はなみずき     第29号  3/22/98





 英語のことわざで「三月は子羊のようにやってきて獅子のように去る」と言われるように,3/20に「春」になってからみぞれや雪が降っています.普通はNYのゴルフ・シーズンは4月〜10月ですが,今年は暖冬で冬でもプレイできるため,3/22に予定していたところ突然の雪で中止となりヨシは家でゆっくりできると喜んでいます.今回は秋から冬にかけて,我が家が地元で楽しんでいる映画と音楽の話題について書きます.
 
 

グリニッチ・クラシック・フィルム & レクチャー

 10月〜4月まで月2回土曜の午前中,駅の近くの映画館の主催で1930年代から50年代のクラッシック映画を見る会があり,ヨシと参加しています.200人ほどの映画ファンが集まって,映画観賞とその前後の講義を楽しみます.料金は12回で$140,講師は脚本家,映画監督,映画の専門学校の教授などで,このシリーズは8年目になるそうです.
 これまでに見た映画は「スウィング・タイム(1936)」「黄色いリボン(1949)」「イヴのすべて(1950)」などのポピュラーなものもありますが,マレーネ・ディートリッヒの「情婦(1957)」のように初めて見たものがほとんどです.クラシック映画は発音が明瞭でスピードがゆっくりなので比較的わかり易いと思っていましたが,前回見た「ヒズ・ガール・フライディ(1940)」は新聞リポーターの話で,すさまじい会話に疲れてしまい,講師の話の時には思わず居眠りをしてしまいました.
 ただ映画を見て帰るだけでもそれなりにおもしろいですが,このシリーズでは講師が当時の時代背景や映画の舞台裏を説明してくれたり,映画の中での疑問に答えてくれるので,味わいがぐんと深まり,私自身の映画のレパートリーも広がりました.講師への質疑応答の時間にはさかんに手があがります.他の人も同じ疑問を持ったことがわかったり,感想を分かち合ったりして,映画の好きな人達と同じ時間を共有できるというのは楽しいものです.
 
 

グリニッチ・シンフォニー

 9月〜4月まで5回,グリニッチ交響楽団がグリニッチ・ハイスクールの講堂で,アメリカ国内で活躍している一流のバイオリニストやピアニストをゲストに招いて演奏会を開いています.各回,土曜は夕方8:30〜11:00,日曜は4:00から始まり,どちらにでてもよいのですが,両日ともほぼ満席になります.地域の人達の音楽に対する関心が高く,地元の楽団を大事にしていることが伺えます.シーズンチケットは我が家の3人で$220です.
 約70人のオーケストラ・メンバーは正式にプロの楽団に席を置く人達と,学校の音楽の先生などで構成されています.今シーズンからメンバーに知人で芸大出身のバイオリンの前田さんが演奏に加わり,休憩時に楽団について話を聞けるので楽しみが増えました.彼女によると,練習は本番の前の週に2,3回集まって合わせるだけだそうです.曲の解釈は日本でやっていた頃とほぼ同じなので楽だそうです.ただ練習の休憩時に楽団員の人達と英語であまりおしゃべりできないのがつらいそうです.音楽に国境はなさそうですが言葉にはあるようです.
 我が家は音楽とはあまり縁のない方なので,まあ聞いているうちにわかってくるでしょうという感じでずっとコンサートに出かけています.以前に指揮者のギルバード氏が最初の曲目の説明の時に,どの曲も「自然の風」の音を聞くように観賞すればよいのだと言うのを聞いてからクラシックのコンサートが楽しめるようになりました.岳志は休憩時にロビーで飲めるアップルサイダーがめあてで行っているようです.
 
 

カーネギー・ホール

 急にシカゴに転勤になったピアノ好きの友人のシーズン・チケットを買い取ったので,今シーズンはカーネギーホールのピアノ・コンサートに行きました.ヨシのオフィスから歩いて15分くらいのところにあります.3回のうち1回はピアニストがインフルエンザで中止になったので結局行ったのは2回だけでした.カーネギー・ホールはとても音響効果が良いそうで,私たちの席は$35のドレス・サークルで3階でしたが,とてもよく見えてこれで十分でした.1回目は??という人で高齢のためか7:30から始まって9時すぎに終わったので,ピアノコンサートは早く終わって楽でいいとヨシと思いました.翌日FMで放送されていたりNYタイムズに記事が出ていたりしていて有名な人だったんだなと思いました.先週の人は??という人でこの人は私たちのような素人にもうまいとわかるエネルギッシュな人で,ブラボーの掛け声の連続でした.演奏が終わったのは10時を過ぎていて堪能しました.何時間もカーネギーホール満席の聴衆を一人に引きつける

メトロポリタン・オペラ

 先日,初めてオペラ「マダム・バタフライ」を見ました.曲はイタリア語でしたが,ストーリーは単純だし,前の座席の背もたれに英語で字幕が出るので,ミュージカルより分かりやすいなあと思いました.舞台はちょうど高校の時修学旅行で訪ねた長崎のグラバー邸そっくりで,
主人公の蝶々夫人()は想像したより細い人でした.衣裳の打ち掛けがかなりくたびれているのが残念でしたが,出演者のしぐさや歩き方などはずいぶん日本人に見えるように練習されたようでした.ストーリーが悲しいのと,ヨシのオフィスから20分も寒いマンハッタンをリンカーンセンターまで歩いたせいで鼻水が出て困りました.今回の席は$66のドレス・サークルでしたが,よく見えたので十分でした.オペラはさすがに正装している人が多かったですが,席は$?〜$?まで幅があります.夜?時に始まって?時に終わるので,この日はヨシに車で出勤してもらって朝からリンカーンセンターに止めておいてもらいました.
 
 

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