■2014年9月号

今月の潮流
News
News2


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る





























バイオジャーナル

ニュース



●北米事情
●米国魚類野生生物局、禁猟区のGMO禁止に
 米国魚類野生生物局(FWS)は、2016年1月より、禁猟区でのGM作物栽培とネオニコチノイド系殺虫剤の使用禁止を決定した。施行までに禁猟区の範囲を段階的に拡大していく。〔eNews Park Forest 2014/8/5〕

●2,4-D耐性作物承認のゆくえ
 8月7日米国農務省動植物検疫局は、ダウ・アグロサイエンス社が開発申請している除草剤2,4-Dとラウンドアップに耐性を持つ大豆とトウモロコシについて、環境影響評価書を承認した。除草剤の効かないスーパー雑草が増えたため、今まで以上に強力な除草剤に耐性をもつGM作物が次々と承認されている。次は、米国環境保護局(EPA)での審議となるが、50万を超える人々がEPAへ承認しないよう意見を寄せている。〔NJ Today 2014/8/7〕

●米国の種子汚染深刻に
 米国では有機種子や在来種子の入手がきわめて困難になっている。特にトウモロコシは、GM品種が全トウモロコシの88%に達し、非GMの有機品種、在来種の種子を汚染し、もはや回復困難な状況である。〔ecoRI news 2014/8/10〕

●全米研究評議会のGMO賛美報告書に批判
 8月6日、全米研究評議会(NRC)に対して、科学者ら64人が公開質問状を出し、最近出されたNRCの研究報告「GM作物の過去の経験と将来の見通し」が、GM作物をあまりに高く評価していると批判した。報告書には、社会科学系や生態系の科学者がほとんど参加しておらず、農民の知見も盛り込まれていない。報告書は2016年に刊行予定で、その前の意見募集で内容が明らかになった。〔Sustainable Pulse 2014/8/6〕

●米国中西部のスーパー雑草、被害甚大
 米国中西部では除草剤の効かないスーパー雑草が農家の手に負えなくなっている。除草剤耐性作物栽培は本来不耕起なのに、今や除去のため深く耕すことを強いられ、GM作物の「省力化」と相反する事態に直面している。〔Reuters 2014/7/25〕

●南米事情
●メキシコでGM大豆認可取消判決
 メキシコ・ユカタン州地裁は、養蜂業とGM作物の共存は不可能だとして、2012年に政府が承認したモンサント社のGM大豆栽培許可を取り消した。モンサント社は判決を不服として上告する予定。今年3月には、同じユカタン半島にあるカンペチェ州地裁が、同じモンサント社のGM大豆栽培禁止の判決を出している。〔Truth Out 2014/8/12〕

●ブラジルで失われつつあるGM作物のメリット
 ブラジルのマトグロッソ州の農民団体代表は「GM作物の害虫に対する抵抗力が失われ、そのため殺虫剤を用いなければならず、生産コストが上昇し、採算が取れなくなっている」と指摘した。〔Reuters 2014/7/29〕
 GM作物が非GM作物に比べ高コストで低収量となり、GM作物離れが起き始めているという。〔Natural News 2014/8/12〕
●欧州事情
●チェコのGM作物作付面積激減
 EUで数少ないGM作物栽培国であるチェコ共和国で、GM作物の作付面積が減少している。今年は昨年の約3分の1に減少した。作付面積が最大だったのは2008年で、170戸の農家による8380ha。2014年は1754haで、作付農家はわずか18戸だった。〔Prague Post 2014/7/25〕