<ワンコってドライブはお好き!?>

春の足音が聞こえるころになりました。厳しい冬の間は、室内でぷるぷるしてた人も犬もアウトドアへと出かける季節です。暖かくなり気分もよくなると、近くの公園ではなく、遠くの行楽地などに行きたくなるのも心情です。そんな遠出となると、「クルマ」を利用する機会もふえてくるでしょう。道路ですれちがうクルマのなかには、ワンコが窓から顔を出してドライブしているのも見ますが危険ですから止めましょうね。癖になったら大変ですからね〜ホント。危ないですよ。

さて、皆さんもクルマが大好きな方も、運転はいいけど助手席ドライブは嫌だ!なんて方もいらっしゃると思います。その「嫌だ!」の原因のひとつが、「乗り物酔い」である方も少なくないでしょう。「乗り物酔い」は、いろいろな「キッカケ」が引き鉄となって、大脳が異常を感知して起こる症状です。車内の匂い、クルマの音や揺れ、車外を流れる景色など、何が原因になるかは個体差があります。人間でもそうですが、先天的に「乗り物酔い」に強いワンコもいますし、クルマが走り出してすぐに、激酔いしちゃう可哀想なワンコもいます。クルマに乗る前に食事をさせないとか、助手席に乗せて可能なかぎり揺れないように運転するなど「予防策」もありますが、期待ほどの効果が得られないことも多いようです。

私の仕事が船舶関係ですから、「乗り物酔い」についてよく聞かれます。人間の場合には、@前日に充分な睡眠をとる。A空腹は逆効果、軽く食事をとる。B前日の睡眠前から、長時間タイプの酔い止め薬を服用し、乗船前にも服用すること。(薬は自分が効くと信じるもの・これが重要です)C兆候を感じたらすぐに休むこと。D身体を圧迫しない服装が大切。E気分が高まることを考えたりして、気分転換をはかること。などをお勧めしています。ワンコの場合にもこれらは応用出来ます。ただし、Bの薬物は、ただ身体の感覚器官を鈍感にさせる効果をねらったものですから、ワンコには不要でしょう。それよりも重要度では、EとCだと思います。 以前、すごく「乗り物酔い」が酷く、乗船されるたびにダウンされる方に、ウォークマンと好きな音楽テープ(静かで悲しい歌は逆効果ですよ!笑)を持参してもらい、魔の船酔い地獄から無事生還されたこともありました(^-^)vこの例からもわかるように、脳に「異常」「不快」を感じさせることを抑えられれば、「乗り物酔い」の症状が出難いということになります。ワンコも「クルマは楽しくない」と思えば、その状況そのものが嫌いになり、「乗り物酔い」にもなりやすくなります。いろいろ試しながら、ご愛犬にあった方法を探してあげてください。
(以上のような方法をとっても改善が見られない場合は、獣医さんにお願いして酔い止めを処方していただいてください)

「あっ!よだれが〜」、「キャ〜〜〜オシッコしてる〜!」など、突然の大声や、酷く叱られると、「クルマは嫌い」に直結してしまいます。パパが大切にしている愛車なのに、メチャクチャにしたら車内も重苦しい雰囲気になり、楽しい気分も消えて、とどめに愛犬が「乗り物酔い」なんかしちゃったら、想像するだけでブルーになりますよね。愛犬がまだクルマに慣れていない場合や、車内を綺麗に保つためにも、キャリーケースなどに入れてあげることを習慣化すればリラックスするようになります。

どうしても車内で自由にしてあげたい場合にでも、市販のドライブシートを購入したり、手作りのシートなどで汚れてもいいようにして汚れに備えることです。理想は助手席を避けて、後部座席に止まるようにリードを固定できる工夫をする方が、運転の妨げにもならず安全です。運転者一人のときには、不意の事態にも対応出来ませんので、ワンちゃんはキャリーケースなどに入れてあげる方が良いでしょう。「汚れには寛容に」が、ワンコからのお願いです。

ドライブ途中の休憩も大切です。休憩の意味はおトイレの問題や、身体をほぐしてリラックスする以外に、最も重要なのは飼い主とワンコの楽しみである「新天地探索」です。ワンコは見知らぬ匂いと、楽しげにする飼い主の顔を見て、楽しい気分で大喜びです。これが「ドライブ」の楽しみなのです。クルマは嫌いでも「休憩」が楽しければワンコは我慢します。

ただし!「見知らぬ場所」は、犬の意識が飼い主に向かなくなる場合もありますから、絶対!「ノー・リード」は止めてくださいね。高速道路のサービスエリアなどでは、飛び出し事故になることもありますから。パニックや、嬉しさのあまり、飼い主の制御がきかなくなることはよくあります。「愛犬の鉄砲玉化」にご注意くださいね。

犬は、飼い主がいっしょにいて楽しければ天国ですから、「嬉しいことが後にある」と学習すれば、ドライブも大好きになります。うちの愛犬はドライブが苦手と思っておられる飼い主さまは、そうなった原因を探したり、思いあたる原因が無い場合には、徐々に慣らせていって、「ドライブ=幸せ」の構図を完成させてあげてください。貴方が愛犬の知らない「姿」を見れるかもしれませんし、「遠出」は飼い主と犬との「思い出」創りには最高ですものね。


次回は<寄生虫とカビ>の予定です。

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