<あっ! なんでそんなことするの?・・・食糞編>

お詫び*生理的にこの話題が我慢できない方は無視して下さい。


始めて家庭内犬を飼われて、いざ目にして凄いショックなのが「食糞」!!!

でも犬族は、ほんらい「食糞」はふつうの行為のひとつなのだそうです。私たち人間からすれば異常な行為と思えますが、「食糞」の習慣がない母犬でも仔犬の世話(舐め取ります)をしますし、そうしなければ仔犬の健康が維持できなくなりますから、仔犬にとっては絶対に必要な行為なのです。でも、家庭内でコンパニオンとして飼われている犬が、バリバリ食べちゃってたら衛生的にもよくないですし、あんまり気持がよくないこともたしかですね。

一般的に言われている原因には下記のものがあります。
  1.      栄養不足や寄生虫の問題(ミネラル不足・寄生虫)
  2.      消化不良(胃酸過多・消化が悪いおやつ・食材)
  3.      しつけ方法の失敗(飼い主の反応を期待・トイレのしつけ法の失敗)
  4.      犬の年齢や癖(幼犬期特有の一過性・遊び化の行為)
  5.      ストレス(退屈・別離不安・スキンシップ不足・要求行為・不満)

1〜5を見て、うちの子はなんて考えないでくださいね。これらの原因はあくまでも人間が考えただけで、犬にとってはふつうの行為を「無理に」止めてもらうだけなのです。「うさぎ」の場合の「食糞」とは違って(うさぎは食糞を止めると健康維持が出来ないことも)、犬の場合の「食糞」はときとして、何らかの警報であることがあります。そのことの方が、愛犬にとっては重要なのです。愛犬の原因を探す前に、貴方がまず「食糞」にあまり過敏に反応しなくならなくてはいけません。「あぁぁぁっ」とか、「ダメ〜〜〜!!!」などと、騒ぐとよけい犬が喜んでしまう場合もあります。この点をよく注意してくださいね。

よくある対処法としては、アミノ酸や、ハーブ&柑橘などの食品添加物を使用したりします。フードにはじめから入っていたり、「おやつ」みたいなものも市販されています。これらの効果はというと、犬が嫌ってあまり食べなかったりして、効果が出にくかったり、体質によってはアレルギーがでることもあるようです。さらには、したばかりのウンチにすかさずふりかけたり、スプレーしたりするものもあります。これについては、神がかり的スピードと、獲物をまちぶせる猟師のような神経を必要としますので、100%の成功を望む前にこちらが疲れてしまいます。このことからも、ウンチ製造前及びウンチ製造後の「お手軽法」では100%の矯正は無理だと答えが出ます。(私も昔にレトリバーで失敗しました(ToT)

ならば「食糞」を止めさせることはできないのでしょうか。いえいえ、まだ可能性が無いとはいえません。その方法とは、何らかの「しつけ」をほどこし、ウンチを食べないとこんな良いことがあるという「学習」を入れる方法です。病院で検診し、おやつも消化の悪いものは止め、フードも嗜好性の高い(缶詰やレトルト等)を止めてドライフードのみとし、適度な運動とこれでもかと思えるぐらい可愛がっても、「食糞」するなら専用の「しつけ」しかありません。「まて」「こい」と同じように、「食糞」を「止めよ」と理解させる学習をさせるのです。

しつけを入れるためにまず「天罰」を決めましょう。ただし、絶対に「体罰」はダメです。愛犬が貴方に対して、不信感や疑心をもってしまい逆効果になる場合があるからです。私のお勧めは、別項でご紹介した「熊よけホーン」です。アウトドアシヨップなどにありますが、高圧ガスで大きな音(飼い主も驚くほど!)を出しますから効果は絶大です。その子にあった「天罰」がきまったら次は「ご褒美」です。消化が良くてお勧めなのが「レバー類」ですが、家庭で準備するのもたいへんなので乾燥した「ドライ・トリート」をお勧めします。リンを多く含む食品(ささみ)などは、カルシューム不足になることもありますから注意してください。どちらにしても「ご褒美」はごく少量で充分です。

<しつけの実行>

愛犬の「食糞」パターンを観察してください。すべてはそれからです。
それと、この「しつけ」を行うには「トイレのしつけ」が出来ていないと不可能となりますが、これからのプロセスはそれが出来ているとして書かせていただきます。

1.  愛犬のトイレ前の儀式が始まったら、知らんぷりしながら、おもむろに「秘密兵器」を用意して待機してください。
2.  貴方の前で上手にトイレして、こちらに走ってきたら「よしよし」と声をかけながら「ご褒美」をあげてください。
3.  ここで貴方が、背を向けてもトイレの方へ行かずにいたら、さらに褒めてあげてください。

と、ここまでは優等生の行動ですが、次のパターンもあると思います。

a,(2)でよい子のはずが、いきなりトイレに帰ってしまう場合や、いきなり音速のスピードで食べちゃう場合。
b,(3)でよい子のはずが、安心してトイレに行ってしまう場合や、ひとり時間差の高度な技でなにげに食べちゃう場合。

a/bの場合には、「天罰」を実行してください。実行のコツは「突然に!」です。愛犬には可哀想なのですが、できるだけ驚かせて嫌な思いをさせてください。用意していた「天罰」に動じず、「食糞」するなら「天罰」を変更する必要があります。

愛犬の嫌がる「天罰」であるほど効果が期待できます。「しつけ」の「天罰」には、無視したり失望させたりして、徐々に矯正する方法が用いられることが多いのですが、「食糞」「ひろい食い」に関してはタイムリーな「天罰」が必要です。
驚いて食べることを止めたら、すかさず「ご褒美」を与えてください。撫ぜ撫ぜ攻撃でも、スリスリ愛撫でも何でもOKですから、メチャメチャ褒めてあげてください。(褒めると、天罰とのメリハリを極端に!・熊よけホーンはあまり近づけないで鼓膜が悪影響をうけることがあります!)
お留守番のときや、ゲージなどにいるときに「食糞」をしてしまうようなら、バリケンなどの小さなハウスを利用して対処するのも一法ですが、できるだけトイレのしつけだけは完成させてから行う方がよいでしょう。

「食糞」は、いろいろな原因で始まりますが、嫌悪感をもって拒否するだけではなくて、止めるように根気良く矯正してあげればいずれ改善すると思います。動物とうまく付き合うためには、決して「人間化」した接し方をしてはいけません。愛犬も家族の一員であることは間違いではないのですが、彼らは「本能」によって行動してしまう部分があることを、私たちは忘れてはいけないのです。愛犬も可能な限り「犬」らしく生きることが幸せなのですから・・・


 次回は<あっ! なんでそんなことするの?・・・いたずら編>の予定です。

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