はなみずき     第7号  3/17/96





 この日曜にはグリニッチ・アベニューでアイルランドの守護聖人セント・パトリックを記念するパレードがありました.緑色の帽子,上着,ネクタイ,緑色のカーネーション,タスキをつけたアイルランド系アメリカ人や16組のバンド,8組のバグパイプ隊など約2,000人も参加した晴れやかなものでした.
 春は暦の上では3/20に始まり,雪の消えた教会の坂道には一面にクロッカスが咲き始めました.とはいうものの,先週末はこの冬12回目のストームのため,朝のローカルテレビに岳志君待望の「グリニッチ オール クローズド」の字幕が出て,6度目の休校になりました.来週,千葉大学の竹蓋幸生先生がシカゴへ応用言語学会に来られる折にストームが来ないことを願っています.
 今回は,週4回午前中2時間通っている町主催の英語のクラスについて書きます.
 
 

生徒は外人ばかり

 19ある英語のクラスのうち,月・水は「文法と作文」,火・木は「NYタイムズを読む」クラスに出ています.生徒はいろんな国の駐在員夫人,「オーペア」や「ナニー」と呼ばれるヨーロッパの若者,それからグリニッチで働いている外国人です.国籍はドイツ,フランス,チェコ,ポーランド,スペイン,ノルウエー,スウェーデン,コロンビア,アルゼンチン,メキシコ,マレーシア,中国,日本とバラバラで,ものすごくなまった英語を堂々としゃべる人達で,私はほとんど目が回らんばかりです.
 月・水のウェンディ先生は日本に住んだことのあるアメリカ人で,週1回エッセイを丁寧に添削して励ましてくれるので,最近は書くことが苦痛でなくなってきました.火・木のMr.バーンはアイルランド系アメリカ人で,聞き取りにくい発音で難解な字を書きますが,彼の取り上げる単語は英字新聞を読むツボを押さえています.二人の教え方は,授業を活発にさせる工夫に満ちていて,私にはとてもいい勉強になるので,この春期(1〜4月)も継続して同じクラスをとっています.
 
 

楽しいクラスメート

 秋期(9〜12月),毎日顔を会わせていたドイツ人のウィプケは,英語をマスターするために1年間オーペアで来ていた若者で,お屋敷に住み込み,週30時間家事・子守りをして週$114稼いでいました.マレーシア人のエリザベスはお屋敷の住み込みシェフで,パリの生活が長く,仏語,英語を話すのには苦労しないのに,エッセイが書けず,GED(高校卒業の資格試験)に向けて勉強しています.私にはヨーロッパ人は皆同じに見えるのですが,エリザベスは顔を見て国籍がわかるそうです.コロンビア人のバーサは住み込みで老女の世話をして15年もグリニッチに住んでいるのに,皆が驚いたことに車の免許がなく,英語のクラスに来るのに不便なのでやっと「トムのドライビングスクール」で練習を始めました.時々,クラスの後,外人どうしでコーヒーを飲んだり,クラスメートのアルゼンチン人のセルジオのレストランで食事をするのが楽しいです.
 
 

 週4回英語のクラス,週1回大学院,週2回子供の学校のボランティアに通い,テレビで英語の番組を見て,英語の新聞を読み,なるべく英語に接するように心掛けているつもりでも,1年経ってみて,期待した1/4ぐらいしか伸びていないように思えます.子供の英語の上達と比べると,まるで「うさぎと亀」のようなものです.でも,ここであきらめないで亀のようにゆっくりでも歩き続けることが肝心なのだと思うことにしました.
 
 

ァ 岳志君の苦労シリーズ 成績表は郵送されてきます.前期はおかげさまでオールA(成績)とオール1(態度)で,校長先生から2枚賞状をいただきました.
                    今は,なぜ音楽の時間にダンスをするのかわからないそうです.
 

ャ 8号はグリニッチの町について,9号はヨシと清美の大学院の比較をお伝えする予定です.
 
 

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