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 「……ゆ、……と……」

 俺は息を詰めて首筋に唇を寄せる。

 「早く、……しろよ、時間、な……いだろっ……」

 結人の手がくしゃりと髪を掴んだ。そしてあやすみたいにして頭を撫で始める。腹の間にできたわず
かな隙間ではもぞもぞと手が動いていた。掠めるようにしてちょこっとだけ触れる指がくすぐったさを
残して皮膚の上をうろつくのだ。いたずらに与えられてしまった熱の心地良さに、中途半端に喘ぐ自分
の声が届き、『もうイヤだ』と叫びを上げてしまいたくなる。視界はもう揺らいでいる。くそっ……、
泣いっ……て、たまるっ、かよっ……!

 「……っあぁ……」

 思わず息を飲み込んだ。まさかそんなに早く半ば頭をもたげたそこに手をやられるとは思わなかった。
ゆるゆると形を辿り始めたその手が、ぐっとちからを篭めた。瞬間、背中のあちこちで電気で痺れたよ
うな感覚が起きる。

 結人は直接手で触れてこない分、俺をゆっくりじわじわと追い詰めるつもりらしい。

 「あ……や、……っ」

 唇を噛み締めても声を殺すことはできない。熱に濡れたよがるような声に顔がかぁーと熱くなる。殺
しても殺しても嗚咽のような息が聞こえてくる。つぅっと、指がラインを描いた。慌てて自分の口を塞
いだ。手のひらに、息が吹きかかる。しっとり濡れてくるのにたいして時間はかからなかった。

 「……っんん、っふぁ、あ……ん、ん……い、やだっ……くそっ……」

 下着の下のじわりと、濡れた湿った感触に俺は眉と顔を顰めた。

 俺のそんな様子には構わず、結人の手は下腹部を摩り続けている。

 「……一馬、……時間がないんだったよね、ちょっとムリさせるけど声、……なるべく抑えろよ?」

 見下ろして囁く結人に、俺は答えるかわりに小さく舌を打った。

 「あ……ああっ……」

 結人は、なんの躊躇いもなく目の前に引き出したそれを口の中に含んだ。よく、ヒトのもの舐められ
るよな。信じ、られっ、ないよ……っ。

 「ああっ、あ、っふ……んんっ……あ、ああっ……」

 背骨にそって駆け上ってくる快感に揺れる腰が止まらない。柔らかなものが手に当たるのを認めて、
確かめるつもりで掴んで引っ張った。間違いない、これは髪だ。

 理解した途端力が篭もったのは無意識のこと。だけど引き離そうと手が動いてしまった。

 「あ、……っふぅ……んんっ……っああ、ゆ……っと……」

 もう、声を殺すことなんてできない。段々に大きくなってきている。いや、乱れてきているのかもし
れない。

 「……ゆぅ……と……っ」

 だけど、含んで舌を絡ませて俺をどんどん追い詰めていく結人には余裕があるらしい。引き剥がそう
と試みている手を難なく押さえるといっそう深く俺のものを飲み込んだ。

 「っうぁ……んんっ……」

 ものすごい高まりを意識した。まるで暖かなお湯につかっているみたいだ。

 「ゆ……と、……っゆぅ……とっ……」

 絞られるような締め付けがあった。びくんっと、肩が大きく揺れてしまった。そしてそのまま背中が
浮いてぶるりと、密度の高い震えが走った。

 っあ……。

 信じられない! 信じられないっ、舌っ、舌がっ……。

 「っぅぅ……んっ……」

 舐めないで、そう言うつもりだったのに喉が引き攣って乱れた声が上がってきてしまった。

 いやだいやだいやだ、それはしないでって言ってるのにっ……。

 「……なんで、泣くんだよ……?」

 お前のせいなんだよっ……。

 顔の輪郭を撫でる指が存外優しいものだから、不覚にも泣きじゃくってしまった。

 「どうせ泣くんだったら俺のが入ってからにしてくんない?」

 お前、なんでそんなに無神経なんだよっ。ていうか、自分のことしか考えてねーだろっ!

 優しい仕種でかまってくれるくせして頭の中には悪魔が舌を出して待っているらしい。膨らんだ場所
へと導かれて『触って……』と耳の裏に熱い息を吹きかけられてしまう。

 「じゃ一馬、腰上げてくれる?」

 なにが『じゃ』なんだよっ。

 だけど前のファスナーをすっかりと下ろされていて下着のゴムに手を掛けていられては従うしかない。
こんなとこで抵抗してもひっくり返されてばたばた暴れている躯の上に乗っかってずるりと下げられて
しまうのがオチだ。子供じゃないんだから、おしおきされるみたいな体勢取らされんのなんてヤだ。

 「……っ」

 太腿あたりまで下ろされた布地の前の部分から、するりと忍び込んできた手にびくんっと腰が跳ね上
がる。撫で上げる手の動きが目を瞑っても暗闇の中に浮かび上がって蠢いている。実際の肌に触れる動
きと頭の中で動く動きがぴたり重なるから不思議だ。

 「一馬、あし、開いて」

 その言葉で一気に下腹部に熱が広がった。足首まで落とされた布地を結人の足が器用に押し下げて足
首から蹴り落とすと、内太腿にあった手がぐっと腿を押した。身がすくんだ。

 「時間ないから、ごめんな……」

 俺は息を飲んで頷いた。そして、腕を伸ばして首にしがみつく。

 結人が声もたてずに笑った。

 「なに、笑ってんだよ、ムカツク……」

 「一馬ってさ、俺のことすごい好きだろ」

 「なに言ってんだ、ばぁーっか! っぁぁ……!」

 押し当てられた熱さに身を竦ませてる間もなく一気に結人は侵入してきた。

 痛い痛い痛い痛い、痛いっ。死んじゃうかもっ……イ、イタイっ……!

 突然の侵入者に肉が激しく抵抗をみせている。

 「あっ……く……」

 「一馬……」

 結人は俺の顔を全部覆い隠すみたいして腕の中にすぽりと頭を包み込んでしまうと、いいこいいこす
るみたいに頭を撫でながら身体を進めた。


 

エッチ部分の一部分だけ抜いてみました。
(でもあれだね、これだけでも読めるじゃん。エロエロ若真でオッケーなんじゃん? ダメ?)

そうです、まだ続くんです。頑張っちゃってるんです。

全体の色はそうですね……かなりべた甘な若真になってると思います。

11月の『ジャジャ馬ならし』というオンリーで出すつもりで頑張り、
ある程度打ち上げていたんですけど、時間がまだあるからと、
手直しをしようとしたのがいけなかった。

あっちもこっちも直したい部分が出てきて気付いた時には完全にいちから打ち直さないと
辻褄の合わない展開に……。

はっははは。それでも頑張ったんだけどコピー誌で出すにはページが膨れ上がり過ぎてました。

なので取れていれば12月のオンリーでオフで出そうと思います。もう原稿は出来てるんで
見直しなんかしなければこのまま入稿出来る状態にあります。

んで、取れてなければ冬コミ?
じゃあ冬コミが取れてなかったらどうするかって?
どうしましょう? そこまでは考えてません。

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