TOPICS CORNER 製作担当 河井 継之介

トピックス24号 02/01/30発行

ハイパーインフレはどんなのかな? (トルコの巻No.2)

仁田原氏談≪先々週(このインタビューは2001年4月27日)はトルコ全土で 凄い暴動が起きた。
本来ならば、自分達で作れるものを、お金が動くということで全部 そとから持ってくるという経済にしてしまったことが良くないということで、中小企業 や労働者の人達が暴動をおこした。
ただ生活が苦しいということだけでなく、生産の政治がなくなって、トップの人達がお金だけを動かしているだけの政策の影響が自分達 にきているという不満がある。≫
浅井氏談≪トルコはこれまでずっとインフレだったのですが、そのような時、家を買うというのはどうだったのでしょうか?≫
仁田原氏談≪ トルコの暮らしの中で一番欲しいものは家と車というのがある。
資産を持っているのは 強いと思われている。
家を買うときはドルかマルクです。
基本はいつもドルを持っていて必要なときリラにかえる。
今日のリラの感覚と三ヶ月後のリラの感覚は全く違うので、 それを自分の中でどう位置付けでいくかが問題でやはりドル中心です。
国家予算なんて トルコリラで出されるけれど、早くドル換算で出してくれないとさっぱり分からない。
トルコの経済不安は結局は、政治不安なのです。
政治が招いている経済不安。
政治 の不安の奥には国家財政破綻がある。
銀行業界の構造改革をやらないといけない。
銀行のシステムをヨーロッパスタンダードに変えようと動いている。≫
浅井氏談≪ほかに一般の人がハイパーインフレから身を守るために何かやっていることがありますか≫
仁田原氏談≪やはりゴールド、ドル、マルクですね。
ゴールドはもともと 遊牧民族なのでいつも身に付けている。
ちょっと田舎だとおばさんたちはジャラジャラ と身に付けていますよ。
夫が稼いできた時に、すぐにゴールドに換えて換えて身に付けて いますよ。タンス預金も相当あって、そのタンス預金分を全部出せばIMFなんて必要ないと言われているくらいです。≫
浅井氏談≪やはりドルしかない。どの国にいっても現地の通訳やガイドに聞いてもよく わからないので、その国に長く住んでいる日本人に聞かないと本当のところがわからな いですね。
ましてや一般の観光では何もわからない。≫
仁田原氏談≪私個人の話ですが、2月頃仕事をしたのですが、リラで払っていいですかと 聞かれた時、私は拒否しましたね。
三ヵ月後でもいいからドルにして下さいと言いました。
私はもうトルコ人になっていると思うし、トルコを守る意識も強いけれど、そう思いました。
円はトルコでは全然だめです。
円でもらった時にはレートが悪くて、円を両替したら大損 します。
円は日本で使う時のものでトルコでは両替しません。
前に比べたら円は両替できる ようになっただけいいけれど、むちゃくちゃ率が悪いです。≫
浅井氏談≪私は日本人も国家破綻対策のために、ドルで持たなければならないと思うし 、日本の田舎の人でドルなんていつか紙切れになると馬鹿にしている人がいたけれど全く分かっていない。≫
仁田原氏談≪やはり円は欲しくないです。
如何に世界中でドルが 使われているか。
取材で中央アジアとか行きますが、ソ連が崩壊後中央アジアに行った時 に、彼等が「神の次に強いのは緑の紙」という言い方をするのですよ。≫
浅井氏談≪つまりドルですね。ドル札のことをグリーンバックといいますからね。≫
仁田原氏談≪そうです。ドルです。
ものを買う時最終的にはドル、ドルの現金をどれだけ もっているかですね。
しかも小型紙幣。
高額紙幣を持っていると命の危険が出てくるので、 絶対小額紙幣を持つ。
現地の人の給料をドルに換算すると、月に10ドルなんですよ。
トルコ の公務員の給料というのが、私がトルコに来た頃には平均で当時600ドルから700ドルだった。
10年前くらいですよ。
今では同じ層の公務員の給料はドルに換算すれば200〜300ドルですね。
今トルコで生活するのに最低600ドル〜700ドル必要です。
国はちゃんとインフレ率に合わせて 給料を上昇させているけれど、トルコリラが下がっているからドル換算するとずいぶんと 下がってしまう。≫
浅井氏談≪国のことは信用してませんか≫
仁田原氏談≪トルコ人の愛国心は凄く強いですよ。
しかし政府のことは全く信用していない ですね。
でも代わりのものは何もないので、しようがないと諦めている。
トルコはずっと連立 政権で不安定な状態が続いている。≫
浅井氏談≪これまで私は日本はイタリア化すると思っていたけれど、話を聞くとそれより トルコ化だね。
今、為替の専門家に10年後の為替はどうかという意見を聞いていますが、 半分誇張もあるけれど10年〜15年後は1ドル666円と言っている。
本当にそう言うことが あるかも知れない。
日本国内に希望がないから優秀な人間は外国に出てしまう。
愛国心が ないからトルコよりもっとひどいことになるかもしれない。≫