鬼&桃台湾温泉旅行 2004.11.26〜28
 

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 鬼が島で還暦を迎える方のお祝いをかねて、かねてから計画していた温泉旅行の行き先は、なんと台湾になりました。夏に行き先がきまってから、鬼&桃周辺に呼びかけて、11月26日から2泊3日の旅行が実現しました。ももたろうからの参加者は、赤羽、矢野、松田、堀切の4人です。以下、堀切が全体の足取りを書き、それぞれのメンバーが楽しんだところを報告します。
* 1日目(11月26日)

 成田空港に12時10分全員集合! 14時10分発台北行き飛行機で出発→16時15分台北着。
 ワインだ、ビールだと飛行機でもりあがり、すでにだいぶできあがっている人もチラホラ。到着すると、外は暗くて風と雨。時差は1時間、日本時間から1時間時計をもどします。ガイドさんとバスにのりこみ、ホテルへ。
 泊るのは富都大飯店(フォーチュナーホテル)。夕食はホテル前の湖南料理店へ。大きな円卓を11人で囲んで、ワイワイしゃべりながらの楽しい食事。さて、日本ではあまり食べられない湖南料理のメニューはというと、竹につめたハト肉とスープ、銀糸糸巻というパン、海老とパイナップルの甘マヨネーズ和え、サトイモのお饅頭や金冠ハムのサンドイッチという珍しいものがいろいろ。飲み物は、台湾ビールと紹興酒。台湾ビールは炭酸がきいていて、独特の香りがしてなかなかのお味です。そうそうカエルのから揚げを注文した人もいました。お値段は、一人700元(約2200円)ほど。安い!
 帰りに近くのセブンイレブンへ、ゾロゾロと入って買い出し。「こんなものがある」「あんなものがある」と漫画や雑誌やおもちゃや調味料まで、手にとってはワイワイ。詳細な写真をとっていたのは管理人さん。
 ホテルに帰ってからは、幹事部屋に集まって還暦のお祝い会。還暦のTさんとEさんお二人に赤い鬼トレーナーと赤いくつした、ももたろうからは赤い縁の写真立てをプレゼントして記念撮影。そこへ台湾の漫画家&ライターのハーリーさん登場。ミルキーお宅だというハーリーさん。明日の晩の夜市の案内を約束してくれ、ドンチャン、ドンチャンと夜はふけていきました。


*2日目(11月27日)

 8時すぎに朝市散策へ。途中に風情のある道教の廟があったので入っていくと、おじさんが「どうぞ、どうぞ」と笑顔で招いてくれたので、道教のたくさんの神様にごあいさつ。
 公園では太極拳がくり広げられ、鬼のTさんも思わず技を披露。さて、朝市は活気のあるにぎわいで、野菜に果物、魚に貝、饅頭にお寿司にお菓子に洋服、アクセサリー。見るからにみずみずしく美味しそうな果物や野菜がたくさん並んでいて、しかも安い!! アクセサリー店に入ると、おばさん(お客さん)が「それがいいんじゃない? こっちがいいかも?」と自分でつけてどんどんすすめてくれます。それらはどれもすごく派手! 女性どうしの買い物談義は、言葉は通じないけど、なぜか通じてしまうんですね。出店で玉(ぎょく)を売っている店や、果物店の店先で指さしながらいろいろ買いこみました! 朝ごはんの後だけど、あまりにおいしそうだから饅頭を何種類か食べたというのは、鬼のKさん。鬼のNさんは甘栗とドラゴンフルーツを買いこんでいました。



朝市のお肉屋さん



 10時、チャーターバスでホテル出発。まずは近くの行天宮へ。ここは三国志でおなじみの関羽が奉ってある廟で、関羽といえば日本では閻魔様として有名。関聖大帝、伏魔大帝とも呼ばれます。武の神様ですが、そろばんを発明したので商売繁盛の神様としても有名。「や」のつく商売の方の参拝も多いそうで、年の暮れということもあって女性や子どもも多かったです。今年も無事終わって、よい年を迎えられますように、というお経をあげているところでした。赤い2つの半月形を放ってみんなで来年の運勢を占いました。



行天宮




 大山というお茶屋さんによってから、いよいよ陽明山温泉へ。市内をぬけて山を登っていくといつしか霧に包まれて・・。もうもうと湧きだしてくるような濃い霧で、バスの前も後ろもまるで見えません。いつ崖から落ちてもおかしくないと、緊張感で目がパッチリ。そのうえ、前を走っていたバスが別れたとたん、霧の中をバンバン飛ばしはじめた運転手さん。高まる緊張感(グーグー寝ている人もいましたが)。緊張感が最高になったところで、バスの中に響きわたった携帯の呼びだし音。電話にでたのはなんと運転手さん。でっかい声で笑いながら、話す、話す。「オイオイ、オ〜イ、運転はだいじょうぶ〜?」 笑ってよいのか、悪いのか。後ろの席の鬼のKさんとひきつって顔を見合わせました。
 やっと温泉へ到着。この運転手さん、湯さんという名だそうで、温泉への道はお手のもの! かどうかはわかりませんが、どうにか無事に着きました。料理を予約してから、温泉へ。ぜんぶ露天で、白濁の硫黄泉。泥をすくって体に塗りたくる泥パックに挑戦。冷たい湯船に自分で入って洗面器に泥をすくいます。これがなかなかむずかしい。私が下手なので、となりの女の子がいっしょにすくってくれて、さらに全身泥パックのおばさんが、手招きしてこれを使いなさいと分けてくれたので、どうにか全身、顔まで泥をぬりたくることができました。ああ、おもしろい。でも寒い。成分が浸透するまでがまんして、シャワーで流して、温泉へ。ああ、あったまる〜。
 温泉をでてからは、円卓を囲んで地鶏料理。鳥は抜群の味。薬膳なべもおいしくて元気がでました。(飲み物を入れて500元(約1600円弱)。

 さて、一行は次の温泉を目指します。日本でも有名な北投石(ペイトウセキ)はこの温泉から出るそうで、日本人が発見したそうです(1905年・岡本要八郎)。1913年に日本の伊豆山温泉方式でつくった公共浴場が、今は温泉博物館になっていて、建物のなかには映画を上映する部屋もありました。ここは台湾のハリウッドとも呼ばれたそうです。地下はローマ風の大浴場、回廊とステンドグラスがあり、二階のお休み所は日本風の和室で畳と障子、外観はレンガづくりでイギリス風、というようになんとも不思議な建物でした。国宝級の大きな北投石(温泉に含まれるラヂウムなどの成分が結晶化して付着したもの)も展示してありました。


温泉博物館




 いよいよ公共温泉へ。ここは水着をきてみんなで入ります。岩風呂がいくつかあって、上にいくほど熱い。わたしはひとつ手前までは入れましたが、一番上のは膝下だけでもがまんできないほどあ・つ・い。水風呂に入って「う〜ん」とがまんをして、上から2番目の熱めの風呂にドポン。その繰り返しが最高でした。ちなみにここは青温泉と呼ばれ、お湯はにごっていません。入浴料は40元(約130円)也。


北投公共温泉




 その後台北市内へもどり、免税店により、ホテルに荷物をおいてから再び出発。目ざすは足裏マッサージ。足を洗って、一人ひとりイスに座ってのマッサージ。私の担当は「まいう〜!」の石塚くんによく似たふくよかな若者。坐骨神経痛の私は、足裏もさることながら、ふくらはぎの痛さに悲鳴をあげ、グン、グンとひっぱられて何度もいすからずり落ちました。いやあ効きました! マッサージの途中で漢方薬をすすめられ、たくさん購入したのは鬼のEさん。漢方薬を飲む前後3時間は、大根と白菜とビールを食してはいけないと注意され、すぐに実行していました。
 夕食は丸林魯肉飯で台湾家庭料理。カラスミやルーローファンというひき肉の乗ったご飯が有名ですが、ほかにも切干大根入りのオムレツ、小粒の牡蠣と黒豆の炒め物、ハマグリのスープ、空芯菜、牡蠣のお好み焼き風など、安くて美味しい。(飲み物をいれて400元でおつりがきました。1200円くらい)。
 タクシー組と徒歩組でホテルへ。徒歩組みはまたセブンイレブンによって買い出しを。ホテルから、ハーリーさんの案内で松山駅近くのラオフ−テエクワンクワン夜市へ。入り口の大きな門が目印です。臭豆腐の香りがたちこめ(くさやの匂いに似ているかな?)、1本の道の左右がお店で、まん中に2列に屋台が並んでいるので、右から通って、折り返して左を歩く、というつくりになっています。道はせまくて、ワイワイと押し合いながら歩きます。屋台がたくさんあって、不思議な食べ物もいっぱい! 私が初めて見たのは、カンナで豆板(飴で固めてある)をけずり、クレープのように薄くやいたものの上に乗せ、さらにアイスクリームなどをトッピングして食べるもの。どんな味がするのでしょう? おなかがいっぱいだったので、仙草ゼリーしか食べられなかったのが残念。愛玉も食べたかったし、臭豆腐も食べたかったな。松田さんは娘にフェイクファーを、私は息子にトレーニングウェアを買いました。しっかりねぎりましたよ! 手に数字書いて。
 ホテルに帰ってから、もちよった果物の食べくらべしながら、またまた宴会。2日目の夜は、高粱酒が美味しくて、コリャ、コリャとふけていったのでした。

*3日目(11月28日)

 8時半にホテルを出発して、タクシーで故宮博物館へ。私は、鬼のNさんとSさんと原住民族博物館へ行きました。台湾の先住民族では、蛇関連でパイワン族という百歩蛇の一族に興味があったので、目をさらのようにして見回りました。ある、ある。蛇関連のものがたくさん。バナナの木の幹から糸をとって織物をつくるのですが、バナナの木って芭蕉によく似ているのを発見。沖縄との共通点もたくさんありました。写真撮影OKなので資料も蓄えられました。
 11時30分、ホテルに帰ってバスで出発。免税店によってから、金石堂書店へ。大きな本屋さんで、日本の本がたくさんありました。さすが本に関係のある人ばかり。書店に入るなり、さっと本を手にとり見比べる目がキラリ。児童書売り場には、わが社の本も見つけたので、カメラをだして記念撮影。アトムのマンガやちびまるこちゃんもたくさんありましたヨ。


書店の児童書売り場



 13時、昼食は小龍包で有名は鼎泰豊(ディンタイフォン)へ。おいしい小龍包やもちごめのちまき、しゅうまい、ぎょうざ、サンダータン。満喫しました(一人350元、約1100円也)。
 いよいよ空港へ。16時45分発の飛行機で成田へ向けて出発。飛行機のなかでは寝るのも惜しんで、飲んで、食べておしゃべりしました。成田へ着いたのは20時40分。ああ、美味しかった、楽しかった。みなさま、おつかれさまでした!(堀切)

●初めての海外旅行と台北の朝市

 海外旅行は初めてという私ですが、海外旅行の達人の皆さまのおかげで無事に楽しく過ごすことできました。苦手な飛行機も、ボリュームたっぷりの機内食を食べて、おしゃべりしているうちにあっという間に到着。台湾は、なんと日本に近いのでしょう! 街の様子は、ひらがなとカタカナが見られないだけで、日本とほとんど変わりません。お店でも日本語が通じるので、買い物が楽です。

 翌日、朝市に行きました。途中、小さなお寺を見学したり、公園の太極拳を眺めたりしながらたどり着いた市は、新鮮な野菜や果物、お肉やお惣菜、お菓子などの食料品をはじめ、衣類、雑貨等様々な品物であふれていました。新鮮で珍しい野菜や果物はお土産にできないのが残念。ホテルで食べようと、グァバと夏みかんのようなオレンジ、ドラゴンフルーツを買いました。グァバは薄緑色のリンゴのようなナシのような実です。結局帰りの飛行機に持ち込み、ナイフがないので、変わりばんこに丸かじりしたのですが、これがとてもおいしかった。(松田)

朝市の太極拳



朝市で売られていた新鮮な野菜




●夜市

台湾の観光スポットとして観光ガイドに必ず登場するのが、夜市(イエシー)。わたしたちは日本語読みして「よいち」と言っていました。内容は文字どおり、夜の市。

2日目の晩、わたしたちはこの夜市に行きました。野上さんの紹介で来てくれた、台湾の哈日(日本大好きな)漫画家、哈日杏子(ハーリーきょうこ)さん(もちろんペンネーム、台湾の方。日本でも小学館ほかから台湾ガイドの本などを出しています)が、ガイド役です。

夜市は、あっちこっちの街でやっているんですが、わたしたちが行ったのは、饒河街(ラオフーチエ)夜市。後でガイドブックを見たら、「スイーツが盛り沢山な、女性好みの華やかな夜市」と紹介されていました。行ってみた感じでは、ちょっと規模の大きい「酉の市」みたいな感じでした。

一本の通りの中央に、ずーっと彼方まで出店、出店、出店の行列。食べるもの、飲むもの、並べて売るもの、金魚すくいにくじで賞品があたるもの、とにぎやかに並んでいます。
とにかく人が多くて、通りは右側通行に限定。人の波に乗っていけば、自然に流されていきます。右も左も、とにかく人、人、人。もちろん周囲は台湾人ばかり。若い人やファミリー層が多く、「日常」を感じさせる空間でした。

えーと、実はわたし、ここでひとりはぐれてしまったのです。(^^;)
何かに目をとられてほんの数秒。ぱっと前を見たら、すぐ前を歩いていたはずの堀切さんの姿が見えない! 急いで歩けばすぐ追いつくと思ったのに、どういうわけか、行けども行けども、誰の姿も見えないんです。
でも、はぐれたときの待ち合わせ場所と時間は決めてあったし、いざとなったらタクシーでホテルまで帰ればいい、と開き直りました。というか、この場合、しょうがない……。

通りの一番端まで行くと、廟のようなものがありました。ちょっと中に入ってみると、香のようなものが炊かれていて、ここだけ静かな雰囲気。お参りしている人もいます。空気を壊さないように、しばらく見させていただいてからそっと外に出ました。
後でガイドブックで確認したら、創建250年の寺院「松山慈祐宮」とのことでした。
ちなみにここまで行ったのは、わたしだけだったようです。

出店の中で気になったのは、ミニうさぎが当たるらしいくじ引き。片手に乗っちゃうくらいのちっちゃなうさぎが、プラケースの中に入れられていて、ちょっと触らせてもらいました。かーわいい! しばし和みました。
そしてさらに気になったのが、隣のプラケースに入れられていた体長30cmくらいのウリ坊。ええ、いのししの子どもです。一番高い点数を出すともらえるらしい。一瞬「欲しい!」と思いましたが……大きくなったら困るでしょうねえぇ?(ペットだと信じたい)。

てくてく歩いていくと、出店の反対側にゲーセンがあって、日本でもおなじみのアーケードゲーム「太鼓の達人」が置いてありました。音楽に合わせて太鼓をたたくゲームです。
カップルが始めるところだったので、何をやるのかなとなんとなく見ていたら、始まった音楽はアニメ『NARUTO』のオープニング曲、アジアン・カンフー・ジェネレーションの「遙か彼方」! バッチリ日本語! それを聴きながら、お兄ちゃん、結構ノリよくバチをさばいてます。絶対初めてじゃない雰囲気です。なんだか親近感がわいてきて、「ねえねえ、この曲知ってるんですか? アニメ、見たことあるんですか? 台湾でやってるんですか?」と聞いてみたくなりました。

他の方たちも、思い思いに楽しまれたようです。
堀切さんは松田さんと、コーヒーのような黒い色をした仙草ゼリーをスタンドで買って食べたそうですし、野上さんは、海賊版ではないかと思われる『ドラえもん』のおもちゃを買っていました。
誰もが何か、自分のワクワクするものを見つけて帰ったんじゃないでしょうか。(水科)



夜市


●故宮博物館

中国歴代皇帝の膨大なコレクションを集めたのが、故宮博物館。
中華人民共和国の北京にも、故宮博物館はありますが、台湾のには、小粒ながら選り抜きの逸品が集められていると言われています。
なぜなら、第二次世界大戦後の国共内戦で、敗北した国民党政府が台湾に移るときに、より貴重で、持ち運びやすいものを選んで持ち出したから……なのだそうです。
ここは3日目の午前中、皆で訪れました。

残念ながら、現在は改装中のため、一部しか公開していませんでしたが、それでも1時間半で見るには時間が足りないほどでした。
好奇心旺盛な鬼・もものメンバーは、散り散りになって、それぞれのペースで好きなところを見て回っていました。

ここでの目玉は、翡翠の彫刻「白菜」と、自然石の彫刻「肉形石」。白菜は、翡翠の色が白からグリーンへ変化している部分を上手く使って作られています。
白菜も肉も、どっちもものすごくよく出来ていて、みずみずしい透明感、食欲をそそられる質感、それでいて俗にはならない凛とした存在感。なんという出来の良さ。これは、この楽しさは……海洋堂の食玩フィギュア!?(失礼)

しかし、なぜ白菜と肉なのか?
ちょうど日本人団体客を連れてきたガイドさんが、日本語で解説するのを聞いたところ、これは皇帝の后の嫁入り道具のひとつ。白菜は、縁起のいい言葉がかけてある食べ物らしいです(日本のおせち料理みたいなものじゃないでしょうか?)。そして、緑色の葉っぱのところには、オス・メスのいなごの夫婦がとまっていて、これは
多産を意味するのだとか。
いろいろ縁起のいい意味合いが込められた、お守りのようなお宝なのだろうと思いました。
「これは、ルーブル美術館のミロのビーナスのようなものです」と説明しているのが、おもしろかったなあ。

ミュージアムショップには、おしゃれでセンスのいいお土産がいろいろあって、選ぶのが楽しかったです。Tシャツでサイズの合うのがあったら、1枚欲しかったなあ。(水科)


故宮博物館(改装中)


翡翠の白菜

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