トピックス98号 03/10/27発行

問題噴出は2005年頃か「後編」

一つ、今後についてだが、不透明な部分が多いのは確かだが、確信を持って言えることは、 完全な社会主義になるだろうということだ。
銀行は国有化され、産業再生機構に大手企業がどんどん入り、国の管理下に入る企業は、どんどん増えていくだろう。
二つ、小泉政策の最大の問題は、需要と供給のバランスがとれていないことにある。
レーガンの取った政策にしても、サッチャーの政策にしても、減税をやったら、かなり極端な規制緩和 をやってどんどん需要を盛り上げていくという方策を取るように、バランスを取ってやったわけであるが、 小泉政権においては完全に供給サイドに立脚した政策スタンスが優先されている。
三つ、今日の金融状況を象徴しているのが、日銀の株価。
日銀の株価は10年前と比べて10分の1になっている。
日銀の総資産の7割近くは国債である。
その上、自己資本比率は先日とうとう8%を割った。
こんな内情の中央銀行を持つ先進国は他にはない。
四つ、日本の危機を回避させているのは「危機封じ込め政策」である。
この1年半あまり、これで延命を図っている。
昨年の年頭には、ダイエーの問題が浮上したが、延命策でその場を凌いだ。
ゼネコン、ノンバンク、ディベロッパーなどが延命策で、なんとか危機を封じ込めた。
しかし、これらは何等抜本的な解決策にはならず、いずれも時間を経るごとにむしろ悪化している。
一方アメリカでは、ちょうど昨年の1月に、アメリカ小売2位のKマートというスーパーが同じく債務超過 に陥って、チェースマンハッタン銀行に債権放棄を求めた。
ところがチェースマンハッタン銀行は債権放棄を断り、Kマートは会社更生法の申請をせざるをえなかった。
Kマートはすっかり更生手続きも終了し、1年半で再建している。
まさに日本とアメリカの不良債権処理の手法の違いを如実に物語っている。
五つ、現在の最大の危機回避策とは、ペイオフ全面解禁を先送りしていること。
現在の予定では、2005年4月解禁だが、とても解禁できるような状態ではない。
延期になるのは目に見えている。
しかし、今のところの金融の最大の問題点は、諸外国はすべて解禁しているペイオフを日本は解禁していないということに集約されているのである。
六つ、バブルの最中には、倒産件数は増えていたが、今は倒産するエネルギーさえ失い、企業としての新陳代謝が 起こらない状況なのである。
経済活動が活発になって、設備投資もするし、お金も借りるし、手形も切るしというような、企業として本来の活動をしているときは、 その結果として消えるべき企業はちゃんと消えていくものである。
その代わり新しい企業もちゃんと出てくる。
ところが、今はそういう本来のメカニズムを意図的に崩してしまっている。
だから経済のパイはどんどん小さくなっていくのだ。
七つ、政府の政策は、馬鹿みたいに、なにがあっても「封じ込め」である。
この先、今のままでいけば2005年くらいにこの「先送り封じ込め政策」に恐らく限界がくることだろう。
なぜ、2005年なのかというと、いくつか理由がある。
例えば、大手の問題企業の新しい再建策の最終年度が2005年、減損会計、ペイオフも2005年、産業再生機構 の買取も2005年までと、2005年に終るスキームは多い。 八つ、現在静かな分の反動は間違いなく来るということは言える。
これらの問題は、処理の目処がつくまでに、どんなに早くても2010年(ここまでにカタがつけば良いが) 頃まではかかるだろう。
その辺りまでは、おそらく日本にいても良いことは一つもないような状況だろう。
上記記事は松岡 亮氏が浅井情報ネットワークに執筆されたレポートより抜粋して掲載います。
なお、詳細を読みたい方はOMS経済レポート81号、82号をご参照下さい


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