TOPICS CORNER 製作担当 河井 継之介

トピックス137号 05/07/22発行

ドイツ病と日本病

「ドイツ病」という言葉をご存知だろうか。
かって優等生であったドイツが酷い病に陥っている。
それは「日本病」と非常に良く似ている。
ドイツは、失業率が10%と戦後最悪だ。
もちろん財政赤字も日本のような破綻状態ではないが、深刻である。
高齢化のスピードは日本ほど速くはないが、お年寄りはどんどん増えている。
少子化(出生率)も日本ほど落ち込んではいないが、EUでは最低クラスである。
構造改革は進んではいるがシュレーダー首相が掛け声をかけた「アジェンダ2010」はまだ絵に描いた餅のようだ。
2010年前後はドイツも日本と同じような構造問題に突き当たる。
ドイツは、第一次大戦、第二次大戦と2度敗れた。
戦後の経済発展も日本とドイツは「双子」のようなところがある。
大体、5年〜10年ドイツの方が先に発展し、問題に直面している。
高度成長もそうだった。
ドイツ製品は品質が良くなり、貿易大国となったが、そのうち「Made In Germany は値段が高くても売れる」 「コストがかかっても信頼性が高く、品質が優れているのがドイツ製」という錯覚も出てきた。
その後、ドイツ企業は国外に逃げ、安いコストでドイツ製品を作らざるをえなかった。
賃金や待遇面で世界一恵まれた労働者といわれるドイツの従業員は、企業にとって使いにくくなり、 トルコなど外国人労働者を移民などとして受け入れた。
しかし、それもなかば失敗した。
勤勉で優秀な外国人労働者は、高い税金に愛想を尽かして国外に逃げた。
ドイツに残る外国人は、低賃金労働をするが、税金を納める余力はなく、 福祉や社会保障でコストはかかるという状況になってしまった。
ゲルマン民族の悲願であった東西ドイツの統一。
旧西ドイツは東ドイツに資金や恵まれた世界一の福祉国家や労働者天国を与えようとしたが、 これが失敗の一つであった。
そのツケは非常に大きかった。
欧州で”日本病患者”と揶揄され、ここまで公的債務まみれになったドイツにはこのような背景がある。
実は日本にもこのような「東ドイツ」的な要因があった。
しかし、カネ食い虫である財政支援などは「東ドイツ」への比ではない恐ろしい数字ではあるが。
日本の中の「東ドイツ」、「極東の島国の東ドイツ」とは、 北海道、四国をはじめとするブラックゾーンを指す。
こうした地域は、ユーロトンネルの建設費の3倍以上の総コストがかかった3ルートの本四架橋と高速道路を持つ。
ヒトラーが雇用対策の事業としてつくりはじめたのがアウトバーンだった。
このドイツのアウトバーンのような四国で建設中の「8の字」高速道路ループなどは偉業?である。
通行量が極端に少ないので(なぜかそれなのに高速道路を作るこれが日本なのだ)、 警察の取り締まりさえなければアウトバーン以上の超高速で走れることは間違いない。
この高速道路は、財政破綻に直結するハイウェイである点を除けば「傑作」である。
公共事業好きの土建官僚、土建政治家、それにマスコミは、内需拡大、豊かな国民生活の実現、成熟経済に見合う社会資本の充実と囁いた。
この三者は60年後に完済される予定(到底完済なんて夢の夢だが)の建設国債(孫に払わせるのだろうが)をテコに地方にダムやアウトバーン、 高級市民ホールなどのハコモノを造りまくった。
ドイツの国民負担率(勤労者が負担する年金保険料など社会保障コスト、医療費と税金の合計額)は、 このままで行くと2030年を待たずに70%を超してしまう懸念が大きいという。
平成8年11月通商産業省産産業政策局の試算によるとわが国の国民負担率は2025年には60%、 しかし進行が早く92.4%になる可能性が大きいとみなされている。
ドイツと日本に共通する問題は数多い。
企業経営などマクロ経済でも同様のことが言える。
政局が大きく動くこの秋のドイツに注目したい。
上記は浅井情報ネットワークに掲載されている経済評論家 反町雄三氏のレポートより抜粋掲載しています。
 


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