夕方,ファイヤ・フライと呼ばれる,1pくらいのホタルが飛びかう季節になりました.今週末は,ハリケーン「バーサ」の影響による豪雨が心配されています.ニューイングランド地方の海岸線や川岸には堤防がないからとても美しいのですが,大雨のつど同じ地域の浸水騒ぎがあるのはとても不思議です.木を1本切るにも許可が要る土地柄では,堤防など論外なのかもしれません.我が家では2週間前から一人息子がサマーキャンプでメーン州に行っていないで,二人で子供が見れないR評定の,シュワルツェネガーの「イレイサー」,ショーン・コネリーの「ザ・ロック」などのハードな映画を楽しんでいます.入場料は安く,昼$4.5,夜$7.5です.今,超人気の作品は「インディペンデンス・デー」と「ノートルダムのせむし男」です.今回はヨシの大学院についての話題です.
アメリカは均一な国?
大学院のオランダ研修旅行中に,マーストリヒト大学で「EU諸国における文化の多様性」の講義を受けました.印象に残ったのは,異文化コミュニケーションの教授が,アメリカ・日本に対抗して巨大な合衆国(EU)をめざしているヨーロッパ人には,米国がとても等質の国に見えると言っていたことです.よくアメリカは「人種のるつぼ」と呼ばれ,日本人の目には多様性の国のように映ります.けれど,日本人が想像する以上に国民性が違う「欧州人」がこれから通貨まで統合していこうという今,アメリカを見れば,一つの文化,一つの歴史という均一性が多様性より先に目に入って来るのでしょう.
巨人にもまれてバスケットボール
オランダ滞在中,半日だけフリーの日があり,有志でバスケをすることになりました.わざわざオランダでバスケをやるのが不思議です.有志諸君はまず,マーストリヒト大学にバスケットコートがないのに驚きましたが,そんなことにはめげず,コートを捜す人,タクシーを手配する人,ミネラルウォーターを買いにいく人,ボールを買いにいく人と手際良く分担し,そのチームワークの良さに感心しました.ホテルから車で10分の体育館にコートをみつけて,経済学の若い黒人の先生(フレッド)も参加し,ゲームが始まりました.片方のチームは上半身裸で,真剣にプレイをするアメリカ人の大男にはさまれたヨシ(中学時代バスケ部)はすぐ休憩を決めこんだそうです.
陽気なアメリカ人
大学院に入って良かったと思う一つの理由は,会社のようなフォーマルな場では見られないアメリカ人の一面が見られることです.たとえば,統計学の先生(ハーブ)は学期の初めに,「すばらしいと思ったら吹いてくれ」と言って,学生全員に笛を渡しました.学生達は先生がいいことやジョークを言うと講義中に何度かその笛をならすので,とても大学院の講義とは思えません.
マーケティングの講義で学外からスピーカーを呼んだことがありました.「あまりラフな服装はしないように」との教授の注意を思い出したジェフはスティーブ(少し髪のうすくなったマッチョマン)に冗談で「ツールベルトはいけないぜ」とEメイルを出しました.そのメイルの写しは全員に回っています.「ツールベルト」とは大工さんが腰に道具をつるすベルトです.ヨシは最初このEメイルの意味がわかりませんでした.当日,1時間目(通常の講義),スティーブは全員がそろった頃,少し遅れて教室に入ってきました.教授も含めて全員が2時間目のゲスト・スピーカーに備えてフォーマルな服装をしている中に,ジーパンにツールベルトの格好で入ってきたので,一瞬,全員あっけにとられましたが,本人はすました顔で教授の前を通って着席.スティーブは2時間目のゲスト・スピーカーの講義の時はしっかりフォーマルなスーツに着替えていました.
ァ 岳志君の苦労シリーズ 「家と日本に時々帰りたくなる」とハガキが来ました.
4週間のサマーキャンプについては次号でお知らせします.