トピックス57号 02/11/10発行

日本経済は着実に沈みつつある

竹中ショックが猛威を振るったのもつかの間、最大の病巣である不良債権問題は、またも危機封じへと逆戻りの様相となった。
竹中ショックのあまりの副作用に恐れをなした政府は、早くもハードランディング路線の看板を下ろそうとしている。
またしても従来型の先送り策を繰り返すようなことになれば、今度こそわが国は名実ともに後進国に成り下がる。
本当にすぐさま大手問題企業の抜本処理や銀行への公的資金注入が現実のものとなり、不良債権問題が解決したら、景気回復につながるのだろうか。
結論から言えば、公的資金を注入しようが、ペイオフ全面解禁を2年延長しようが、もはや混乱なき処理は不可能なのである。
勿論、景気回復シナリオなど描けるはずもない。
荒療治として期待された竹中プロジェクトの不良債権処理加速策の中間報告も、自民党や金融担当局の抵抗勢力の猛反発によって迷走を続け、結局骨抜きrとなり ハードランディング路線は回避され、銀行への公的資金の直接投入も大きく後退し始めている。
そうこうしているうちに、景気の悪化が加速し、外圧も相まって小泉政権が窮地に追い込まれていく。
そうなれば、制御不能のまま、パニックが巻き起こり収拾がつかなくなる。
これこそ最悪のシナリオといえる。
そしてその最悪の事態が刻一刻と迫っているのだ。
いま、不良債権処理のスケープゴートとして、ダイエーとともに注目されているのが朝日生命。
この1年間で解約ラッシュにより、総資産が13兆円から8兆円に激減、もはや自力による再建は困難とみるべきである。
ただ、たしかに朝日生命の破たん処理は、不良債権処理のアピールには格好の材料ではあろうが、仮に更生特例法に踏み切れば、8兆円倒産の発生であり、米ワールドコム の4兆5000億円をはるかに凌ぐ史上最大の倒産になる。
おの影響に沈没寸前の日本経済が果たして耐えられるのか、といった懸念は拭えない。
2回目の債権放棄を要請中の藤和不動産。
ここにきて、ダイエー、朝日生命同様、不良債権処理の人身御供として法的整理されるのではないかとの憶測が大手銀行幹部の間でささやかれている。
小泉首相が明言する2004年までの不良債権問題の終局など、土台無理な話である。
ただ言える事は、日本経済は着実に沈みつつあることだけは確かである。
上記の記事は「大倒産時代」の著者 松岡 亮氏のレポートより掲載。
(詳細はOMS経済レポート59号参照)
松岡 亮氏緊急講演会「どうなる2003年の日本経済」が12月7日アルカディア市ヶ谷で開催されます。
詳細は第二海援隊03−3291−6106へどうぞ。