TOPICS CORNER 製作担当 河井 継之介

トピックス30号 02/03/26発行

日本型の生ぬるいリストラでは競争力は取り戻せない

『WEDGEより』リストラ先進国のアメリカでは、1980年代以降、企業が間断なく人員削減と事業構造の改革を 繰り返し、ライトサイジング(適正規模への転換)を行った。
日本の電機・情報各社が目指すソフトサービス立社はIBMが10年前から取り組んでいたものである。
IBMは1980年代後半、45万人の社員を抱える巨人であり、事業面での死角は皆無と言われた。
だが、大型汎用機に偏重した戦略からダウンサイジングの流れにのれなかった。
市場の変化への対応力を失った企業の凋落は早い。
1993年には巨額赤字を計上、RJRナビスコからガースナー会長兼CEOを迎えて、一大リストラに踏み切ることになった。
「ビスケット屋に何がわかるか」異業種からコンピュータ業界への転身という例のないトップ人事(これが の強いところ日本に真似ができるかな?)に、社内外の視線は冷たかった。
ガースナー会長は「IBM復活のカギは技術とサービスにある」と断言。
利益率の低い事業を次々と整理・売却、一方でサービス人員の育成を進めた。
世界中にある周辺機器やプリント基板などの工場を売却し、余剰人員を販売やSEなどへと職種転換を促した。
日本と違うのは、「その規模とスピード、そして単なる縮小均衡ではない明確なビジョン」。
「来週までに君の事業部門で1000人を減らせなければ、責任者の君自身がクビだ、と言われた」。
と当時の上級幹部はリストラの激しさを語る。
工場製造人員をセールスマンに職種転換し、販売実績が上がらなければ退職も勧告する。
これによって、45万人から20万人に削減、現在サービス分野の売上高比率は60%を超え、IT不況の中でも増益を続けている。
20万人のうち、もともと同社にいた人は10万人程度。
勤続年数が長く、職種転換が難しい割に、人件費が高い人々を削減する一方で、安い人件費で雇える若くて柔軟性のある人材を新たに雇う。
旧来型事業を支えていた人の4分の3が会社を去り、サービス事業と技術開発に適した人材を集中採用した。
IBM型リストラの要諦は、「スキル(能力)の入れ替え」にほかならない。
単なる人減らしで企業は再生出来ない。
日本の経営陣が情を捨てて真のスキルの入れ替えが出来るかどうかが、大企業、中小企業にかかわらず出来るか?が生き残りの術のようだ。