ウルティマ・オンラインのサイトである南蛮的!なので、UO編も紹介。

 ところで、中世ヨーロッパと大雑把に区切っているが、ここではだいたい都市機能が成立してから16世紀くらいまでを参考にしている。本当は地域による気候や文化の違いもあるのでひとくくりにするのはよろしくないのだろうが、とりあえずはUOのモチーフになってるあたりということで、そのうちちゃんと調べるのでご勘弁。うがが。


 

↑完成品

パン(Bread Roaf)

 ご存じのとおり、ヨーロッパではほとんどの国でパンが主食とされており、UOでも左の丸パンとフランスパンの2種が登場する。中世では他にも、トレンチャーと呼ばれる皿代わりに使う大型の固焼きパンもあったようである。現物を見たことはないのだが、丸パンをくりぬいた中にシチューを入れる、あんな感じを想像すればいいのだろうか??

 UOではYewに粉挽き場があるが、実際に小麦が大量生産できるようになったのは比較的新しい時代。現代でも、北部ヨーロッパの寒い地域は小麦が手に入りにくかったようである。それまでの小麦が安定供給できない時代には、地力が弱くても良く育つライ麦が主に作られていた(現在でも東欧やドイツの「黒パン」はまさにそれ)。実際おなじ製法でパンを焼いてみると、・・・固い。そして、パン屋で売ってるドイツパンを食べてみる・・・やっぱり固い。そして酸っぱい(実は、ライ麦パンはパンに粘りを持たせるグルテンが少ないため、市販のイーストでなくサワー種というものを使わなくてはいけないらしい)。このようなパンすら食べられない地域では、オートミールのような粥状のものを食べていたようだ。さらには米の粉を使ったパンもあったらしい・・・・???

 余談だがこのライ麦、バッカク菌というカビが発生する。これはライ麦の穂に寄生し、粒と粒の間に黒い爪のような胞子を出す。これを一緒に食べてしまうと、毒素によって手足が激しい痛みとともに黒く変色して壊死したり、幻覚性の精神錯乱を引き起したりと、命に関わる症状を引き起こすのだ。ちなみに覚醒剤のLSDはこの毒素から偶然発見されたもの。ちなみにこの菌が発見されたのは17世紀に入ってから。それまでは食べないこと以外に防ぐ手だてはほとんどなかった・・・怖い怖い。現在ドイツで、ライ麦を使った黒パンと並んでジャガイモがほぼ主食となっているのには、このことが大いに関係しているようである。

というわけで、ブリタニア市民はパンをありがたがって食うべし。スタックが面倒、重いなどと不平をたれてはいけない。

たべてみよう。

[作る]

パン。今回はごく普通の小麦パンである。ごくシンプルな材料のみで、見た目を似せてみた。

《材料》

強力粉(リスドールとかカメリヤ)(400g)・ドライイースト10g・砂糖10g・塩少々・水300ccよりちょい少な目

※リスドールはフランスパン専用の粉。スーパーでパン用強力粉として売ってるのはたぶんカメリヤ。

 

1.強力粉・砂糖・塩をボールに入れる。粉をふるうのがタルかったら、ボールの中で泡立て器でまぜまぜしてやればいい感じ。
2.別容器で、イーストと砂糖少々、強力粉少々(分量外)をぬるま湯(40℃くらい)のお湯に入れてまぜ、予備発酵。

3.10分くらいしてイーストが泡立ったら、粉のボールに少しずつ、かき混ぜながら入れる。予備発酵で水を使っているので、水を足すときには生地がべたべたになってならないように注意。これを、まとめたときに表面がつやっとした感じになるまでこねる。これがDough。

打ち粉を使うほど広いスペースがないおうちでは、少々固めにこねてもよいかも知れない。

4. 30分くらいあたたかいところで発酵。オーブンに発酵モードがあったらなおよい。風呂場やこたつでもよいが、湯船に落としたり足のにおいが付かないように注意!あと、コタツの場合はネコにも注意! 倍くらいに膨らんだら、押さえつけてガスを抜く。ガスが抜けたらまとめなおしてもう30分。

5.再び膨らんだら、生地をとりだして適当な大きさにまとめる。5〜10くらいに分けるといいかも。オーブンの大きさに合わせて適当に。

ロールパンの場合ここで平たくして丸めるが、まぁそんなことは気にしない。なんとかなる。

6.オーブンの天板に生地を乗せて、上に包丁で3本切れ目を入れて、15分くらい一休み。その間にオーブンを余熱。

220℃〜250℃のオーブンで20分くらい(焼き上がりは見た目で判断)焼く。完成!

 

次回はライ麦パン、その他にも挑戦するつもり。

 

 

 

ピザ(pizza)

ピザ。UOではDoughにソーセージやチーズを加えて作る。そもそもヨーロッパでピザ(薄い丸パン=フォカッチャの上に具をのせて焼く料理)が作られ始めたのは16世紀頃で、トマトが本格的に食用とされ、ピザ料理が発祥地であるナポリ以外で食べられるようになるのは18世紀。中世と言うには比較的新しめ?の料理である。ちなみにUOの故郷、アメリカでも人気が出たのは第二次世界大戦後らしい。

きっとUO関係者は、残業の夜食にピザとコーラでHAHAHA!!てな感じなのだろう(勝手に想像)。野菜も食えよ。

たべてみよう。

上のパン生地材料にオリーブオイル(適量)を追加。水などと一緒に練り込む。

で、発酵したら生地を薄くのばす。ただし、強力粉だけの生地はのばした後も縮みやすいので材料の小麦粉のうち3分の1くらい薄力粉を混ぜたり、のばした後フォークなどでたくさん穴をあけておくと比較的パリッとした生地になる。ここはお好みで。

丸くのばして(丸くなくてもいいけど)トマトソースを塗り、好きな具をのせて220℃〜250℃のオーブンで焼く。出来上がりは見た目で。ちなみに、よくピザ職人がやっている生地を放り投げてクルクル回す作り方はド素人である筆者にはあまりに難しいので、おとなしく麺棒でのばすことにする。ムリシナイ。

 

 

フィッシュステーキ(fish steak)

UOではご存じ、旅のお供の焼き魚。でも、鞄を開けたら←あんなのを100ヶくらい入れて歩いてる奴が現実にいたら・・・近寄りたくない。

 さて、あの魚は実際は何なのか?ゲームの中ではa fishとしか出てこない上に適当なグラフィックだが、中世ヨーロッパで多く食べられていたのはニシンであるようだ。現在でもオランダでは、さばいて塩をしたニシンをタマネギと一緒に、もしくはパンに挟んでもりもり食べる。初夏には屋台も出ているそう。

 中世ヨーロッパでの魚料理は、キリスト教の「四旬節」と関係が深い。四旬節とは復活祭(3月下旬から4月上旬)までの40日間であり、この期間は獣の肉や獣に由来するもの(牛乳、チーズや獣脂など)は一切口にできない。ただし魚は水のなかにいるため例外とされ、よって必然的にお魚がメインディッシュとなるのである。UOでは釣る→切る→焼く→持ち運ぶ、となるが実際はそのままでは保存が利かないので、安い時期に塩漬け、干し魚、燻製にして保存し、四旬節に備えたようだ。そして、肉食民族の彼らはうんざりするようだ。

たべてみよう。

 魚を筒切りにする。焼く。以上。

・・・だとおいしくないので、レシピ捜索中。

 

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