TOPICS CORNER 製作担当 河井 継之介

トピックス136号 05/07/09発行

作られた世界第二位のGDP??

GDP(国内総生産)は国の経済規模を示す大切な指標。
このGDPが実際の経済より水ぶくれした統計だったとなると。
最近、帰属家賃なる言葉を耳にすることが多いが、何を意味しているのだろうか?
帰属家賃とは「持ち家」(自分の家)に住む人が、その家を仮に自分に貸したとした場合の家賃のことである。
家賃を払いたくないからローンを組んで「持ち家」を購入したのに、なんでと思われるであろう。
実は日本のGDPの中には帰属家賃なるものが推計して算入されている。
帰属家賃は、地価が安く住宅も日本のようには高くない欧米ではせいぜいGDPの平均5〜6%程度。
ところが、日本では最近この帰属家賃のGDPに占める率が10%を突破してしまった。
このままいくと、2010年には最大の場合、13%に達する。
しかし、人口減と高齢化で実際には誰も住んでいない部屋が多い家に沢山の家賃を「払う」(計上する) という「消費と家賃の日本型大空洞化」が進んでしまうことを意味する。
この家賃分だけで、日本はGDPを少なくとも50兆円前後、水増ししているのだ。
しかし、この帰属家賃について、知らない人がほとんどである。
筆者(浅野夏機氏)はこのような問題点を財務省、総務省、OECDなどに警告してきたわけだが、 ようやくGDPの集計処理の抜本的見直しがされそうだ。
少子化、高齢化などでこれまでGDPに沢山計上されていた投資や消費の中身が変質している点を、 GDPにどう反映させるかということだ。
少子化や産業空洞化で、日本の経済数値はかなり高齢化しているわけだが、 経済の通信簿であるGDPの決め方についても時代に即したものになっていかざるを得ない。
GDPの統計のあり方を決める内閣府の「国民経済計算調査会議」に属する「基準改定課題検討委員会」では、 いま帰属家賃の扱いについて最終的な議論に入っている模様だ。
実は「帰属賃金」よりもっと怖いのが公共事業の出来高をGDPに反映させる「公的資本形成」の扱い方だ。
田舎に道路をつくろうが、銀座に道路をつくろうが、均一的に金額がGDPに反映させる公的資本形成こそ土建国家を許してきたガンなのだ。
ダムや高速道路のお陰で(?)デフレの中でも日本のGDPは500兆円割れを回避できているわけだ。
GDPの6割(300兆円)は個人消費が占めているが、その2割弱を「帰属家賃」 という実際にはお金が取引されないバーチャルなマイホームの家賃が計上されている。
日本は、公共事業など公的な投資が先進国の中では突出して大きいため、個人消費の比率が6割と小さめだ。
この「帰属家賃」が個人消費を底上げしている。
それによってGDPは上がり、国民の豊かさの度合いがそれだけ嵩上げされている。
2003年度の「帰属家賃」は52兆9000億円もあり、2004年度は53兆7000億円になり見込みだ。
個人消費の19%となり、GDPの1割を突破するのは確実だ。
これは1996年から警告している「帰属家賃が個人消費の2割、GDPの1割を突破したら大問題になる」 「人口減少と高齢化が進む中、一人暮らし世帯が増え、 一人暮らしの若者の借りるマンションの高い家賃をベースにGDPをつくることになり、世界の笑い者になる」 という忠告が、残念ながら現実となってしまっているということだ。
バブル時代に造成された常識はずれの遠距離郊外や過疎地の田舎では、広い家があっても雇用機会がないので、 空き屋になっている。
これらは勿論高い家賃で「帰属家賃」にカウントされ、GDPは実力以上に評価されている。
空き屋は、政府の公式統計でも日本全体の家屋の1割もある。
この先、少子化、高齢化、晩婚化で空き屋や空き部屋はますます増えることが予想される。
GDPを支えてきた製造業が空洞化してしまったので、GDPを膨らませておくためには、 公の統計上の家賃は高いほうがいいかもしれないが、実際の家賃は下がっている。
こうした持ち家制度や帰属家賃統計の歪みこそが、国民の生活をGDPを介して「数字上豊か」にしている。
手厚い住宅減税などをぶら下げていれば、「帰属家賃」の土台となる持ち家の着工は、不況でもどんどん増え続ける。
国の思惑通り、住宅減税や公庫のゆとりローンが効いて、この10年、不況下でも住宅着工が急増した。
GDP全体でいえば、経済統計の構造改革も5年、10年と遅れているのである。
超少子化高齢化時代の到来で、官僚の用意した経済統計という「常識」や「客観性」は揺らいでくる。
「帰属家賃の秘密」の他にも怪しい経済統計はごろごろしているのが現実だ。
こういうわけで、これから先も我々は数字上に出る「豊かさ」を実感出来ないだろう。
だが、少しでもこの「帰属家賃」や「公的資本形成」が実態に基づいて扱われ、GDPだけでも信頼できるものにしてほしい。
上記は浅井情報ネットワークに掲載された経済評論家 浅野夏機氏のレポートから抜粋掲載しています。
GDPだが、これらを引いただけでも約400兆円となる。
この3倍がすなわち1200兆円が日本の財政破産の分岐点である。
2006年3月末で国、地方の借金が1100兆円と見られている。
残り枠100兆円、1年で借金65兆円づつ増えているが、この国あと何年持つのであろうか?
国民一人ひとりが本気で財産防衛をすべきであるが、万全でしょうか?
 


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