TOPICS CORNER 製作担当 河井 継之介

トピックス138号 05/08/23発行

半分の予算でも国は運営できる

経済トレンドレポートのNEWS FLASHより掲載。
FLASH NEWST、いまや経済や投資というと中国ばかりが注目されているが、こういう時期だからこそ、 それほど注目されていないニュージランドという国に注目すべきではないか。
中国はすでにバブル的様相を呈しており、今後どうなるかわからない。
それに比べニュージランドは着実に景気が上向きになってきており、 今後人口が20年にわたって少しずつ増え続けていくと言われている。
しかも私たちは21世紀に入って新しいリスク、たとえばテロ、環境汚染、将来の食糧危機、 そして日本においては国家破産など、いろいろなリスクに遭遇する危険性が高まっているが、 それらをすべてヘッジするために日本とは全くかけ離れた、 国も財政も健全なニュージランドに資産を持つということは非常に有利なことと言えるであろう。
NZドルは3〜4年前の1NZドル42〜43円から現在76円台まで上がってきたが、さらに将来100円に向かっていく可能性もあると考えている。
ニュージランドの銀行預金も面白いが、さらに有利なのは、Man社が年に1回出しているNZドル建ての元本確保型ファンドだ。
満期時(通常12年満期)には元本の150%(120%確保はMan社では多くあるが)は確保するという他に例のないものだ。
NEWS FLASHU、グレンイーグルズ・サミットは閉会した。
日本にとっては大きな問題を抱えることになるサミットであった。
その問題とは、政府開発援助(ODA)100億ドル増額である。小泉首相は国連安全保障理事会常任理事国入りへのアピールのため、 5年間でODAを100億ドル積み増す方針を表明した。
100億ドルと言えば、日本円で1兆円を超える額だ。
5年で割って1年当たり2000億円を超える。
財政破産状態の日本にそんな余裕があるのか。
もちろん、ODAを増額すれば常任理事国入り決定ということならば、それを優先する選択肢もある。
しかし、戦略なき援助は何の効果も持つものではない。
極論すれば死に金だ。
現在、常任理事国入りを目指す日本・ドイツ・インド・ブラジルの4ヵ国(G4)が提出した国連安保理の 「枠組み決議案」が国連総会で審議されているが、それにはG4以外に25ヵ国が共同提案国として名を連ねている。
しかし、アジアの主だった国で共同提案国になってくれるところはない。
日本は今では世界第二位のODA大国、90年代はアメリカをしのぐ世界一のODA大国だった。
そしてその援助の大半はインドネシア・中国などアジア各国向けのものであった。
にもかかわらず、今回の決議案に対しそれらの国は反対こそすれ、後押ししてくれるところはゼロに等しい。
一方、ヨーロッパにおいてはEUの中核国で常任理事国でもあるフランス、第二次世界大戦でドイツに占領されたポーランド等までが、 共同提案国に名を連ねている。
これは明らかに国家戦略の差である。
戦略なき今の日本の政治力・外交力では、今回のODA増額は死に金となるだろう。
そして5年間のODA増額期間に、我が国は財政破産によって経済神話まで崩壊するーーーその絶望的なシナリオが現実となる可能性は限りなく高いと言わざるを得ない。
NEWS FLASHV、国の借金は1000兆円超。
ようやくこのあまりに酷い財政の現状が新聞にも掲載されたりで国民に知られるようになってきたが、しかし解決策は一向に見えてこない。
国民の将来に直結する財政再建案と実情への取り組みの方が、 郵貯の民営化よりもっと重大事項と思うが政府は知らぬ存ぜぬだ。
浅井先生とも親交のある加藤秀樹氏(元大蔵官僚。現在シンクタンク構想日本の代表・慶応義塾大学教授)が、「半分の予算でも国は運営できる」と題する文章をWEDGEで書いている。
それによれば、自治体職員も交えて議論をしながら仕分けていくのだが、並大抵の作業ではない。
ある県の事例だが、「青少年育成」という事業項目があり、内容は 「子供を公園に連れて行きポニーに乗せる」という。
それは不要だろうというこちらの指摘に、県の担当者は「青少年の育成は自治体がちゃんとやらなくてはいけない」 と返してくる。
事業の名称ではなく実際の内容で判断すべきなので、こちらは「青少年育成は確かに大事だが、馬に乗せる必要があるのか」 と問いかけるが、担当者には予算の費目である「青少年育成」という認識でしか頭に入っておらず、 「青少年育成は大事だ」とくる。
このようなやり取りが数十分続くのだ。
これに似た意見のぶつかり合いや固定観念の解きほぐしの光景が繰り返される。
議論の結果、「不要あるいは民間に任せる(行政が手を離す)事業は、市町村、 都道府県ともに歳出金額で約10%となった」「作業結果を全体に引き延ばすと、 地方自治体全体の歳出額(普通会計)が約95兆円なので、まずは10兆円削減できるということだ」。
氏は「限られた時間内のチェックなので(例えば新潟県では、5班に分かれ2日間で約4300事業を仕分けた)、 数字はかなり低めに出ていると考えられる。時間をかければ、その割合はずっと増えるはずだ」という。
これらの作業は、12の自治体(岩手県、秋田県、宮城県、新潟県、長野県、岐阜県、三重県、高知県、新潟市、横浜市、 三浦市、多治見市)の首長が「よし、やろう」ということで可能になった。
国の予算についてはどこの省も今までのところ「よし、やろう」とは言ってくれない。
氏はラストの部分で、「予算項目で3割減らし、各項目ごとにコストを3割減らせば国の予算総額は半分でいいことになる」 「3年間で5割歳出削減くらいの目標を設定し、外部の目を活用して財政の大革新を断行すべき時だ」と力強く結んでいる。
詳細はOMS経済レポート百五号に掲載予定。ご興味のある方はご参照下さい。
この加藤氏の予算半減論を受けて、6月26日付日経新聞において論説副主幹の平田育夫氏は、 「財政問題を30年取材した経緯から、加藤氏の予算半減論を必ずしも乱暴とは思わない」と援護射撃している。
これこそ正論であろう。
財政の垂れ流しをした政治家達が、 今こそ国民のために先頭を切って具体的歳出削減論をぶち上げる時なのだ。
年金問題も大切だが財源があってのことなのだ、財政問題こそが今一番求められていることなのだ。
臭いものに蓋をしてはならない。
蓋を開けて民間企業がやっているようにゼロからの積み上げをすれば良いのだ。
日本と同じように財政破産に直面したニュージランド、 日本のように問題先送りではない、 果敢に対策を講じ今では国家財政の健全度世界一となっている。
財政立て直しのため官民共に痛みを伴う改革を断行、まず官僚からと運輸省の人員4000名を60名にまで削減、大半を民営化。
日本と同じく山の多いニュージランド、トンネルは10個程度、トンネルを作るにはお金がかかるので、道路は山を避けクニャクニャ、 三車線道路も橋の手前から急に一車線道路になる。
北海道の某道会議員の話、「地元に三車線道路から急に一車線道路の橋になるので交通事故が多発生する箇所が3ヵ所あり、宗雄元議員にお願いして橋を付け替えてもらい交通事故が激減。さすがに宗雄氏は凄い!!」。
さすがと思われる方もいるだろうし、財政破産迫る国がなんでと思われる方もいるだろう。
ただ言える事は財政破産すると、交通事故程度では済まされない。子供・孫の代までの生活を地獄に追いやることを忘れてはなるまい。
その中でどうあるべきかを考えていかねばなるまい。
 


情報に興味のある方は下記バナーをクリックして下さい。他にも沢山の情報が満載です。