66 居士坐禅会の発展   『 人間禅 』


今までは 座禅会の選び方とか 何々坐禅会と言っても 臨済宗や

曹洞宗の どこそこのお寺の 実施している坐禅会を考察してきました

今回は 見方を変えて 居士座禅会に関して 若干の考察をしようと

思っています

お寺ではなく 居士が中心で 実施している坐禅会と言っても 現在では

小さな座禅会を 含めてしまうと 相当な数になってしまうでしょう

それで今回は 歴史もあり 組織も規模も大きな 三つの居士坐禅会に

関して 若干の考察をしてみます

前もってお断り致しますが 在家居士坐禅会に関して それなりに調べて

はいますが 間違いがあるかもしれません その節は 関係者の皆様

ご容赦の程 あらかじめ お願いいたします

今回最初に 取り上げますのは 1949年に成立したとする 『人間禅』に

ついてであります


京都市内に住んでいますと 流石に 大徳寺を除けば 臨済宗では

妙心寺 東福寺 南禅寺 建仁寺 天龍寺 相国寺の各本山が 毎月

一度か二度は 居士のために 坐禅会を開催していますから 正直

それほどには 在家居士坐禅会の存在は 目立ってはいないのです

しかしながら これは考えますと 京都が特殊な状況では ないかと

思っております

更に 最近流行りの マインドフルネスも 関東では相当な勢いを持って

いるようです

さて それでは 居士坐禅会について 考察しましょう


人間禅

〇 その歴史


人間禅とは 「人間形成の禅」の意

元を辿れば 山岡鉄舟 中江兆民等が 鎌倉円覚寺管長の蒼龍窟 今北洪川

老師を拝請し 居士対象に設立された 両忘会が始まりとされる

それにしても 明治の時代の人は偉い

その後 今北洪川から 釈宗演の法嗣 釈宗活が両忘会を発展させ

1949年に両忘禅協会を発展的解消し 釈宗活の法嗣 耕雲庵立田英山師

を初代総裁として 『人間禅』が設立された

その後 2006年から第五世総裁 丸川春潭師が引き継がれている

当然ながら 『人間禅』は 出発が円覚寺からのため 基本的には臨済宗を

基本とした 居士坐禅会である


〇 その規模と活動

日本国内に限って言えば おそらくは最大規模クラスの 坐禅会と言えます

北海道から 九州まで 全国28か所 坐禅会などが実施されている

更に他にも 会員が個人で坐禅会を開催している

当然ながら 全国で開催される 接心会のため 丸川春潭師はじめ 14名の

師家が それぞれの接心会を分担している

ただ海外布教は 三宝教団と比較すると まだこれからという面は残っている


〇 公案を用いた 入室参禅

『人間禅』は円覚寺の流れであり 当然ながら 公案を用いた 入室参禅が

上記の通り実施されている

昔と違って 臨済宗専門道場では 在家居士の入室参禅を 認めている

僧堂は極めて少ない  京都市内でも 相国寺の専門道場 大通僧堂で

開催されている『智勝会』と言われる月二度の 居士坐禅会の長期参加者

の場合赦される程度で あとは老師との 個人的な繋がりを 持っている方

以外は 正直難しいと言える

ただし これは現況であり 第二次大戦前の 専門道場では 相当数の

僧堂が 在家居士を接心を含め 受け入れていたところが 結構ある

それを考えると 『人間禅』は 現代の在家居士にとっては 有難い存在

となっている  特に公案の入室参禅をしたい方にとっては その魅力は

大変大きいと言えよう

臨済宗の公案は 当然ながら中興の祖である 白隠禅師によって体系化

されたものであるが 各専門道場によって口伝されることも多く そんな中

から 『人間禅』では 200則を厳選して まとめた 瓦筌集を制定し 公開

している

この面からも 有難いと思っている方は 多いと聞く


〇 臨済宗系法脈図

『人間禅』教団が示している 臨済宗の法脈は次の通りである

白隠慧鶴 → 峨山 → 隠山 → 太元 → 儀山 → 今北洪川

 → 釈宗演 → 釈宗活 → 立田英山 ・・・・・・・  となっている

うーーーん 白隠から釈宗演までは 並んでいる名前は 少しでも日本の

禅宗史を勉強した方は 名前が浮かぶ方ばかり

ただし この法脈に関しては 後年になって 異議を挟む意見もあるという

それに関しては 詳しく研究してませんので 言及しません

それにしても 本流の一つの流れであろう


〇 実際の坐禅道場   それと京都に住む拙者の ボヤキ少々

一番有名なのが 擇木道場  擇木道場は創設して 百年を超えている

釈宗活が指導して 両忘会の頃に建てられたからである

関東には支部として 上の擇木道場を含めて 多くあり充実している

私も関東在住なら 人間禅に参加していたかもしれないと 時々思う

一つには 臨済宗の本山が鎌倉にはあるが 東京とか千葉にないことが

理由なのかも知れない

そして逆に 私のいる京都と言うよりは 関西では 関東に続く人口なのに

京都府八幡市にある 関西支部だけである 因みに私は 残念ながらまだ

一度も行ったことがない

そして 坐禅会は 他に大阪 神戸 和歌山等でも開催されている

人間禅の関西支部は 妙心寺派の専門道場第一号であり 同じ八幡市に

位置する円福僧堂から 結構近い場所となる   全然関係ないお話だが

円福寺は 白隠慧鶴の直弟子である 斯経慧梁禅師によって 開単された

ここの専門道場の禅堂は 文殊菩薩ではなく 達磨大師が祀られている

臨済宗本山が多くある京都では 流石の人間禅も 苦労されているかも

しっかし 京都市内に限って言えば 曹洞宗の坐禅会も ほとんど目立って

いない

以前坐禅ではなく勉強会に数回参加していた 宗仙寺でも いつのまにか

勉強会はなくなっていた 一応 宇治に行けば 興聖寺専門僧堂があるが

宇治と言えばどちらかと言うと 黄檗宗の萬福寺の方を思い浮かべてしまう

京都市内で古くから 曹洞宗の坐禅会を 続けているのは 洛北鷹ケ峰

源光庵ぐらいしか 思い浮かばない  源光庵は1694年に あの有名な

マン山道白禅師が 大徳寺派から曹洞宗に改めて今に至っている

別に京都では 曹洞宗の葬式が少ないかと言うと 私が出た葬儀に限って

言えば 浄土真宗系の次に多いのは 曹洞宗ではないかと思っている

関東とは真逆で 京都市内では 曹洞宗は全く布教に苦労していると

いえる 市内に中心となる 寺院が存しないからであろう

この曹洞宗の 京都での状況を見れば  『人間禅』の全国網羅組織は

たいしたものであると 認めざるをえない

公案もあり 剣道や茶会 俳句などの活動もあり 魅力的なものとなって

いる 更に 季刊誌『 禅 』をも発行している



〇 自分で 人間禅について調べる方は 下記のリンク先を ご利用ください

        ☆ 人間禅

        ☆ 人間禅 関西道場

        ☆ 人間禅 東海

        ☆ 人間禅 福岡坐禅会

        ☆ ウィキペディア 『 人間禅 』






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