<ダイエットについて>

「うちの子はあの子より、おデブじゃないかしら?」とか、「まだ仔犬なのに標準体重をオーバーしたわ!」など、このテーマの話題は尽きません。関節や内臓機能などへ、悪影響を及ぼすような肥満は要注意ですが、幼犬期は意外と飼い主の思い込みで心配はいらないことが多いようです。かえって標準体重にこだわって、食事制限によるストレスから摂食障害になったり、身体の発育不全になってしまうことの方が問題になります。しりあいの獣医さんがおっしゃるには、体重は標準規定に重きをおくのではなく、その子に合った体重管理をするべきだそうです。幼犬期には、食べるだけ食べさせても適度な運動と、身体の発育によって摂取エネルギーは消費されます。過食(ストレスや遊び化等の原因)などの問題や、まだ幼い臓器に適さない食品でない限り獣医さんの指導のもとに、発育状態の管理をすれば過度の肥満はおこらないものです。

幼犬期から成犬になる前後には、食欲や嗜好が変化したり、食欲が多少減退するのが一般的です。何でもびっくりするほど食べていたのが、徐々に選り好みしたり、ごはんを残すようになって病気を疑う飼い主さんもいらっしゃいます。食べ過ぎても食べなくても心配するのが親心(笑)ですが、飼い主が与えるものしか口にできないのですから食品選択は重要なことです。高カロリーで嗜好性が強いものほど犬は喜びます。それが習慣となって成犬になっても「仔犬用」を忘れられなくて、成犬用のフードをあまり食べない子もいます。それに飼い主がこん負けして、しかたなく高カロリーフードを与えてしまうとか、おやつを多く与えてしまうのが肥満の原因です。犬は本当にお腹がすけば、嫌いなフードでも最後には食べるものです。


種族の祖先のひとつである狼は、空腹に耐えながらも驚異的な持久力を発揮します。家庭で過ごす犬たちも、飼い主との意地のはりあいでは手強い相手です。皆さま決して、ワンコちゃんのわがままに屈しないで!


そうは言っても、飼い主としては標準規定や他の子が気になるものです。

体重管理については、まずその子の両親の体重を参考にします。それがすべてではありませんが、ある程度の予測はつきます。次に、現在の年齢と運動量や、フードの種類・嗜好傾向・食べる量(容積)を確認します。人間のダイエットと同じで、その子の胃の容量が大きい場合は、細かくきざんだキャベツなどを(さっと湯通し)を混ぜて空腹感を抑えることも良い方法です。また、ウエットフードに慣れている子にはドライフードに少しお湯をかけて、「菜の花油・ひまわり油」などを適量(小スプーン一杯)ほど混ぜるなどして、徐々にドライフードになれるようにしてあげてください。犬の嗜好の多くを決めるのは、匂いと味(油質)・食感ですが、慣れさせ習慣化させれば、ドライフードだけで簡単に摂取カロリーをコントロール出来るようになります。

その犬種のチャンピオン(理想の基準)は、数々の高いハードルをこえて、たくさんのライバルたちを退け、天性と努力や忍耐(管理者と犬の)によって作出されます。その犬種の最も美しいバランスをもった人間で言えば「スター」なのです。ペットタイプとシヨータイプなどと分別されているように、繁殖者の経験によって産まれた時から選ばれます。でも、そんなチャンピオンを狙えるほどのクオリティーの高い仔犬であっても、飼い主がそれを望まなければただのコンパニオンドックで幸せな生涯を過ごすでしょう。

犬にしてみれば先天的な疾患や奇形もなく、健康であればそれが理想ではないでしょうか?シヨードックでない限り、基準より健康の方が重要です。

 「小ぶりに育てたい」とか、「ぜったい標準内で」と、無理なダイエットをすると必ず何かの問題が発生します。その子の骨格などのもって生まれた体質を抑制することは悪い結果しか得られません。最近、人間のダイエットでも「インシュリン・ダイエット」などが、注目されていますが、摂取量だけをコントロールする方法は注意が必要です。習慣病のひとつである「糖尿病」は、完治することができない(現在は)やっかいな病気ですが、後天的原因のひとつである肥満の解消は運動からと指導されています。犬も人間もダイエットを行う場合には、現在の1日の運動量(消費値)にみあった摂取カロリーにすることから始めるべきです。お散歩をするか、しないかなどによってもフードの量をコントロールしてもよいでしょう。肥満は習慣病の温床ですから、すみやかに改善する必要がありますが、もしもその子が「糖尿病」やその予備軍であった場合は、急激なダイエットにより「低血糖」による劇症を生じることもあります。ダイエットをする前には、必ず獣医の診察・指導を受けることをお勧め致します。




次回の予定は、「我が子の性格判断」の予定です。

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