トピックス119号 04/09/01発行

依然銀行危機は回避できていない

バブル崩壊までわが国に21あった大手銀行は、この10年あまりで経営破たんや合併・ 統合、買収によって8グループに収斂され、メガバンクは4グループに集約された。
欧米でも各国2〜3の金融グループに集約されつつあり、米国でさえ「JPモルガン」「シティバンク」 「バンク・オブ・アメリカ」の3強時代に突入している。
欧米のメガバンクはデリバティブを駆使した高度な金融技術を蓄積し、様々な分野で大きな利益を上げている。
日本のメガバンクは図体こそ大きく、立派なビルも持っているが中味はカラッポで、欧米のメガバンクの ような金融技術もなく収益は小さい。
ながらく護送船団行政に守られ、とても欧米と対等に渡り合えるレベルにはない。
バブル崩壊から15年。この間、不良債権処理に投じた資金は75兆円に達する。
にもかかわらず、いまだ不良債権処理は続き、銀行の体力も疲弊し続けているのが実情である。
さらに、日米欧の銀行監督当局で構成される「バーゼル銀行監督委員会」は、銀行の自己資本比率を 一段と厳しくした新たな国際ルール(新BIS規制)を合意、わが国の金融庁も2007年3月期から導入する方針で、 これによって邦銀はさらに追い詰められるだけに、さらなる再編の必要性が指摘されていた。
三菱東京とUFJの統合、懸念材料の一つは両行の融合、リストラである。
両グループの連結従業員を単純合算すると約5万4500人。
因みに、みずほが2万7900人であることを考えれば、最低でも2万人規模のクビ切りは避けられないことになる。
当然のことながら、その矛先はUFJに向けられることになり、戦闘的なUFJ行員の猛反発は必死である。
このように、三菱東京ーUFJの先行きは決してバラ色ではなく、まさに波乱万丈含みの船出であり、 まだまだUFJの正念場は続きそうだ。
大手銀行はともかくとして、再編が道半ばにある地銀、第二地銀、信金、 信組などの地域金融機関にとってのペイオフ全面解禁は、預金流出などのリスクがつきまとう。
金融機関としても、ペイオフ全面解禁後は普通預金、当座預金とも保護されないことから、 決済用預金を導入し、顧客、預金の流出を防がざるを得ないわけだ。
地域金融機関を取り巻く環境は厳しさを増す一方である。
地方の地価下落は歯止めがかからず、地方都市の機能流出と地方経済の衰退は深刻化している。
地場企業の信用力低下や担保価値の目減りが、地域金融機関の体力を着実に奪っている。
ましてや、地域金融機関の再編が一巡した後の落ちこぼれ組が大半を占めるだけに、 その最終処理にはかなりの混乱が予想される。
合併や統合、もしくは単独での生き残りが困難と判断された金融機関に対しては、 公的資金をセットにした淘汰を促すことになり、原則として、「足利銀行のような破綻処理は回避され、 予防的注入新法を活用しての再編が主流になる」(金融庁関係者)とみられる。
その候補としては、2003年秋に業務改善命令を受けている北海道銀行、北陸銀行、千葉興行銀行、八千代銀行、 東日本銀行、和歌山銀行、福岡シティ銀行、熊本ファミリー銀行、 もみじホールディングス(広島総合銀行、せとうち銀行が合併)などのほか、荘内銀行、北都銀行、福島銀行、 大東銀行などの名前が挙がっている。
いずれにしても10月以降、地域金融機関の動きが慌しくなりそうで、 2005年4月のペイオフ全面解禁までの地域金融機関の大整理が断行されることになる。
上記は「大倒産時代」著者 松岡 亮 先生のレポートより抜粋。
松岡 亮 先生の講演は12月上旬に毎年あります。
先生の講演を聞くと「日本の超大企業の経営状態が手に取るようにわかります」。
一度聞かれるとこれからの方向付けにおおいに貢献すると思います。
なお、当該トピックスに興味のある方はOMS経済レポート第九十九号を参照下さい。
 


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