12/23に4ヶ月間の教育実習が終わり,ちょうど三年かかったマンハッタンビルカレッジ修士課程が修了しました.アメリカの大学院の雰囲気をちょうど味わってみたいと思って軽い気持ちで始めましたが,最後の1年間は結構きつかったです.教育現場での実習体験を通じて日本人のESL学生の問題点を見たり,日誌を書いて大学院の担当教官と意見を交換したり.とても貴重な経験ができました.しかし,もう体力の限界だったようで,実習の終わる三日前から風邪をひいてしまい3週間寝込んでしまいました.岳志の受験帰国が一月中旬にせまり,楽観的な本人に比べ,実習の疲れと受験と引越しの気苦労で元気の出ない私でした.結果的には第一志望の高校に合格し,一週間でこちらに戻って来られてハッピーエンドとなりました.今回は岳志の受験について書きます.
受験帰国
ニューヨーク日本人学校に通う中学三年生約50名のほぼ全員が日本の高校を受験します.9月中旬に進路説明会,11月中旬に保護者面談で志望校を決定,その間,9月下旬より親が日本の志望校に問い合わせて願書を取り寄せ,12月上旬には担任の先生から調査書をいただき出願するというふうに,日本国内より早いペースで受験準備が進みました.高校によって現地校の成績証明書の扱いが異なるので何度も問い合わせをしなければならず気をつかいました.最終的には7校も願書を準備しました.
高校受験に関しては帰国子女のメリットはほとんどないので,最初から一般受験生として受験準備をしました.たとえば,岳志が受験した渋谷幕張高校の帰国推薦の受験は一般枠の受験よりずっと難しく,メリットは受験時期が早いことと,もう一度後で一般枠の受験をできるということだけでした.海外から受験準備をしていてばかげていると感じたのは千葉県の県立高校の帰国子女枠です.なぜか千葉県だけ,秋に県庁で行なわれる説明会に出ないと出願書類をもらえないことになっていて,誰のための帰国枠受験なのかなと思いました.さらに,岳志の場合は日本人学校からの受験なので助かったのですが,もし海外の現地校から受験する場合は必要書類が絶望的に気が遠くなるほど大変で,短絡的にですが,つくづく千葉県の教育の国際化は遅れていると感じました.
さて,出願準備が整うと,1/15に日本人学校の仮卒業式を済ませ,16日頃ほぼ全員が母親と受験帰国しました.受験の間はラッキーな人は実家にころがりこみますが,たいていの人は元の自分の家や社宅に半分引っ越した状態で志望校に合格するまでがんばります.そして受験終了後2月末にまたNYに戻ってきて3/8の日本人学校の進路報告会に出席,3月末に本格的にアメリカの家をかたづけて,母親と子供は日本に帰国,残った父親はアパートに移って帰国の辞令を待つというパターンになります.
岳志は渋谷幕張高校のTAG入試B推薦の受験日が1/16だったので仮卒業式には出席せず,1/13にこちらを発って1/14に帰国,一日置いてその翌日受験,次の日に合格発表でした.37名受験して13名合格.有難いことに第一志望の高校が一番最初にきていたので残りの高校に出願せずに済みました.稲毛の家に倉庫と実家に預けていた荷物を搬入し,何とか住めるようになったので,1/17に西千葉駅前の旅館から移りました.家を掃除して,傷んでいる所を修理してもらい,電話をつけて,入学手続きも特別に早く済ませてもらって,1/22にこちらに戻ってきました.岳志は今週からまた日本人学校に通っています.今学校に来ているのは岳志のように受験が終わった生徒で4名だけだそうです.
渋谷幕張高校
岳志がこの学校にどうしても入りたかった理由は,1.英語の時間に帰国子女だけを対象にアメリカの高校の教科書を使ってアメリカ人の先生が授業をする,2.フランス語を続けられる,3.家から程よい距離,4.自分でテーマを決めてリサーチして発表するという教育方針,5.ディベートが得意な学校.入試は英語だけで,SAT並の難しいものだったそうです.面接は英語のグループ面接で,岳志は1秒考えてすぐ手をあげて答えたそうです.善かれ悪しかれ岳志はアメリカの影響を受けているので,ヨシも私も帰国生の多い自由な雰囲気のこの学校に受かって本当に良かったと思いました.