<お散歩について>

[他犬と遭遇 編]

<あっ!前方にワンコ発見!どうなるのかな〜>
お散歩デビューをすませて、ドキドキからワクワクさらにラン♪ラン♪ラン♪と、
歩む仔犬と飼い主の前に、他の犬が立ちふさがりました。
いたいけな仔犬ちゃんの運命はいかに・・・

公園などに行くと、他の犬とは必ずといっていいぐらい遭遇するはずです。ここで注意をしなければいけないのは、仔犬ちゃんではなく飼い主の方なのです。前項で書かせていただいたように、犬は「縦社会」「相手の気持を読むことが得意」「パニック(興奮)になる鍵をもつ」を思い出していだたくとおわかりになります。まず先に最悪のパターンをシュミレーションしてみましょう。

[最悪のパターン]
 1.  仔犬が気づく前に飼い主が無意識(意識的)にリードを引っ張ってしまう。
 2.  飼い主が緊張したのを情報としてリードや声・態度の変化で感じる。
 3.  飼い主が緊張したので仔犬は性格別の警戒行動をとってしまう。
 4.  パニックが頂点にたっして仔犬は性格別の異常行動をとってしまう。
 5.  飼い主は仔犬を引きずるようにしてその場を離れようとする。
 6.  飼い主は仔犬が吼えるのを止めさせようとしてとりみだし叱りつける。
 7.  飼い主は仔犬が脅えているので抱き上げて離れようとする。
 8.  相手の犬に優しい声で話しかけなぜたりする。
 9.  相手の犬が知合いの犬で「お友達になりなさいね」と強制的に接触させる。
10.    その他「警戒」「嫉妬」「疑心」「犬の本能」等に犬のルールに反するすべての行為。

[対処法の前おきとして]
「飼い主がその子の本当の性格を理解しているか?」が最も重要なポイントです。家の内での態度ではなくてその子がもつ固有の性格のことです。飼い主以外の人と会った時とか、もの音にたいする反応など、性格を理解しようと注意して観察していると徐々にわかってきます。そして、何が好きで何が嫌いかなども大切なことですし、他の犬の匂いが付いたタオルなどに、どのような反応を示すかでも性格判断のファクターになりえます。「まて!」は食事のしつけではなくて、すべての行為の制止をさせることですから、これだけは絶対に出来なくてはいけません。たとえパニックになったとしても飼い主の「まて」の声でおちつくようになれば最高です。生後40日頃の恐怖心がめばえる時期に繁殖者が適切な接し方をして、安定した自我をもっていても飼い主がその後にうまくコントロールしないと扱いにくい犬になってしまいます。社交性をつちかうべき時期にチャンスがなくて、犬と犬の挨拶を知らずに身体が成熟してしまうと、コミニティーサインが出来ずに相手の犬が困惑して最後には無視されるか、悪くすれば威嚇されたり攻撃されるようになります。そうならないためにも、日ごろから他の犬に会える機会をつくるのが大切です。ご近所に他の犬がいない場合には、お散歩コースにワンコが集まる時間帯に可能な限り行くようにしてあげてください。はじめはその子の性格によりますが、嬉しくて喜ぶ子や、逆にしっぽをまるめて悲鳴をあげて逃げようとする子もいます。なかには、逃避行為でオシッコをもらして服従のポーズを示す場合もあります。これらはすべて社会に順応する過程において通らなければならないことです。あせらずに、相手や場所をかえながら慣らしていけば大抵は大丈夫です。それぞれ個体差がありますから・・・

さて、あのいたいけな仔犬はどうなったでしょうね?
仔犬の心理を想像しながら書いてみましょう。
 1.   あっ!前方から何か来るけど大丈夫かな?(飼い主を見てみる)
 2.   ご主人様はなんか嬉しそうな顔してるな。(安心しても大丈夫な相手なんだな)
 3.   ご主人様が止まったぞ。(緊張するな ドキドキ)
 4.   恐いからご主人様の後ろに隠れよう。
 5.   おっきいなコイツ・・・喧嘩してもダメだな。(反射的に吼えちゃった)
 6.   吼えたからご主人様に怒られちゃった。(ごめんなさい)
 7.   吼えるの止めたら、なぜなぜしてもらっちゃった(おやつもゲッチュー!)
 8.   あれ?コイツ僕のおしりの匂いを嗅いでる。(H〜、変なヤツ)
 9.   僕また吼えそう〜はやくどっかにいってよ〜
10. げっ!顔を近づけてきたよ〜 あっ、ダメ僕もれそう。
11. 「ぺろ」うあぁぁぁぁぁぁ〜 なめられちった!
12. コイツ、意外と良いヤツかも・・・
13. 「クン、クン」仕返しにコイツのおしりの匂いを嗅いでやったぜ。
14. また、頭をなぜなぜしてもらっちゃった。(なんで?)
15.  コイツの飼い主からも頭をなぜなぜしてもらっちゃった。(なんで?)
16.  コイツの飼い主からおやつもゲッチュー!(マズ〜 コイツかわいそうなヤツ)
17. なんか楽しくなってきたぞ。(コイツ意外とフレンドリー)
18.  わっ!僕・・・無意識に「ぺろ」としちゃったよ〜
19.  なんか頼れる兄貴て感じかな。
20. クンクン、えっ!お姉さまでしたか。(だって、でかいんだもん)
21. あれれ、もういっちゃうの?
22. ねえ、ねえご主人様。明日もつれてきてね〜

と、なればいいんですけどね。

現実はなかなかそうは簡単にいきませんが、社交的な子の場合には飼い主の心配をよそに、いきなりマウンティングなんてしちゃう大胆な子もいます(笑) どんな性格であっても、飼い主がコントロール出来るような子になれば、仔犬にとってもとてもお散歩は楽しいものとなっていきます。

仔犬に自信をつけさせながら、相性も考慮に入れてお友達を探してあげてくださいね。



次回は、「お散歩の危険」の予定です。

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