「教師びんびん物語」の徳川龍之介。田原俊彦。これにあこがれた。そう、二十代のころ。
全国の小学校が、採用する教科書を注目するような超名門私立小学校の先生になったり、ドーナツ化現象で児童数が減り、統廃合の対象となる都心の公立校の先生として活躍するのだ。
政治的な観点や保身とは無縁の、児童のための熱血漢を演じる。正しいと感じたことは、上層部や行政の圧力にもめげず貫き通す。
現実は厳しく、彼の奮闘むなしく成果の出ないこともあるし、社会の大きな流れを止めきれるものではないが、その姿勢たるや涙もの。
深刻になり過ぎないような、コミカルな演出は照れ隠しか。児童役として、観月ありさも出演していた。
「希望があれば、生きてゆける」。こんな様なことを主人公が言っていた。当時はピンとこなかったが、少しわかりかけてきた。あまりわからない人生のほうが幸せだと思うが。
※希望があれば、生きてゆける
アンネ・フランク著『アンネの日記』中の一文か。