☆10 入堂(曹洞宗との違い)

        入堂から単まで なんでだろう?





ご存知の方も多いでしょうが
鎌倉の建長寺が創建されて 開山の蘭渓道隆、二世の兀庵普寧、三世の大休正念
そして五世の無学祖元と中国からの名僧が続き、そして十三世は建長寺で得度し
中国から戻った 南浦紹明である。
で、十八世の東明慧日であるが この渡来僧は 臨済宗大慧宗杲との論争で有名な
曹洞宗宏智派の法系の直翁徳挙の法嗣である。

同じく 東陵は無学祖元の甥の子で曹洞宗宏智派の雲外雲岫の法嗣で中国からの
渡来僧。京都で天竜寺・南禅寺 鎌倉では建長寺・円覚寺の住持をつとめた。
いわゆる 二十四流の内 僅か三派 道元が伝えた天童如浄の禅の流れを除けば
上の東明派、東陵派の二つだけが曹洞宗系である。 但し何れも宏智派である。

今では考えられないが、曹洞宗宏智派の渡来僧が七年ほど 名刹建長寺の住職を
していた事実、同様に東陵の様に 京都五山の住持をしていた事実は 一体何を言
っているのか?

深い学問的なお話は別として、曹洞宗も臨済宗も現在程は それ程 距離感が離れ
ていなかったことは、確かでしょう。

昭和以後を見ても 曹洞宗の沢木興道禅師は 臨済黄檗僧達と交流を深めていたし、
現在でも 瑞松軒 宮本大峰老師は最初曹洞宗永平寺に掛塔されて その後臨済宗
に僧籍を移し 現在は向嶽寺の管長となられている。

とは言っても まず最初ですが 僧堂禅堂の入堂一つとっても 結構違うんですよね。
まずは、最初に下の画をご覧ください


               例 その一



設例A
修行者が 入り口から 黄色の単・坐位に行くまでの場合
曹洞宗は前門から入り 臨済宗は後門から入るが 順路だけみれば ほぼ
同じ様にみれる。

もっと具体的に書くとこうだ

01) 聖僧様の正面は避けて 左端から 左足から敷居を跨いで堂内に入る
  この時敷居が低い或いは平坦な場合でも 決してそれを踏んではいけない

02) 入堂すれば 足を揃えて立ち止まり、聖僧様に対して合掌して拝をする。
  合掌低頭まではこの場合 曹洞宗臨済宗も一緒である
  ただ臨済宗では[がっしょうていとう]と読むが曹洞宗では[がっしょうていず]
  と読み どちらかと言えば曹洞宗では 問訊[もんじん]という表現の使用の
  方が多い。

03) そして曹洞宗の場合は又手をして 臨済宗の場合は合掌して歩き出す
  大体、曹洞宗で修業された方と臨済宗で修業された方との区別は  なんと
  最初のこの段階で ほぼ解ってしまう。
  臨済宗の場合は特に四十程の 専門道場がある関係から細かい点に関して
  言えば 結構 それぞれの専門道場によって 違う作法が多い様ですが これ
  に関しては 間違いなく 合掌して歩きます はい

  どうして 曹洞宗は又手で 臨済宗は合掌のまま 自分の単に目指して歩く
  のか この違いがいつ生じたのかは 今ははっきりしません。私自身の勉強
  課題として残っています。
  ご存知の方がおられましたら 是非お教えくださいませ。お願いします。

それでは 次の画をご覧ください


               例 その二



設例B
修行者が 入り口から 赤色の単・坐位に行くまでの場合
設例Aと違って 曹洞宗と臨済宗では 順路だけみれば 全く歩行距離が
違ってしまうのである。

01) 曹洞宗では聖僧様の正面は避けて 入り口の左側から 左足で
  敷居を跨いで堂内に入る。そして問訊(合掌低頭)する。そして又手を
  しながら
右折して聖僧の後ろ側を進み 突当りでもう一度右折して
  赤色の単まで歩く

02) 臨済宗では聖僧様の正面は避けて 自分の赤い単のある直日単側
  即ち入り口の右側から 左足で敷居を跨いで堂内に入る。そして合掌
  する。そして合掌したまま 前進して 赤色の単まで歩く。

上より結論としては

☆曹洞宗と臨済宗の違い

一  曹洞宗では 聖僧様が向いてられる前門から通常入場する
    臨済宗では 聖僧様が後ろ向きである後門から通常入場する
二  曹洞宗では 必ず入り口である前門の左側の柱から、柱寄りの足
    つまり左足から入堂する。
    臨済宗では 自分の座る単が左側(単頭単側)であれば、後門の左側
    から左足から入堂する。逆に自分の座る単が右側(直日単側)であれば、
    後門の右側から左足から入堂する。
三  曹洞宗では 入堂して問訊(合掌低頭)してその後 又手して右足から
    歩き出す。
    臨済宗では 入堂して合掌低頭した後 合掌したまま 左足から歩き出す

臨済宗も曹洞宗もどちらも出入りする場合は 人が多ければ 真似しながら行けば
大丈夫でしょうが  少人数の場合は ほぼ何処かで失敗します。
くれぐれも ご用心下さい


大きな相違は 曹洞宗は前門の 外から見て左側の柱から 柱寄りの足から必ず
出入りをするが原則。
一方臨済宗は 自分の座る単側で左右が決まり 後門から 左足から入堂する。
合掌低頭後は単まで 曹洞宗では 又手で 臨済宗では 合掌して 歩く。
そして合掌低頭後の歩き出しは 曹洞宗は右足から 臨済宗は左足からです。





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