トピックス96号 03/10/19発行

国債という官の作ったインチキ臭いシステムを盲信するな

先日の総裁選での政策論争から「いろいろ思うこと」
亀井静香氏は、公共事業など積極財政で経済を浮揚させようとの話。
これはこれまで10年以上繰り返してきた財政(税金・郵貯・公金・国債の大動員)の焼き直しにすぎない。
ここで思うのに、「国民は本当に真剣な政治経済分野での構造改革を望んでいるのだろうか?」
もし、真剣に望んでいるのだとすると、財政ばら撒きは断固とめないといけないが。
平和ボケか、あるいはまたなるようにしかならないと嫌なことは見ないようにしているのか。
今年度末には国と地方の長期債務額の累積額はなんと800兆円に近づく。
(アメリカが60兆円になったと大騒ぎしているのに)
これに特殊法人、公社公団、第三セクターなどの抱える借金は別にある。
さらに、年金の積み立て不足額も、最大で見積もると国・地方の借金の額に匹敵するほどの欠損をかかえている。
中央政府、地方政府(都道府県などの自治体)、準政府部門(公社公団、第三セクターなど)、 さらに公的年金制度など、国の経済を支える基幹組織がいずれも信じられないほど巨額な累積債務を抱え、 ほとんどが絶望的な債務超過に陥っている。
亀井氏らはこの期に及んでも、「積極財政で景気がよくなり、景気がよくなると税収が増え、 税収が増えると国債の発行額も減らせるので、財政再建につながる」との論法を展開した。
しかし、現在の日本において積極財政とは、公共事業や福祉医療制度の大盤振る舞いに他ならない。
それには巨額の税金という資金が必要だが、国の一般会計の税収は全体でも40兆円台前半まで落ち込んでいる。
2〜3年後には40兆円を切るおそれさえある。
一方、ばらまきはとまらないため、一般会計の予算規模は毎年80兆円台まで膨らんだままだ。
税収でそれを賄えないため、税収に近い額の国債を新規発行しているのが現状である。
消費税であるが、北欧など高福祉の欧州先進国では、財政破綻を防ぐため、かなり前に10〜20%前後 の水準まで引き上げている。
これによって、福祉や年金の財源の一部を賄うと同時に、財政破綻を避ける手段としているわけだ。
こういった政策は少子高齢化時代を迎え、経済が成熟化した先進国では、極めて当然の当たり前な政治的選択である。
それが日本では、改革の入り口にさえ立っていない。
日本の財政の破綻を防ぎ、ハイパーインフレ、預金封鎖、年金ペイオフといった終末的な臨時手段の政策を採らないためには、 大改革が必要なのはいうまでもない。
その点からいうと、消費税20%は妥当かつ当たり前の水準で、30%くらいでも不十分なくらいだ。
小泉首相は過去10年、日本において消費税を必要最小限度のレベルまで引き上げることが如何に困難であるかを政治的に痛感しているらしい。
小泉氏も国民に苦い良薬を飲ませる政治的な才能はなく、先送り一辺倒である。
だのに何故、国民はこの小泉構造改革路線を支持しているのか?
答えは簡単だ。
国民が楽観主義に甘えているからに過ぎないのだ。
近い将来、財政破綻が来て、ハイパーインフレ、預金封鎖があったとしても、国民にも責はあることは努々忘れてはならない。
日本の財政破綻に危機感を持っている人はほんの一部の人だけだ。
圧倒的大多数の国民や預金者は郵貯や年金、国債といった官のインチキくさいシステムを盲信している。
しかし、だからこそ郵貯は安全で預金封鎖やハイパーインフレも現実問題としてはなかなか起きないのだ。
今の日本は幸か不幸か大多数の国民の楽観主義が支えている。
楽観主義は「ポジティブ・シンキング(前向き主義)」とも言われ、身体や精神を病んだ人には効き目のある考え方だ。
しかし、楽観主義にも限界や限度がある。
例えば、第二次世界大戦時、当時は最新鋭の大型爆撃機B29を「神風が吹いて航空機が失速して落ちる」 「竹槍で爆撃できる」「小型戦闘機で空母に決死の特攻をすれば相手を打ちのめすことができる」 といった戦争戦略を「前向き」とか「ポジティブ・シンキング」とか評価できるだろうか。
これは狂気に近い。
しかし、極東の辺境にある島国では、わずか数十年前までそうしたポジティブ・シンキングが何千万もの国民に支持されていたのだ。
現状も同じ状態では?
「まだまだ借金はできる」「巨額な国債は少なくとも60年の長期返済の債務なので、孫や曾孫に払わせればよい」といっていて、本当に大丈夫なのだろうか。
本当にもっと公共事業を上積みすれば景気が回復し、税収が維持でき、中長期的には健全財政、財政再建の切り札になりうるのか。
みなさん、この点をご自身の頭でよく考えてほしい。
私はそこに狂気の匂いを嗅ぎ取るが、みなさんはいかがであろうか?
上記は経済評論家の浅野夏樹氏のレポートより抜粋しています。


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