はなみずき     第25号  11/8/97





紅 葉

 今年は9月にすぐ寒くなったので紅葉が早く始まりました.毎年,グリニッチの町のクライスト・チャーチの角にある1本のメイプルから決まって赤くなり始めます.10月に入ってから比較的穏やかな日が続いたので,11月に入ってもまだ紅葉が続いています.今は紅葉の最後の時期でメイプルが散った後,その他大勢の木々がいっせいに黄色くなりました.目がさめるように明るくなった道路をドライブしていると,絵のように町中美しく色づいた郊外に住めてよかったと思います.この時期になると,夏に日本に帰国された方々から「こちらでの生活は夢のようでした」というお便りが届きます.
 
 

食べ物

 30才代の終わりで食物の志向がすでに固まってからこちらに来たせいか,食物については私はとても批判的です.私が持ったアメリカの食のイメージは,バターやオリーブ油をどぼどぼ使う,野菜は主に生食で少量しか食べられないのでビタミン剤で補う,大きなケーキやパイにアイスクリームやホイップクリームがのっている恐怖のデザート,おいしいのはサンドイッチとピザとパン,といったところです.アメリカに来て日本料理の良さをあらためて認識しています.
 
 

料理教室

 日本で料理学校に2年通ったことがあるので,こちらでも習いたいと思いました.でも,一般人向けの料理教室では,プロの料理人が目の前で料理を作り,生徒はなんとそれを試食するだけ!楽ですが,実習がないので全然勉強にならないのでやめました.料理教室や料理番組のシェフはペティナイフという小さな厚手の刃のナイフをよく使いますが,土井勝料理学校の先生達の見事な包丁さばきを見慣れた目には,まるで素人の包丁さばきのように映ります.ともかく,こちらの料理はミキサー,フードプロセッサー,泡立て機の3種の神器を駆使して最後はオーブンで焼くというパターンが多いです.これらの機器を置くスペースのない日本の狭い台所には合わないし,何段階も加工する料理は栄養がなくなるし,時間もかかって自分には合わないと思いました.
 こういう感じですので,あまり料理のレパートリーは増えていませんが,新しい食材と簡単でおいしい食べ方をいくつか紹介します.

アボカド  魚のハマチのような味がするので刺身の代用品.御飯にワサビをぬってゴマ,アボカ ド薄切り,ツナ缶+マヨネーズ,味付けのりをちらして,しょうゆをかけて食べる.
マンゴー   熟したら厚めにスライスして少量のバターで両面いためるとポークステーキに合う.
ズッキーニ  外見は太目のキュウリに似ているが水っぽくない.厚く輪切りにして油でいため て田楽みそをぬって食べるとアメリカ人にも好評.
にんじん ホウレンソウからインゲン,カリフラワー,ピーマンまでほとんどの野菜は生で食べてしまいま す.我が家ではニンジンだけ採用.拍子木に切って水にさらしてから,マヨネーズ主  体のディップにつけて食べます.予想外においしく,あごの運動にもなります.
アップルパイ 冷凍パイシートの上にグラニー・スミスという緑のリンゴ薄切りを載せて,砂糖,シナモンを  かけてオーブンで焼くだけ.岳志君の朝ごはんです.
トマトソース  トマトの皮をむいて細の目に切り,油大さじ2杯を加えて30分煮る.タイムで香り  をつけ,塩で味を整え,貝柱,いか等の空揚げを加える.(エリザベスより)
フライド・タコス  ミンチ,ポテト,トマトの細の目切りをふたをして弱火で煮る.これをコーン・トーティヤ  という皮で春巻風に巻き,油で揚げ,サルサをつけて食べる.(メキシコ人のカーメンより)
 
 

戻る