生徒が合格しても不合格になっても、私には関係ない。私は、やることをやるだけだ。こんなことを言うと、「おいおい、合格させるためにやってるんだろー」と突っ込まれることは必定。
しかし、入試やテストは目的ではなく手段なのだ。もちろん、生徒にとって入試やテストは、目的となっている。目的となっているから真剣に取り組んでくれる。この機会を逃す手はない。
私は、彼ら彼女たちと一緒に勉強するときに、「できるだけ自分の頭で考えてもらう」ということを大切にしている。頭を使ってもらい、回路を発達させるのだ。「どの教科も得意だ」という生徒は、この回路のつながりがよく、単なる知識にとどまらず、すべてがリンクしているのだ。
頭の回路のつながりがいい生徒は、必ずしも成績がいいわけではないが、やる気を出したときの伸びが違う。逆に「勉強とは、何が何でも覚えるだけのもの」という意識を持っている生徒は、ある一定以上には伸びない。
この「頭の回路を発達させてもらう」ということが、私の目的なのである。副産物として「合格」や「成績向上」がある。この副産物は励みとなって生産性も向上する。
政党の動向に左右されず、超然として立つとする政府の政治姿勢。大日本帝国憲法発布のさい、首相黒田清隆・枢密院議長伊藤博文が、政党政治否認の考えを表明した。(日本史用語集・山川出版社)
簡単に言うと、本来議会の決議に基づいて政治を行うべき政府が、議会を気にせず、独自に政治を行っていこうとする姿勢。
この場合で言うと、学習塾講師でありながら、生徒の成績の上下には関係なく、自分の信じた講義を貫こうという姿勢。