<マーキング行為について>

まだ犬を飼ったことのない方でも、電信柱に片足をあげてオシッコをする場面を何度かごらんになったことがあると思います。「テリトリーの主張」とか「目印」ではといわれていますが、ホントのことは犬しかわかりません。とりあえず迷惑のかからない場所ではしかたのないことですが、家のなかでは深刻な問題行動となります。

おトイレのしつけが良い子でも、ある条件によって突然にはじまったりします。
条件としては、「発情」「欲求不満」「遊び?」などがあげられます。

ご近所に発情期の女の子がいたり、発情期の女の子を飼っている人が来訪しても反応することがあります。これに関しては、可哀想ですが行動範囲をサークルなどで狭めて、市販されているマーキング対応型トイレシーツなどで防御して期間が過ぎ去るのを待つ方が賢明です。すべての本能的行動に勝る衝動ですから叱ってもたぶん無駄です。いずれ時間が解決してくれます。

「遊び?」も矯正が比較的に容易ですが、原因は飼われている環境(お散歩コース等)に何らかの刺激(本犬しかわかりません)を受けてお家でもしてしまい、それをなじる飼い主の反応が面白くてわざとその行為を繰り返すことです。この原因はたいてい私達の反応ですから、矯正の基本定理のとおり「無視して失望させる」のが良いようです。こちらを見ながらしたり、はたまた飼い主の背後で結末を期待しながらしても、無言のまま後始末をしてすぐさま「悪い子」をゲージなどに入れましょう。ゲージに入るのが好きな子はダメですよ(笑)。その子が嫌いな事が一番です。「えっ、なんでこうなるの」と理解させるまで繰り返します。いずれその行為に強い理由がない場合には、「あほらし、止めよ〜っと」となるはずです、いや、なって欲しいですよね。それと、その行為を叱る場合には絶対に「見つめ合う」ことは避けましょう。犬は本能的に服従すると「相手の目」を正面からは見ません。叱られてもこっちを見てるようではあまり理解していない可能性があります。

さて、問題は「欲求不満」が原因の場合です。これはまず貴方自身がその子をよく観察する必要があります。環境改善や、1日のすべてのスケジュール、スキンシップなど考えられる原因はそれこそ星の数ほどあります。一部は前記の「遊ぶ?」に共通するシグナル的行為の時もあります。貴方に注目して欲しいとか、貴方が大切にしている物にわざわざ「しるし」をつけたりもします。犬が何を考えて物にまでマーキングをするのかは実際のところわかりませんが、貴方が肌身離さず持って愛でる物にするのですから嫉妬心からかもしれませんね。この原因を解決し、改善するにはその子が「どんな時に」「どこで」「何に」マーキングするのかを解析してください。共通点や、行為のキッカケと思われるものから順番に取り除くことで改善してゆくはずです。多頭飼いの場合は、一匹がすれば順番にすることが多いです。ですから、上位犬を制御すれば他犬も止めることもあります。どいう原因にしても注意深く観察することが解決の近道だとご理解ください。


[追加として・・・]
マーキング行為はオシッコだけではありません。ま新しいカーペットや、タオルなどに体をこすり付けることも同じことです。綺麗にシヤンプーしてもらっても、すぐにわざと身体を汚す行為をする子もいます。これもまた自分の匂いを付けたり、逆に匂いを消すためにする行為ですが、広義ではマーキング行為と共通する本能的行動です。「親の心子知らず」です(涙)。最後になりましたが、マーキング行為はオスだけではありません。女の子もしますので、「うちの子は今までちゃんとおトイレ出来たのにおかしいな」と思われたら行動を観察してあげてください。知らぬ間にヒートがきている場合もありますから。女の子の場合には「長いマーク」を地面に描くことが多いですが、膀胱炎になったときにもそのような事をすることもありますので注意が必要です。もしも、ぐったりとしたり、なんかおかしいなと思われたら病院でチェックしてもらいましょう。人間の女性と同じくデリケートな身体ですから、小型犬では六才を過ぎたら定期的な検診が安心です。

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