眺めている。 |
サンドロ | : | そういや、私も囚人服なのか? |
GM | : | うん。 |
サンドロ | : | なんたる屈辱。騎士なのに・・・! |
GM | : | ではそこに大臣のソルダスがやってくる。 |
ソルダス | : | 「どうだね、ここからの眺めは。気に入ってくれたかな?」 |
サンドロ | : | 「そうですね。なかなか悪くは無いですね。気分は上々といったところでしょうか。」 |
アーティ | : | 囚人の身で?(笑)。 |
サンドロ | : | だって俺、楽だもの(笑)。 |
GM | : | 実際は苦痛だと思うけどなぁ。10時間近くもただ見てるだけだぞ。 |
サンドロ | : | 問題ない。飽きたら遠くの雲とか見てる(一同笑う)。 |
ソルダス | : | 「そうだろう。サンドロ君、一目見た時から君はなかなか有望そうな男だと思っていた。」 |
サンドロ | : | 「それはそれは。お褒めに与り光栄です。」 |
ソルダス | : | 「同じ臭いがするとでも言おうか。」(一同笑う)。 |
サンドロ | : | どういう意味だ(笑)。 |
ソルダス | : | 「君のような優秀な男が、魔術師なんぞの下でなど働くべきではない。 どうだ、我が国に忠誠を誓い、近衛騎士団入ってはみないか?」 |
サンドロ | : | 「近衛騎士団ですか?」 |
アーティ | : | いきなりか(笑)。 |
サンドロ | : | 「私のような他国の者がいきなり近衛騎士というのは、何か問題があるのではないでしょうか?」 |
ソルダス | : | 「それは私が手筈するので問題ないが、気になるならまずは “雷魚騎士団” に入ってもらっても良い。最終的には必ず満足するポジションを約束しよう。」 |
ボーデル | : | よっぽど人材が不足しているなこの国。 |
ソルダス | : | 「どうかね? “オーファン” とは手を切り、我が国で我が部下にならんか?」 |
サンドロ | : | 「そうですね。出生の話をしますと、私は元々 “オーファン” で生まれた訳ではないのでしてね。」 ずっと前にそんな話したよな? |
アーティ | : | “ガルガライス” 出身だな。 |
GM | : | 本名はサンド・ロウというらしい。 |
サンドロ | : | そうだ。“砂の法律” だ。 あの時は、唐突に生まれた設定に自分もびっくりした(一同笑う)。 |
アーティ | : | 自分で作ったんだろ(笑)。 |
サンドロ | : | だって思いつきだったんだもの(笑)。 「そんな事情もありまして、私としましては、別に “オーファン” に絶対の忠誠を誓っているわけでもないのですよ。」 |
アーティ | : | サンドロの忠誠ったってなぁ。 |
サンドロ | : | (爆笑)。 |
GM | : | でも、こいつはそんなこと知らないからね(笑)。 |
サンドロ | : | そう、こいつらは知らない。 サンドロの「忠誠を誓う」という言葉にどれだけの重みがあるのか。サンドロにとっての “忠誠” とはどういう意味合いなのか(笑)。 |
ソルダス | : | 「ほう。ではどうかね。我が国の騎士にならんかね?」 |
サンドロ | : | 「しかし私としてもこの数年間、旅を続ける中で腕を磨き、多少のプライドがありましてね。用意していただいた役職にただ就くというのも納得がいきません。 どうでしょう、こちらの騎士団の中で多少腕の立つ者と模擬戦でもやらせていただいて、その結果で私のポストを決めていただくというのは。」 |
GM | : | 乗り気なのね? |
サンドロ | : | 乗ってみる。この状況を打破するために何かしなければ。 |
GM | : | サンドロ、一応言うけど、こいつ大臣だからな? |
サンドロ | : | 当然、礼儀はわきまえた上で。 |
ボーデル | : | 口約束で済まないよって事だ。国際問題になりかねない。 |
サンドロ | : | 大丈夫、暗殺する(一同爆笑)。 |
クロウ | : | ええー(笑)。 |
ボーデル | : | “オーファン” “ロマール” 間の戦争の火種になりかねない。 |
サンドロ | : | ああ、なりかねないよ。 |
ボーデル | : | 理解しているならいいが。 |
サンドロ | : | そのつもりだ。どっちにしろ、ラヴェルナ様と皆を助け出さないとならないじゃないか。最後の最後で処刑されるなら仕方ない。 |
ソルダス | : | 「うむ、わかった。ではその方向で調整しよう。楽しみにしているぞサンドロ君。」 |
サンドロ | : | 「騎士の選抜はどうぞ、最強の騎士をお選びください。」 |
アーティ | : | 模擬戦が面白そうだからいいじゃないか。 |
ボーデル | : | まぁ、こいつならいざとなったら名前変えるくらいのこと平気でやりそうだからな(一同爆笑)。 |
サンドロ | : | 「初めまして、新しく入隊したサンポロ・オーエンパッツです!」(一同爆笑)。 |
ボーデル | : | サンポールみてぇ(笑)。 |
アーティ | : | サッポロじゃない?(笑)。 |
現状打破の手段は各キャラクター毎に用意していましたが、サンドロが進んだのはGMの想定の遥かに斜め上を行く茨の道であった。 |
ボーデル | : | まぁ、そんな約束が交わされているとは露知らず、ひたすら瓶を押しているボーデルであった。 |
GM | : | ではボーデル、君が瓶を押している広場の隅に、かなりボロボロになった牢があるね。 |
ボーデル | : | そこにはまだ入った事無い? ウェッジに聞いてみよう。 |
ウェッジ | : | 「あの離れは昔に使われていた牢屋だよ。今はもう殆ど使われていない。」 |
ボーデル | : | 「ほう。何でじゃ?」 |
ウェッジ | : | 「何でも、昔あそこで脱獄騒ぎがあったんだってよ。どうやったかは知らないが、床に穴を掘って逃げ出した猛者がいたらしい。」 |
ボーデル | : | ほおお。 |
サンドロ | : | それこそ【先割れスプーン】で(一同笑う)。 |
ウェッジ | : | 「で、それ以降は穴が掘れないよう、現在の石畳の牢に変更になったらしい。もうそう滅多には使われていないが、隔離する必要があるような極悪人や問題児はあそこに入れられたりするよ。」 |
ボーデル | : | 【先割れスプーン】があればわざとあそこに送られるって手もあるな。 「それ以降、脱獄した奴はいるのかい?」 |
ウェッジ | : | 「いない。」 |
ボーデル | : | 「そりゃ、残念なこっちゃ。」 業務に戻る。 |
例えば、“兄王子” “弟王子” の派閥が戦った後、“モラーナ派” が謀反を起こした辺りは公式設定。
『ワールドガイド』では、“兄王子派” がどうなったかなどは触れていませんし、“中立派” の存在もありません。この辺りは膨らませてあります。