<多頭飼い>

愛犬家が悩まれるテーマのひとつ「多頭飼い」について、カーマイン犬舎様を参考事例として書いてみます。
大型犬の1頭飼いであった私が、小型犬の犬舎で客観的に観察出来たことはすごく新鮮で感心させられること
ばかりでした。なかでも「群れ」のルールには驚きです。お産のために犬舎を離れていた「ボス」が帰還すると、
代理の「ボス」が挨拶にいったりして元の上下関係に戻ります。「ボス」は縄張りの匂いを嗅ぎ変化を知ろうとし、
「群れ」のもの達は「ボス」の匂いを嗅ぎ確認と様々な情報を得ます。挨拶・威嚇・主張の後に平穏な状態に
おちつきます。それは犬社会のルールそのもので、犬は人間が考える以上に思慮深く感情をもった動物だと
いうことを表しています。「群れ」には「癒しの機能」もあり、体調が良くないものには誰かが寄り添い、慰める
しぐさをする時もあります。過敏症の子であっても、自分より下位の仲間ができてすごく改善した子もいます。
逆に仔犬部屋では自己中心的な行動をしてきた子は恐い「ボス」が睨みつけて叱ります。犬舎の各部屋への
出入りにも「ボス」が入らないと他の子達もついて来ません。体育会系の掟社会です(笑)。
人間が「群れのボス」を尊重し、「ボス」は人間を信頼し安心して「群れ」を治めます。一般家庭で1頭を飼う場合も
これとまったく同じ法則だと思います。人間の主人がいて(パパかな?)、優しいサブリーダーと(当然ママでしょう!)
少し上位の仲間がいる(子供さんかな?)。ワンちゃんにとってはそれがすべてなんです。家を訪問するお客さんに、
嫌いな匂いがすると(その犬にしかわかりません)吼えてしまいます。でもその人に主人が喜んでお話をしたり、
おやつなんかもらっちゃうと突然好きになったりもします。犬とのつき合いのキーワードは、「縦社会」です。
これを理解して実行出来るかどうかです。お留守番が多くて、いつもお家でひとりぼっちで、誰もいない時間が
多いと「群れ」で暮すという本能が抑圧されます。しつけによって我慢はしますが、欲求不満であることには違い
ありません。「支配欲」と「忠義心」が犬の基本心理(違う子もいますが・汗)ですから、犬と接する時間が少ない
場合には「多頭飼い」によってその子のストレスが解消されることもあるようです。前記の例のように、多頭飼いを
決めたときにはその犬たちの上下関係を観察して認識する必要があります。仔犬の時には下位であっても、大人に
なったら立場が逆転することもあります。
常に上位犬を尊重することです。

それさえ守れば犬にとっても幸せで楽しいことです。環境さえ許されるなら、多頭飼いは
素晴らしいことだと思います。あくまでも私個人の考えですが・・・。
これほどまでに人間になつき、いろいろな使役もして癒してくれる動物はいません。
ペットという意識を捨てて、同じ地球で生きるパートナーとして考えてあげて下さい。


次回は「お散歩」について書かせて頂きます。


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