TOPICS CORNER 製作担当 河井 継之介

トピックス51号 02/10/05発行

なす術がない日本経済、米国の危険水域に呑まれるか

米国の内外で高まる危機の水位に、日本はなす術がない。
財政赤字は国内総生産の1.4倍に達し破綻状態、金融面でもゼロ金利政策が空回りしている。
小泉総理も表面上の強気見通しとは裏腹に、本音では来年にかけて景気が後退するリスクがあることを認めている。
ブッシュ政権も日本が追加的に何か出来るなどとは少しも思っていない。
日本にとって救いなのは、ブッシュ政権が安全保障の志向の強い政権であることだ。
金融庁が今年春に株式の空売り規制を強化し、外国証券を締め上げたときのこと。
米国の証券会社は怒り心頭に発したが、ブッシュ政権は日本に強く抗議することはなかった。
「ウオール街の代弁人だったクリントン政権の下では考えられないことだ」と財務省関係者はいう。
5・四半期連続で名目国内総生産が減少している日本経済の惨状は、実質的に中南米諸国並かもしれない。
小泉政権は決済性預金の完全保護を打ち出しペイオフ完全解禁を事実上延期するなど、危機に対して蓋をする政策を繰り返している。
空売り規制もあって日本株を積極的に売り崩す外国勢の動きは封じられているが、買い手不在のなか株価は自壊作用を起こしている。
こうして日経平均株価は10月3日には9000円をも下回り、銀行保有株が軒並み評価損となる危機的状況を迎えている。
銀行の自己資本の蒸発で、貸し渋りや貸しはがしの深刻化は必死である。
グリーンスパンFRB議長はいう。
「日本はゼロ金利政策がうまく効果を発揮していない。経済に流動性を供給する金融システムに構造的な問題があるからだ」。
日本の根本問題が不良債権と過剰債務にあるという認識。
小泉政権にはこの問題にメスを入れる覚悟はない。
米国発の恐慌の荒波に対してもろさをさらけだすリスクは日に日に高まっている。