「24日ってたしか終業式の日じゃなかったっけ?」 「うん。それが終わったあと。なにかもう予定入ってます?」 「いや、なにもないけど……」 「じゃ、学校が終わったらその足で渋谷まで出て来て下さい。で、行きたいとこあるんで付き合って 「いいけど……行きたいとこってどこなんだよ……?」 「別にヘンなとことじゃないですから安心して下さい」 「な、なんだよ……ヘンなとこって……! 俺はべつに……!」 「うーん……そんなに警戒されるとは思いませんでしたね……ぼくってそんなに信用出来ない人間で 「だ、誰が警戒してるって……!?」 「真田くん。どこかに連れ込まれるんじゃないかって不安になってるんでしょ?」 「なってねぇーよ……!」 「ほらその顔。眉間に皺が寄ってるし、目も怪しんでる。安心して下さい、許可なく手なんか出しま 「お前バカだろっ……!?」 「じゃ、そういうことで24日は空けといて下さいね。ドタキャンとかはなしですよ? 時間とかは 「……なぁ」 「はい?」 「それってアレ……? 俗に言う……デ……とかなんとか……ってやつ……?」 「そうかもね。あ、ほら、もう行った方がいいですよ? 電車、来る頃じゃないです?」 「一時間に一本や二本しかないって言うローカル線じゃあるまいし、いーよ別に乗れなくたって。 「当日まで内緒。それより時間まだいいんだったらそこのドトール、入りません? ジュースくらい 「そうだな……少し探りも入れたいし……いいぜ、行こう……っておいっ……! なににやついてん 「だって思いがけずまだ真田くんといられることになって嬉しいなぁーって思ってさ……」 「そんなくだんねぇーことにいちいち感動すんなよ……つーかにやつくなよ……! 見てるこっちが 「マヌケってひどいなぁ……幸せそうに見えません?」 「だっせぇ面っ……!」 「あっ……! ちょっ、待って……! 真田くん……!」
「あー……悪いなパス……。ちょっと予定入ってて……」 時刻はすでに午前11時40分を回っている。HRがあんなに伸びるなんて全然予想してなかった。 須釜と交わした約束の時間は……たしか正午半頃だったはず……。 駅まで走ったとしても10分……すぐに電車が来たとしても……乗換えとかもあるし……やば……ど 「あー、真田ぁ!! お前なにマジ走りしてんだよぉ?」 「あぁ!? ちょっとな……!」 「あ、なあ! お前もこのあと谷口らと一緒になんの!?」 「や! 俺は今回どれもパス! 別口で約束してて……!」 「そっかあ。じゃあいい年迎えろぉ……!」 お前……! それはまだ早いって……!! 「お、真田だよ」 「……ぉう、じゃーな……!」 クラスメートやら知り合いやらを数人追い抜いて駆け抜けて行く背に掛かる声に、無視するすること なんか、俺、すげぇ間抜けっぽくないか……!? 学校に遅刻しそうなときだってこんなマジに走った記憶ねぇーのに……! たかが……須……釜ごときに……!! あもうっ……!! くそっ……!! 脇腹痛くなってきたよ……! さっき食ったあのタマゴサンドだ……! くそ……! あいつが半分くれるなんて言うから……!
『お昼はラーメン食べませんか? おいしいとこまた見つけたんです。お腹、安心してすかせて来て
……あいつ、たしかそんなこと言ってたよな……? もしかして……呪われたのかも……。 ダメだ……須釜ごめん……! まさかつまみ食いしたらこんな呪いがかかるように仕組まれてたなん 渋谷着いてもこの状態が続くようなら……せっかくだけど食えねぇーよ……。 ぅわぁー……なんか臍曲げた顔が浮かんできたぞ……。
車内はそれほど混んではいなかったけど座れる座席は見回したトコ空いていなかった。 しょうがないからそのままドアに寄り掛かって……人の目を気にしながら息を整えていく。ハァとか 自分が他人の息遣いに敏感なとこがあるからか、自分だったら耐え難いほどの恥かしさを覚えてしま ……やっぱ周囲の目って怖いじゃん……好意的取れないって言うか……不快な思いさせたら容赦なく 気にしすぎだって、よく言われるけど……もう自然に当たり前のように気になってくんだよ……。 これは……もうそういう性格なんだろうな……気にしないヤツはまったく気にならないみたいだし…
『……お出口は左側のドアが開きます』
……あ。 なんか色々考え込んでるうちに着いちゃった……一つ目の乗り換えの駅だ……。 時間は……ああ〜……これはもうダメだな……完璧遅刻だ……。 それにしても……やっぱイブだよな……なんかみんな浮かれてないか……? あ、あれあそこのケーキの包みだ……そういや最近あそこのショコラケーキ……食ってないかも……。 いいなぁ……食うんだあの人……。俺もラーメンでなくてあっち食いたいかも……。 つーか、須釜のヤツ……マジで昼ラーメンにする気なんかな……? 食ったらすぐ移動するんかな……? どこ連れてこーとしてんだアイツ……? 今日はどこ出ても人多いぞ? イブなんだし。つーか……制服で……目立たねぇか……? カップル だいたいアイツってイベントにこだわるようなヤツだったっけ……? そういうキャラじゃなかった
タイミング悪くホームに電車が入って来たばかりだったのだろう。改札口から人が大勢吐き出されて すぐには近寄れなくて流れがゆるくなるのを待って、それから向かった。 背が高いと人ごみではなんて言うか、とても便利だと思う。だって見つけやすい。 「……ごめん……HR思いのほか長引いちゃって……待ったろ……?」 「まあ、十五分ほどは」 ……ごめん……。 「そんなに気にしなくていいですよ? HRはまあ色々とありますからね、予定通りってことになら 「……や、それがあの、……すいてるっちゃあすいてんだけど……ラーメンはパスしたい気分て言う 「もしかしてなにか口に入れました?」 「……ちょっと……」 「じゃあ何が食べたいんです? 真田くんに合わせますよ?」 「……ケーキ……」 「は?」 「や、……あの、なんて言うか……その、……甘いものが食べたい気分つーか……」 「……わかりました。じゃ、この地下に軽く食べられるような店があったはずだからそこ行きましょ 「あ、うん……なぁ須釜……?」 「はい?」 「なんでお前手ぶらなの? いくら終業式だけだからって少しくらい荷物あるもんだろ普通? 成績 「ああ、それね。ロッカーの中です。帰りに寄ってこーかと思って」 「え、……ロッカーってここの?」 「まさか」 「そっか……。俺もそうしてくりゃ良かったな……なんかバタバタしてたから……」 「重そうには見えないけど持ってあげましょうか?」 「ばっ……! お前なに言ってんの……!?」 「や、今日はイブですし」 なんでイブだと荷物持ってくれんだよ!? 恥かしいやつ……! 「おい……! お前このあとどこ行く気なんだよ……!?」 「まだ秘密。そうだ。ご飯食べたあとロフト付き合ってください。まだスケジュール帳買ってなくて」 「今頃かよ。きっともういいのとかないぜ?」 「いんですよ。予定が書き込めるものなら。そのあとも適当にブラブラして少し時間潰ししなきゃい 「は?」 「夕方になったら移動です」 「は?」 ……わけがわからなかった……。なんか企んでそうなのだが……見当もつかないし、情報足りな過ぎ 移動……すると言うことはどこか別のとこに行くことだけは確かだ。 でも、……どこへ……? つーかなんで夕方から……? 昼間は用ないってこと……? ……いったいどこ連れてく気だ……?
街灯もつき、人の数も増えてきてるようだ。 改札口はホームに電車が入って来たばかりというわけでもないのに混雑を見せている。 並ばないとキップが買えなかった。 須釜に小銭を渡して買ってきてもらった。二人で並ぶよりこういう場合は片方に買いに行かした方が 「はい真田くん」 「ん。……横浜?」 渡されて初めて行き場所が判明した。 秘密とずっと言われた場所はここに書いてあるこの横浜……? なぜ横浜……? ここになんかあん 「そこからまた今度は別の乗り物に乗るんですけどね。なんて言うかそれが今日のメインなんです」 「は?」 「とにかく行きましょう」 「あ、うん……」 「えーと……とりあえず今来てる各停に乗って菊名で乗り換えかな?」 ……東横線に乗るのなんてすげぇ久し振り……。なんか色が変わってるし……。これって以前は地下 「……須釜って東横よく利用すんの?」 「親戚んちが新丸子にあるんです。武蔵小杉とかよく行きますよ?」 「武蔵小杉?」 「川崎とかに出るのに乗り換えるんです」 「へぇ……」 初耳……。須釜の行動範囲ってもしかしてかなり広い……? 「もう少し前の車両に移動しましょう」 「あ、うん……なぁ、……横浜で今度は何に乗んの? 俺、横浜って詳しくないんだけど……?」 「着いてからのお楽しみです」 またかよ……。
この先まだ駅があるにもかかわらずけっこう降りる人がいるのには驚いた。 横浜よりもなんとなくだけど桜木町とかの方が降りそうなイメージがあったのだ。 「けっこう人出て来てますね。迷子にならないで下さいね」 「なるかよ……! 頭二つ分は突き出ているお前を見逃すことなんてねぇーよ……!」 「よそ見しないで下さいね? ちゃんと追い掛けて来て下さいね?」 「ガキ扱いすんなばか……!」 「って言ってるそばからなに流されてるんですか……」 流れに逆らえなくて須釜から離されそうになった瞬間……須釜の手が俺の手を捕らえて無事に横に並 周りの目が気になって……周りに目を走らせた。気付かれたような気配はなくほっとする。 「……んだよ、……」 横で、くすりと笑う声にぴくんと耳とこめかみが反応を示す。照れてどうする……俺……! 「……自分が思っているほど周りは気にしてないものですよ?」 やんわりと嫌味を言われる。……助けてくれたのに振りほどいたのは確かに態度悪かったかもしれな 「拗ねないでよ。今日くらい……楽しく過ごしましょう?」 ……意味深なセリフ……だけど今度は人の目は気にしなくて済んだ……こっそりと、……俺だけに聞 「……拗ねてなんかねぇーよ……」 「そ? あ、こっちの改札だよ」 さっき思い切り振り払ったからだろうか……コートを掴んで引っ張られて行く。人の流れがすごいこ 改札の近くで前に押されて須釜より先に出してもらって、それから左手へと流されて行く。 地下道の天井が途中でふっと切れて夜空が見えた。すっかりと暗くなっている。 そしてそのまま階段を降りてまっすぐ進んで行く。 かつてのSOGOだ。入口にしては人がたむろっていると思ったら中から人形が出て来て動くという 「見たい?」 「え、べつにいいよ」 「そう? あと7、8分くらいだから待ってもいいんですよ?」 「いいよ別に興味ない。須釜見たいの?」 「ぼくも興味ありません」 そう言ってデパートの中へと入った足はまっすぐエスカレータを目指し流れに乗って上へと上がって 婦人服売り場を突っ切って目指したものは外へと通じているらしいガラスドア。 夜の光景しか目に入らないが遠目にはオレンジや黄色、赤、青などの明かりが見えている。 「こんなとこに出てどこ行くんだよ?」 「もう少ししたらわかりますよ」 暗いと言えば暗い。人の通りなんて少ないはずに思えるのになぜか俺たち以外にもたくさんいて。 ……どうやら同じトコに向かっているらしいのだが……。 「……海……?」 「船に乗って山下公園まで行くんですよ」 は? 「ライトアップされた光景を見ようかと思って」 はぁ? 「定番と言えば定番のデートコースなんですけど、こういうの真田くん嫌がるの知ってますけど今日 ………。 「いやですか?」 「……いやだっつったらどーすんの? ここまで来てそれでも諦められんの?」 「んー……いつもだったら引き下がるけど今日はすぐには諦めないでしつこくお願いしてみますね」 「よく言うよ。最初からそのつもりなんだろ。だから秘密にしてここまで引っ張って来たんだろ?」 「まあ、そうなんですけど……無理強いは趣味じゃないのでどうしてもいやだったら頑として断って 「考えてみりゃイブだしな。こーいうこともま、あってもいいんじゃねぇーの?」 「ありがとう」 「礼なんか言うなばか……!」 「でも感謝したい気分ですから。あ、乗船券買って来ます。外で待ってて下さい。多分すぐ船来ると 「ん……でも乗れんの? けっこう人いるじゃん。もう満席なんじゃねぇーの?」 「どうだろ? とにかく外で並んでいて下さい。あ、これ……」 そう言って投げたものは……手袋だった。反射的にキャッチしちゃったんだけど……これをどうしろ 「真田くんのご想像通りです。寒いから使って」 ……や、お前……当たり前のように爽やかに言うけどさ……うわぁー……マジやばいかも……定番コ けど……ま……寒いから……せっかくだし……? 使わせてもらいます……。 あ、これすごいあったかいかも。つーか……くそっ……やっぱ指も長いよあいつ……なにこのあまり 「真田くん」 「……早かったな。どうだった? 買えた……?」 「ええ。はい。あ、どうそれ? あっかいでしょ?」 「ま、……まぁーな……あっ……お前来たんなら返さなきゃ……」 「あ、いいですよ。そのまま着けてて下さい。このあと乗っても寒さはかわらないはずだから」 「でもお前は?」 「実はコートのポケットにカイロが入ってて、そこで暖取ってますから。あ、……来たみたいですね」 「けっこう人乗るのな。うしろにもけっこう並んでるし……」 「考えることはみんな一緒なんですね」 考えること? どういう意味だ? 「出来れば後ろのほうの席に座ってくださいね?」 「……指定まですんのかよ……?」 「あはは。ヘンなことはしませんよ? そんな怪しまないで下さいよ」 「……そう言われても……」 ……警鐘が鳴ってんだ……。身構えとけって……。 「あ、そこ。段差になってるんで足元気をつけて下さいね……」 ……それ、もっと早く言って欲しかった……。 「大丈夫でした?」 つま先をとられて前のめりになったけど……セーフ……あ、ありがとな……須釜……。 お前が腕を取ってくれなかったらもしかしたら転んでたかも……。 「……なんか俺……今日はお前に助けてもらってばかりいねぇ……?」 「役に立っているようでぼく的には美味しいことなんですけどね? あ、あそこ座りましょう」 美味しいって……バカじゃねぇーの……!? 「真田くん奥へどうぞ」 「やだ。窓側なんて寒いじゃん」 「だから手袋渡したじゃないですか。ほら早く座って下さい」 「やだよ寒い」 「寒いけど今日は窓側の方がいいんですよ」 「はあ?」 「いいから座って。もし寒くて我慢出来ないようだったらあとでかわってあげますよ」 しつこく勧める須釜ってのも珍しい光景だ。釈然としないものの珍しさに負けてしまった……。 うっ……!! 冷てぇー……!! ケツが……! ……冷えるぅ……!! ……ぅわぁ…………! ……ケツから寒さが伝って震えが止まんねぇーよ……! うっ……波の音が寒々しいぜ……真っ暗でよく見えねぇーし……。 「……す、須釜、……」 や、やばい……! 歯が鳴る……! 「やっぱ……寒いって……!」 「もう出るからあと少し我慢して下さい」 な、……な、なんだよっ……! それ……! 寒い……! つーか……! 動き出したらさらに寒く 我慢出来ねぇー……!! 「前、見て下さい……」 ……え? 「……ちょっ、……おい須釜……!」 くっつきすぎ……! なにどさくさに寄って来てんだよ……! そ、そんなにくっついたら……! 「大丈夫です。みんな外に気を取られててぼくたちにまで気なんか回してませんよ」 風を受けて……それでも流されることなく耳に届く声……。横にぴたりとくっついて……窓を覗く振 「……けどお前これは近づきすぎ……!」 「気にしなければいい」 「……ムリだって……」 「右を見て」 え? 「…………」 「綺麗でしょ?」 ……素直に頷いた横で須釜は笑った。 まさかこれを……見せようと……? 「ベイブリッジも綺麗だけどあそこのMM21の方が思わずうっとりしてきません?」 「うっとりってお前……」 大袈裟な表現に思わずこっちも笑ってしまった。 でも確かに綺麗だ。ホテルの明かりですら綺麗に見えてしまう。周りの赤やピンク、橙、黄色、緑、 うっとりしてくると言う気持ちも……わからなくない……。 特にあの観覧車……幻想的なイルミネーションにロマンチックな気分に浸かれる……。 なんて言うか雰囲気で酔わそうとするならこの手は効果抜群だ。 ……ってちょっと待った……! もしかしなくても俺もその手におとされかかってる最中……!? 「ん?」 ちらっと覗った須釜に動じた様子はなくむしろ素直にこの景色を楽しんでいるみたいだが……でもコ 「そんなに真剣に見つめられると……」 一瞬の出来事だった。 「……お前っ……!!」 「しっ」 「『し』じゃねぇーよ……! なにすんだバカ……!!」 「なにってキス。ロマンチックな気分に浸ってる真田くんについ、むらむらっとしてしまったんです」 「お前……!!」 騒ぎにならないよう気を遣いながら小声を意識して怒鳴るも威力半減で全然格好がつかない。 当の須釜にはまったく反省の色が見えないし……!! つーか……! その態度が一番むかつく……! 「はなれろ……!」 とにかくこの距離をなんとかしないと……このまま近くに寄せておくのは危険過ぎる……! 「ムードないですね?」 ムード!? なくていい……!! 「周りは完璧世界に入ってますよ? 今この中でおしゃべりしてるなんて多分ぼくらだけですよ?」 「だからどーした……!?」 「あれね、クリスマス・イルミネーションなんです。今日と明日だけなんですよ見られるの」 須釜の指した方向は雰囲気たっぷりのまさにムードたっぷりの夜の街。 普段の夜景も綺麗だが今日明日はその上を行く『遠目だからこそ効くムーディーな気分にさせてくれ 確かに綺麗だがお前まで乗るなよ……!! 「周りが気になるだけだと言うなら目を瞑って下さい」 えっ!? そんなことしたらせっかくの夜景が見れなくなるじゃん……! 「周りを気にし過ぎて見ていられないと言ったのは真田くんです。だったら最初から目を瞑っていれ ……須釜……もしかして……怒ってる……? 「言ったでしょ? 周りは思っているほど気にしていないものですよ?」 あらためて……周りに目を配ってみたら……たしかにみんな外の景色に夢中になってるって言うか…… 「ね?」 『ね』と言われても……そうですねなんて言ったらお前…………。 「ぼくにも幸せを下さい……」 は? 「真田くんにしか出来ないことです。二人で街のあかりを見て、そして真田くんが素直に綺麗だと言 「……お前……バカだろ……?」 恥かしくて『わかった』なんて言えなかった……。 だけど……ほだされてしまった……口巧過ぎだよ須釜……。 ……やっばいよなぁー……風は冷たいってのに顔が熱いってどういうことよ……? 「……しょーがねーなぁ……ほら須釜、もっとこっち寄れ……」 ぴたりくっつく横からわずかにずらして並んで外が見られる体勢を作った。そして……確かに周りは 「真田くん……?」 「着くまでの間だけな」 手袋を外してコートの下に隠してこっそりと繋ぎにむかわせた手……多分、……俺からこんなことし 「そんなに驚くことか……?」 バカだよな……こんな冷たくさせて……。 「ほら外見ろよ。せっかくのライトアップなんだろ?」 「……どうしよう……嬉しくてドキドキしてきた……」 「なにそれ……」 ムード満点な船室でこっそり笑い合った。美しく輝くその光景は確かにロマンチックな気分に浸れる 繋いだ手はいつのまにかきつく握り合っているし……なんて言うか、俺まで……ドキドキしてきちゃ
若真のあれに続いての季節ネタ第二弾です。 またもや高校生な二人で萌えてみました。 エロもないのに長いってどういうこと?ていうか人のデート現場実況してだけなんじゃ? しかも妄想しすぎてるし……。須釜ってでもこーいうとこありそう……とかさ……。
ライトアップは高いとこから見るよりも遠目に見るほうが綺麗です。 山下よりもこの船から見る方が綺麗だったです。それは確か。お薦めします。
A Merry Christmas to you!! |