<お散歩について>

[デビュー編]

「あれほど室内を走っていたのに・・・」とか、「いつもお外に出たがっていたのに・・・」など、飼い主の意識とは別に全く歩かない仔犬もいますし、故障したロケットのごとく制御不能でどこかに行ってしまう子もいます。
仔犬の性格や、種としての遺伝的な要素もあって様々な「お散歩デビュー」があります。歩かない子よりも、制御不能(笑)の元気な子の方が思わぬ事故にあったりして矯正が必要となります。先住犬がいる場合には簡単な場合が多いのですが、一匹で飼い主も初めての場合にはなかなかうまくいかないことがあります。
矯正の基本的ポイントは、屋外・室内どちらであっても必ず飼い主と「アイコンタクト」ができているかです。犬の意識を常に自分に集中させられることが大切な基礎となるのです。初めて室外に出ると仔犬の小さな脳には、今まで経験したことが無い「物体」「音」「匂い」や、足のパットからは「感触」「温度」までもが洪水のごとく情報として、流れ込んできます。そうなると後は仔犬によっては興奮したり、おびえて制御が効かなくなってしまいます。ですから「お散歩デビュー」を成功させるためには、「デビュー前のリハーサル」が大切だということです。
少しずつ仔犬に「お外」の情報を体感させてあげてください。野で生まれた山犬の仔犬にとっては「お外」は快適な住処ですが、貴方のそばにいる子はたぶん一度も土の上を歩いたことのない仔犬なのです。仔犬にとっては玄関に下りるのでも大事件なのです。玄関の探検が大丈夫になったころに庭先や家の前の道にでも出してあげて様子を見てあげてください。リードで貴方の意識が確実に伝わっていることを確かめて、徐々にエリアを拡大していけば意外に簡単に問題は解決します。
首輪とリードは、貴方と仔犬とのすごく大切なホットラインです。お散歩のお勉強には欠かせない大切な物です。とくに首輪は室内においても装着することをお勧め致します。犬に何かを伝えたい場合には絶対に貴方自身が興奮してはいけません。無理やり引っぱったり、大きな声や調子が違う声で犬に指示しても効果はありません。仔犬がお散歩=愉しい事という学習が出来ない間には無駄な努力でしかありません。さらに、衛生面からもひとつ。仔犬はお外に出ると、色々な物を舐めたりします。抵抗力がまだ整わない身体ですから、下痢をしたりして変調をきたすこともありますので、気になるようなら病院に行かれて駆虫されれば安心でしょう。

お散歩のデビューは、仔犬にとっても飼い主にとってもビックイベントでワクワクする瞬間です。
「慣らす」を方法定理としてがんばってみてください。


次回は、「お散歩で他犬と遭遇・・・」です。

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