<お散歩の危険?>

お散歩途中で他のワンちゃんと遭遇し、良いお友達になってますますはりきってトコトコ歩む
あの仔犬ちゃんにまたまた新たな出来事が・・

お散歩の危険にはいろいろあります。
まず、クルマなどの事故も考えられますし、なにげなく口にしたものからの病気の感染や気管閉塞・腸閉塞など、ノミ・ダニなどの寄生もあります。これらは、リードの使用やしつけ・予防薬によって防止できることですが、ここでは仔犬の心理的視野で書いてみます。
テーマは「思わぬ事が、仔犬のトラウマになることも」です。

犬の言葉が解る新製品が発売されて話題を集めていますが、私個人の意見としては(?)というのが正直な感想です。特定の犬に体温・心電・集音などあらゆるセンサーを装着し、データーを解析して反応試験の結果から得られるものでも完全理解は不可能だと思います。変な場所で、身体になにか沢山付けられて、ストレスだらけで平素の状態であるはずもありません。ですから、この製品も人間側のオモチャでありそれを理解すれば楽しめる製品なのでしょう。それはそれとして、犬の気持を理解しようとするだけでも良いことです。
さて、前おきが長くなってしまいましたが、カーマインさんのお散歩であった事を例にして、犬の一生の性格を決める大切な時期の注意点に話を進めます。

犬をお散歩させてもらえる公園などには子供達もいます。公園はドックランではありませんから、あたりまえのことですがメインは人間であり犬は脇役です。飼い主は、トイレの始末はもちろん周囲の気配りもマナーとして最低限しなくていけないことです。でも時として、飼い主の予想外な事がおきる場合もあります。その一つは「子供」です。子供達が犬に興味を持ち、想像を超えたスピードで奇声を発しながら突撃してくるのです(笑)。それはもう、駅馬車を襲うアパッチのほどの迫力です。ここで、皆さんに考えていただきたいことがあります。それは大型犬の成犬ならともかく、仔犬にとって人間はアフリカゾウや、白亜紀のティラノザウルスごとき、大きさだということをここで理解して頂くことをお願いしたいと思います。仔犬にとっては、恐竜が雄叫びをあげて近づき、頭をバウンドするほど元気よくなぜられてもちっとも嬉しくも無く、かえって恐怖心がめばえてしまう場合もあります。このことが理解していただければ、仔犬に接する時の方法が理解できるようになります。「動作はゆっくり」「出来るだけ目線を低く」「いきなり触れない」「優しく」を守っていただきたいと思います。「優しく」はすべてに対していえることです。このことだけはぜひお子様をお持ちのご両親にお願いしたいことです。

さてさて、カーマインさんはこの場合どうしたでしょう。あいにく近くにはお父さんもお母さんもいなかったようです。子供達はあと10mまで近づきました。興奮度は最高潮に達し、もはや奇声は鼓膜を破らんばかりです。どうする〜ア○フルじゃなかったカーマインさん! もう最後の手段です。
と、その時カーマインさんは「ごめんね〜 この子達は咬むのよ〜」と叫びました。するとどうでしょう。子供達は逆噴射のごとき急ブレーキです。ゆっくり近づきながら「かわいいのに咬むの?」とか、「咬んだら痛い?」などと質問攻めです。子供達に仔犬を見せながら、子供達へのケアも忘れずに仔犬との接し方をレクチャーして、後は楽しいお散歩を一緒にしたそうです。
生き物を慈しむ心を持ってはじめてお互いが「癒される」のだと思います。子供にとっても、可愛がればなつき、いじわるをすれば吼えられるものだとわかります。仔犬にとってもそれは同じことで、優しくされることは癒されることなのです。

人間の数倍のはやさで成長し、そして老いていく犬にとっては小型犬で一年前後、大型犬で一年半前後の成長期は肉体的にも、精神的にもまさしく吸収期なのです。楽しいはずのお散歩で心に傷を付けないように優しく、時には厳しく人間社会に融合できるように導いてあげてください。犬の心はゲーム機のような電子回路ではできていませんから、飼い主の不注意によって傷をおってしまうと修理出来ません。お散歩の危険は、病気やケガだけではないことをご理解下さいね。


次回は「楽しいごはん」の予定です。

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