はなみずき     第8号  4/14/96
 





 アメリカに来てまる1年がたちました.家々の庭の木につるされた色とりどりの卵やうさぎのイースター(復活祭)の飾りは昨春は奇異に思えたものでしたが,今年の長い冬を経験した後では,裸の木にカラフルな飾りをつけて春を祝いたい気持ちが実感できます.
 4/7からデイライト・セイビング・タイム(夏時間)が始まり,時計を1時間早めたというのに,まだ,4/5,4/9と雪が降りました.今回は,広さ50スクェアマイル(千葉市稲毛区の4倍),人口
6万人(稲毛の4割)のグリニッチの見どころについて書きます.
 
 

森の中の町

 昨夏,町では高い方の建物のグリニッチ・ホスピタルから見た景色は,海を除くとどちらを見回しても森ばかりで,家はどこだ?と思ったら,家はみな木の下でした.恵まれた環境ですが,風が吹くと木が恐ろしくうなり,ストームの翌朝は,必ずと言ってよいほど,倒木の下敷になった車の写真が新聞(グリニッチ・タイム)に載ります.3/19のストームでは友人の福田家の大木が倒れ,旦那さんの車が危うくペシャンコになるところでした.
 
 

グリニッチの名所

 図書館で見つけた「グリニッチ史跡ドライビングツアー」には185もの名所旧跡が取り上げられていて,ようやく73番目まで回りました.また,この町らしいものとして,毎年クリスマス前に歴史協会主催のチャリティー豪邸見学ツァー($50)があり,山手と海沿いの豪邸群のうち7軒が公開されます.これに参加すると家主と見学者の「家」への執着心に圧倒され,またなぜ骨董屋が町にたくさんあるのか理解できました.
 
 

グリニッチ・アベニュー

 私の好きな場所No.1のグリニッチ・アベニューには,サックス・フィフスアベニューをはじめアンテーラー,ローラ・アシュレイといったブランドの店や,アンティーク屋,レストランが軒を連ね,こぎれいな魚屋,八百屋,肉屋,パン屋,チョコレート屋から,教会3軒,映画館2館,郵便局,教育委員会まで何でもあります.夏には通り沿いに見事な鉢植えが吊るされ,冬の夜はイルミネーションが輝きます.美観を重んじるため,3つの交差点には信号をつけず,おまわりさんが手信号で車と人の流れをさばいています.お茶を飲みながら通る人を眺めているだけで楽しいです.
 
 

グリニッチ・ライブラリー

 町立図書館で全米1のグリニッチ・ライブラリーは,欲しいだけ本が借りれます.地下にはおいしいサンドイッチが食べられるカフェがあります.岳志の塾の間,私は1階の水音の聞こえる閲覧室と勉強室で過ごします.週末には,学校のプロジェクトの資料集めに来た母親と子供が,新聞記事のマイクロフィルムのフォトコピーをとっていたり,夜はパソコンのネットワークを使って調べ物をするビジネスマンや大学生でにぎわっています.3階の子供図書館では,自分で本をバーコード・リーダーにかけて借ります.岳志はハムスター関連の本を検索して残らず借りました.私も子供向けの本をどっさり借りて,パラパラと見て楽しんでいます.
 
 

潮風がここちよいグリニッチ・ポイント

 車で10分の所にロングアイランドサウンドに細長く突き出たグリニッチ岬(別名トッヅ・ポイント)があります.岬の東岸は遠浅の砂浜が広がる海水浴場,北岸はヨットハーバーと潮干狩場,岬の真ん中に元の地主(鉄道王トッド)の館跡,マンハッタンと夕日を望む岬の先端はピクニック場で,バーベキューグリルとピクニックテーブルがあります.アウトドア派の我が家は週末はここで夕食を食べます.
 
 

ァ 岳志君の苦労シリーズ 冬の雪休校のために春休みが2日間に短縮されがっかりです.
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