<楽しいごはんって・・・?>

たくさんの会社から、仔犬・成犬・老犬と年齢によって成分を調整した品や、嗜好性を高めて食いつきを良くしたり、サプリメント効果をうたった品・完全自然食をセールスポイントにした品まで星の数ほど販売されております。それらには、犬の健康管理のためには欠かすことのできない栄養素が含まれており、専門店やWebで評価を調べて少量購入し、嗜好性やアレルギーの有無をチェックしてからその子にあったものを購入されれば問題はないと思います。小型犬にとってフードは体質形成への影響は想像以上です。幼犬期にはとくに注意が必要です。栄養失調でも過多でもそのことが一生を左右する場合もあります。栄養バランスも大切ですし、量も注意深く管理して「もの言わぬ」子の健康状態を知るために必ずチェックしてあげてください。さて、ここではフードのご選択はオーナー様にお任せして、ワンコにとっての「楽しいごはん」をご一緒に考えてみましよう。

「なんか最近ちっとも食べないな~」とか、「いつも同じものだから嫌なのかしら」とか思われたことはありませんか?「咬む」で書かせていただいたように、ワンコは味を楽しむことは苦手で、それよりも、匂い・食感などによって嗜好が決まるようです。脂質によっても好き嫌いが個体によって、さまざまで「食いつき」に関しては絶対のものはないようです。幼犬期の嗜好も継続する場合もあれば、ヒート(発情)等によって激変することもあってこれも個体差があります。「身体に悪いものほど美味しい」で偏食をしたりして、人間並みの「習慣病」になる犬も珍しくありません。「こいつはいけるくちだ」などと、ビールを飲ませるのは論外としても、人間用の食品をあげちゃう方もけっこういらっしやるようです。内臓の機能が私たちと違い、分解・代謝できない成分もあって、チョコレートなどは中毒症状が出て、危険な状態になる場合もありますので注意が必要です。さて、さて、本題に入りましょう。カーマインさんちのアイちゃんや、私の好きなベルベちゃんは全く必要のないお話しになりますが(大笑)、「食べない」「偏食」「フードを変えてもすぐに厭きる」のご相談が多いので、それについて最後に書かせていただきます。

仔犬たちの様子を観察していますと、ワクチンがすべて終わる頃に(これも個体差があります)、生きるために食べるから、徐々に「食べ物をくれる人」を認識しはじめます。そして、食器の音や支度をする気配で反応するようになります。性格にもよりますが、発育のいい子ほど空腹=食べるから、「支度をしてくれている」=「呼ばれたぞ」=「嬉しい」というふうに「食べる」という行為よりも、ご主人様が自分のために支度をしてくれて、優しい声をかけてくれることの方がたまらなく、嬉しいことになっていくようです。犬の独占欲は強く、多頭飼いをされている方は意外と「食が細い」という悩みはあまりお持ちじゃないはずです。「食べる」も競争になっているはずです。一頭の場合には「楽しさ」を演出してあげる方がフードを変えるより効果があります。たとえば「美味しいよ~」などと、楽しそうな声をかけて、その子がミルク(犬用) を好きならいつものフードに少量かけて「どう、美味しい?」と優しい顔で声をかけてあげてください。ミルクがだめでも各種のふりかけ(犬用)などが市販されていますのでそれを利用しても良いでしょう。とにかく雰囲気を盛り上げることが「食べない」ことを改善していきます。「食べる」ことが「遊び」のような感じになればすごく喜びます。私たちは、おやつをあげる時には楽しげに声をかけているのに、「いつものごはん」の時にはなにげなく出しているものです。まして、ゲージのなかで一人ぼっちで食べるごはんは、犬にとっても味気ないものです。フードを変えて、匂いや食感が変わってはじめは食べても、しばらくすると、もとのように食べなくなってしまうのです。混ぜ物を入れたり、フードを変えた時が良いタイミングですから、雰囲気づくりをぜひ考えてあげてください。これも大切なことですが、嗜好性の高いものを常に与えると、それでないとダメになり偏食傾向が高まることが多く、そんな食べ物ほどかえって飽きやすく、要求する量もエスカレートしていくことをご理解ください。



次回は、「ワンコの反抗期って?」を書かせていただく予定です。

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