■2016年4月号

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バイオジャーナル

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●GM昆虫
●WHOがジカ熱対策でのGM蚊使用を推奨

 世界保健機関(WHO)は最新の報告書で、ジカ熱の流行を抑えるためにGM蚊使用を推奨した。ジカ熱を引き起こすウイルスを媒介するネッタイシマカは、デング熱も媒介する。これまでデング熱対策として、英国オキシテック社が開発した遺伝子を組み換えた蚊の放出実験が、ケイマン諸島やマレーシア、ブラジルなど世界各地で行われている。〔Parent Herald 2016/2/19〕
米フロリダ州でもGM蚊の放出実験が予定されていたが、地元の反対により、米国食品医薬品局(FDA)の認可が滞っていた。しかしFDAは、ジカ熱対策として放出実験を承認した。〔Inquisitr 2016/3/12〕
ジカ熱の感染が広がるブラジルでは、リオ・オリンピックを控え、ピラシカバ市と米国インタレクソン(Intrexon)社傘下のオキシテック社との間でネッタイシマカ・プロジェクトを合意し、ピラシカバ市にあるオキシテック社のGM蚊生産設備を始動させた。〔ISAAA 2016/2〕
ドミニカ政府保健大臣がGM蚊を使用しないことを明言した。〔Government of Dominica 2016/2/16〕
●アジア事情
●GM作物商業化一時停止のフィリピンの状況

 2015年12月フィリピン最高裁は、政府のGM作物規制は安全要件を満たしていないとして、農務省が出した「行政命令第8号」の無効を宣言し、GMナスの試験栽培禁止と、GM作物承認の一時停止を命じた。
2002年、GM作物商品化のガイドラインを定めた「行政命令第8号」施行によって、フィリピンではアジア初となるGM作物の商業栽培を開始した。現在、全トウモロコシ畑の約70%(約80万ha)をGMトウモロコシが占めていて、フィリピン政府と米国財団により設立した国際稲研究所(IRRI)ではゴールデンライスが試験栽培され、アジアにおけるGM作物開発の中心になっている。政府は、事態への対応のため、農業省、環境及び天然資源省、厚生省、内務省が共同で、「行政命令第8号」に代わる法案作成を急ぎ行なっている。〔Invest Asian 2016/2/26〕