トピックス102号 04/01/08発行

年金改革、坂口試案の甘い前提

浅井情報ネットワークのNEWS FLASHより
年金改革が大きな関心を集める中、坂口厚労相による厚生年金改革案が物議を醸している。
「現在、年収の13.58%の厚生年金保険料を、今後20年かけて20%に引き上げる。その結果、 男性会社員と専業主婦といういわゆるモデル世帯で、平均賃金の約60%に相当する給付水準は、50%台 半ばになる」というものだ。
「給付が減るのは避けられないが、50%の給付水準は確保できるので心配ありませんよ」という国民への メッセージであろうが、この試算には三つの甘い前提がある。
第一に、現在、1.32まで落ち込んでいる合計特殊出生率(一人の女性が産む子供の数)を1.39と見込んで いることだ。
少子高齢化が進み、将来不安が広がりを見せる中、出生率を上げるのは容易ではないだろう。
第二に、一人当たりの実質賃金上昇率を長期的に年1%としていることだ。
すでに年功賃金体系が崩れかけ、平均給与所得は5年連続で減少する中、根拠に乏しい。
第三に、国庫負担割合の引き上げと積立金の取り崩しである。
現在3分の1の国庫負担割合を2分の1に引き上げるという案だが、財源のメドが全く立っていない。
また、約146兆円にのぼる積立金を今後100年かけて取り崩すという。
ただ、最後の砦とも言えるこの積立金の内、約4分の3は財政投融資に振り向けられ、日本道路公団など 特殊法人への融資財源になっている。
坂口試案は一言で言えば、経済成長を前提としている。
数字は前提次第で大きく変わる。
経済の成長が見込めず、少子化がさらに進んだ場合、給付水準、給付額ともさらなる下方修正が避けられない。


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