ユアサイド
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ユアサイドにようこそ! ナビゲーターの山口博と申します。
このページでは進路、キャリア、就職、転職に関わる情報を不定期にお届けします。
2013年4月30日までの11年間、大学の現場において学生の進路・就職支援の仕事を してまいりました。この経験を生かして、特に大学生のみなさんに役立つ情報を提供してまいりたいと思います。
■社会へ巣立つ君へ
 どこの大学生も卒業式を迎え、あと一週間もすれば、職場の一員として社会人のスタートに立つ人が多い事でしょう。いまは期待と不安で胸がいっぱいの事と思います。そこで、少しでも不安が少なくなるように、元サラリーマンであった私がアドバイスして見たいと思います。
 まず、ミスや失敗を極端に恐れない事です。もしミスや失敗をしたら、そのことにしょげかえるのではなくて、どうしてミスしたか、失敗したか、今後気を付けて行かなければならないことはなにかと、考えることが大切です。ミスや失敗から学ぶのです。職場の先輩や上司はミスや失敗におよそ寛容です。なにしろ初めての仕事が多い訳ですから。みんなそうやって成長してきた事を知っているからです。ただ、彼らが嫌うのは、学ばない姿勢には厳しいのです。
 次に、仕事には無駄な仕事と言うものはありません。こんな仕事をするために入社したのではないと思う事があるかもしれませんが、仕事にはすべて意味があります。もしかしたら、どこまでどのようにやるのか上司が試すために貴方にその仕事を指示しているかも知れません。この仕事はなんのためにやるのか、私に期待される成果はどのようなものか、期待以上の成果をたずためにどう取り組むべきか考えること。それが仕事の意味づけをして取り組むことになります。目の前に任されたどんな仕事でも喜んで全力で取り組んでください。そのように仕事の意味づけができる人が周りから信頼され、自らも成長していくのです。ですから、あまり先の事に不安がるよりも、目の前の仕事に懸命になってください。
 仕事を面白くするのも、そうでなくするのも全てあなたの考え次第です。つらいこともあるかと思いますが、辛抱することも大切です。いやなことに敏感にならず少し鈍感くらいがいいでしょう。どうぞ一日一日を大切にしてください。それがあなたの良さを生かす道ですから。
 それとあいにく内定がとれずこの春の入社が叶わなかった人もいるかも知れません。焦る必要はありません。幸い企業の採用意欲は高まっていますし、せっかく採用した人材が離職するかも知れません。ただ、内定が取れなかった理由を聞かれたときにそなえ、考えをまとめておきましょう。長い職場人生の半年や1年、スタートが遅れたからと言って嘆く必要はまったくありません。いくらでも挽回できるからです。
自分の未来に明日に橋をかけましょう。
(2014/3/22)

■大学生の離職率を考える
 本日10月30日の各紙の朝刊で大学生の離職率の報道があった。
厚生労働省の発表を受けて報道したものである。それによると、就職した大学生が3年以内に離職する割合が3割というものである。特に飲食業、ホテルなどのサービス業、パチンコなどの娯楽業における離職率が高いと報じている。
 3年以内に3割の大卒者が離職する傾向は、いまに始まった事ではなく、10年近く続いているのである。昨年こそ、3割を切った事があったが、高止まりの傾向は依然としてある。
かつて、中学卒、高校卒、大学卒のそれぞれが3年以内に離職する割合を順に「七五三現象」と言われた。つまり、職業に就いた後、3年以内の離職率が中学卒が7割、高校卒が5割、大学卒が3割という状況が続いたのである。
 この傾向をどのように考えるかは焦点の当て方で変わってくるので、そう簡単ではない。だが、ここでは、これから就職しようと考えている大学生、いままさに転職を考えている第二新卒者に少しでも考えのヒントになればと思い、書き記してみたい。
 まず、割合が高くなるときの社会情勢を考えると、景気が上向いて、企業も積極的に採用を増やす状態にあると言える。つまり、日頃、転職を考えている人にとっては、転職し易い雇用環境が整うと判断できるので、退職する人が増えると考えられる。逆に、景気が低迷して、企業の採用活動が消極的であれば、転職がスムーズにいかないと考えるので、退職を踏みとどまると思われる。
 次に、離職率が高い業界や企業は概ね固定化していると思う。テレビ報道では、ある飲食業が高い離職率は結果的に業績に悪影響を及ぼすと考え、離職率を低くする対策を打ったが、まれなケースと言えよう。就職前であればそのような特色を掴む努力をして欲しい。次に、働く側から考えてみたい。
私の長いサラリーマン時代を振り返ると、肉体的、精神的に追い詰められた時期があった。廻りの人に愚痴を言い、辞めようかと考えた時もあった。いまになって思えば、結果的に辞めなくてよかったわけであるが、これは個人差があるので何とも言えない。ただ、当然ながらどこの企業に働いていても「仕事は厳しい」のが当たり前とは言えると思う。
 結局、どのように考え、行動すべきだろうか。
まず、就職活動している大学生に一言。「簡単に内定を出すような企業は怪しいと思おう」「売上高等の企業規模に比べて、採用予定数が多い時は注意信号と思おう」「就職課、友人、親族の方と情報交換する」などをおすすめ。
 次に、現に働いていて、離職を考えている人に一言。まず、違法な長期労働やパワハラ、セクハラなどら遭遇している場合は、即座に辞めることだ。これは当然のことである。
職場の人間関係などでつらいとき、なにか仕事に失敗して落ち込んでいるとき、人は辞めたいと思う。このときに考えて欲しいのは、どう結論を出そうが自由だということである。自由というのは変に聞こえるかも知れないが、最終的には自分次第なのである。そこに唯一の決定の正解があるわけではない。その結論を出す源泉は自己基盤であると思う。自分がどのような人間で、どのような長所、短所があるのか、どのように生きて行きたいのかという背骨に聞いてごらん。答えは自ずと出ると思う。妥協せずに自分と折り合いを付けていくことである。みんながそうだからと廻りのムードに流されないで欲しい。それは、何も職業だけの問題ではなく、自分の人生の問題なのだから。(2013/10/30)



◆ミスマッチの解釈は慎重に
  高校生の内定解禁があす16日から始まります。応募してきた高校生のなかから是非来年4月に入社して欲しい人に企業が内定の連絡をだすことが許されるのです。企業からの内定を心待ちにしている高校生は落ち着かない日々のことでしょう。
 昨日、テレビニュースのなかで、有効求人倍率は改善しているが、高校生の就職の現場でミスマッチが起きていることが報道されていました。これを観ていて、またミスマッチのテーマで報道かといささかうんざりしたが、今回は少し趣が違っていました。
 ある商業系の高校で学校として、簿記の資格取得を薦めているが、生徒が就きたい事務や経理の求人が少なく、ミスマッチが起きているといったような趣旨の報道でした。ミスマッチの原因があたかも社会や企業側にあるかのような論調にとても違和感を覚えました。その理由はふたつあります。ひとつは、もともと事務職や経理職は職種のなかでは例年求人枠そのものが企業に少ないのです。やはり、営業や販売といった職種が断然多いのです。売上や利益を生み出すのは間接部門ではなく直接部門だからです。だから、そこに人員を多く配置するのです。もうひとつの理由は、学校も生徒も簿記の資格は事務職や経理職になりたいから獲得する、だから就職先もそのような職種でなければいけないという前提があるように思います。しかし、果たして、その前提はどうでしょうか。確かに、事務や経理の仕事をするときに簿記の知識は役立つとは思います。だからといって、そのほかの仕事に役立たないとは思えません。むしろ、役立つとも言えると思います。例えば、簿記の知識のある営業職の人は得意先から重宝がられるかも知れません、簿記の知識は売上など物の動きがわかるので、経営や販売の管理と密接な関係があります。
 だから、専門の部署でなくては簿記の知識が役立たないと考えるのは、仕事の深さや幅を狭めてしまう危険があります。自分が活躍する場面を自分で狭めてしまうのはもったいなと思うのです。企業ではさまざまな仕事を経験させます。その方が本人の能力開発にもつながるし、ひいては、企業の経営のかじ取りに貢献できるからです。どうぞ、いろいろな部署の仕事を貪欲に吸収していってください。
 大学生にも言える事ですが、専門を学ぶということは決して、狭い専門の場だけではなく限りなく幅広く応用できることを学ぶことと思うのです。知識のない素人が類まれな発想をすることがあることを私たちは知っているのではないでしょうか。
 進路指導にあたる先生も、生徒本人も、ミスマッチなどと嘆くのはなく、自分を信じてもう少し自由に職業、職種を考えてと願わずにはいられません。高校生の皆さん、大学生の皆さん、内定が得られないからといって、そこで立ち止らずに前に足を踏み出してください。
(2013/09/15)


◆正社員採用の復活歓迎
19日全日空が2014年度の客室乗務員の採用形態を契約社員から正社員に切り替えると発表しました。全日空としては平成6年頃に戻ったわけである。このニュースはこれから就職活動をしていく大学生にとっては、朗報でしょう。全日空のこの動きが他社にも追随させる可能性を含んでいるからです。本当は正社員として就職したいのに、やむなく契約社員として就職せざるを得なかった大学生が多かったからです。
 働く側のニーズに柔軟に応えるための雇用形態としての契約社員は、終身雇用ではなく有期の非正規社員として各企業がこぞって取り入れてきた雇用形態です。国もこの雇用形態を支援してきたのです。この雇用形態を積極的に取り入れてきた企業のもうひとつの思惑は、人件費削減です。企業にとって、経営環境が厳しくなると、ますば経費削減に取り組みます。とりわけ人件費の削減、圧縮が大きな経営課題になります。そこで企業は、リストラ、新規採用については比較的解雇しやすい契約社員をいわば人員削減の調整弁として考えたのです。
 契約社員やパートなど非正規社員が増えると、さまざまな軋轢を社内に生み出します。その最たるものが、労働意欲に関わるものでしょう。正社員とあまり違わない業務をしながら、昇給、賞与などの点で劣ります。これでは、やる気をだせといっても所詮無理な話なのです。その結果、優秀な社員が退職してしまうことになる。離職率が当然高まるわけで、結果的には人材の採用、育成コストがかえってかかることにもなります。
 いま、企業を取り巻く競争環境は激化しており、有名企業であっても、明日の繁栄は約束されたものではありません。全日空の今回のニュースも、そういった背景があり、先手を打って、長期的視点で優秀な人材を採用、育成していくことが、競争力を高めると確認したに違いありません。
 かつて、終身雇用はもはや終わったとして、成果主義、能力主義を強力に推し進めてきたやり方が見直されているといっていいでしょう。もちろん、これからも誰もが終身まで勤められるとは限らず、成果主義もなくなりはしません。しかし、さまざまな資質、能力を持った社員が将来の人生設計を組み立てる事かでき、生き生きと働く職場が将来の繁栄を約束する大きな要因であることは、今日に限らず、昔から大切なことなのです。
 そこで、大学生と国に対して、提案、提言したいと思います。
まず、大学生、つまり就職希望の大学生の就職活動についての提案です。多くの大学生が自分が知っている有名企業に入りたいと血眼になっています。当然ながら採用倍率は高くなかなか内定がとれずにいます。確かに先ほどの全日空の動きは歓迎すべきなのですが、他の大手企業が正社員の採用比率をいきなり高めることとも思えません。そこで、提案です。狙い目として、未上場企業と中小企業にターゲットを絞ることです。未上場企業のなかには大手企業もたくさんあります。この正社員を狙うのです。もうひとつは、中小企業を狙うのです。中小企業の多くは正社員採用で、比較的永く会社に貢献して欲しいという期待もあります。
 次に国に対して、提案です。これだけ非正規社員の比率が高まり、それが働く人にさまざまなひずみを生んでいるのに、非正規社員の比率を具体的に削減する方針が見えません。とりわけ、早急に取り組んでほしいのは、契約社員の実情把握と公表です。契約社員といっても、同じ言葉を使いながら労働条件、雇用条件はさまざまです。この対応が遅れていると思います。(2013/08/21)


◆高校生は真剣
 7月10日南魚沼市六日町にある「ふれ愛支援センター」にて、高校生対象に講演をしてきました。南魚沼市と南魚沼ハローワークの依頼によるもので、南魚沼市近郊にある高校の就職希望者に対して、応募前企業説明会が当日あり、その前に「応募直前セミナー」として45分間、2回に渡りお話してきました。総数は約140名の参加で、受付でみんな挨拶はできるし、講演中も私語は一切なく、驚きました。また、テーブルなしの椅子席だったのですが、真剣にメモをとっていた生徒も多数見られました。少し感激しました。というのも、この間まで大学生相手にセミナー講師を何度もやってきましたが、いつも数人は私語がつきものでしたので、新鮮に感じたのかもしれません。土地柄なのか、はたまた最近の高校生は真面目なのかわかりませんが、とても話し易かったです。新潟県全体の高校生の就職率(就職希望者に対する就職者の割合)は全国4番目に高いのもうなづけました。 以前、ある企業の人事担当者にお会いしたとき、「弊社を受ける高校生はみんな一生懸命で、入社した人も変な大卒より役に立つ」という話をされたことを想い出しました。
 私の話の概要としては、当日行われている企業説明会への動機づけ、その後の職場見学、面接対応、離職の状況、働く意味などです。
 企業説明会は地元企業中心に28社参加していました。
大学生と違い、この7月8月9月の三ヶ月にどれだけ集中してやるかが勝敗をわけるので、彼らのモチベーション・アップを意図したが果たして伝わったかどうか。
 久しぶりの講演で私もまたエネルギーを貰いました。市とハローワークの職員のみなさま大変お世話になりましてありがとうございました。そして、参加してくれた高校生のみなさん暑さに負けず、新潟県人の粘り腰を発揮して、内定を獲得してください。(2013/07/13)


◆大卒の内定率がアップ
 
就職情報サービス会社のリクルートキャリアが6月1日時点での大学生の内定率を発表しました。それによると、53.4%で、前年の同時期と比較すると、5.4ポイントアップしているとのこと。また、一人あたりの内定社数は約2社でこれも前年よりいいらしい。ただ、そのなかで、3社以上内定をもらっている学生が全体の25%つまり、4人に1人おり、一部の学生に内定が集中する傾向がある。これは、数年前からの兆候で、簡単に言えば、内定をもらえる学生ともらえない学生の2極化が進んでいるのです。ということは、会社の人事担当者としては、あまりうれしくないというか、不安材料でもあるのです。一人の学生が複数内定を持っているということは、断られる危険性があるからです。早めの内定が出ているが、まだ内定がないからといって、焦らなくてもいい。恐らく求人も長期化するでしょう。
 ただ、名の知れた大企業や有名企業ばかり狙っていて、内定がとれていない学生は、中堅企業にシフトしたほうがいいでしょう。冷静に考えていたたければ、世の中の会社で圧倒的に知らない会社が多いはずです。これは自明の理です。だから、知らない会社を受けなさいといいたいのです。知らない会社でも何十年の歴史を刻んでいる会社はたくさんあります。何十年も存在しているというのは、社会に有益な貢献をしている証拠なのです。就活の勝利の方程式は継続です。きっとマッチする会社に出会えます。梅雨を乗りきって下さい。
(2013/06/28)

内々定のピークが近づくけど
 
就職活動の大学4年生のみなさん、ゴールデン・ウィークは少しは休むことができましたか。リクルートキャリアが4月25日に「来春卒業予定の大学生の4月時点での内定率は14.4%」と発表しました。昨年の同時期に比べてわずかながらいいようです。景気回復の兆しが見えてきたことも背景にあると思われます。
 企業の内定出しの最初のピークが5月です。学生の皆さんにとっては7月上旬、つまり夏休み前に1社でも内定を獲得したいものです。
 したがって、いまの時期は、エントリーシートで惜しくも不合格になった人、また無事通って面接に行っている人が大勢いることでしょう。もしかしたら、まだ1社も面接までたどり着けなくて、不安に打ちのめされている人もいるかもしれません。
 これからの就職活動で一番大切なことは、時には就職活動を休む日を作ることです。つらくて気持ちが落ち込んでいるときは、一日でも二日でもいい、就職活動を休むのです。その日は、就職のことはすっかり忘れて、自分が楽しいと思えることをして、時間を過ごすことです。これから長丁場に入るこの時期のあせりは禁物です。どうぞ、精神的、体力的にリフレッシュしてください。いままで、自分なりに頑張ってきたご褒美に、少しリッチな食事をしてみるのもいいでしょう。要は、生活にメリハリをつけることをおすすめします。(2013/05/02)

大学生の就職率やや好転
 文科省と厚生労働省が5月17日、今年の3月に卒業した大学生の就職率を発表した。
それによると、学部で93.9%と昨年同期の調査に比べて、0.3ポイント増えた。少しは景気がよくなったのも反映しているかもしれない。
 ただ、この93.9%の数値の元になる調査対象は国立21校、公立3校、私立38校で、短大生を入れた調査人数は
5690人である。自分の大学と比べて意外と高めの数値と認識してよかろう。
 それと、この分母になっている就職希望者は卒業が近づくに従って、減っていく、つまり、就職をあきらめて進路変更しているのである。就職率という言葉を使っているが、卒業直前までは就職内定率といっていたものである。
 就職率が好転しているといっても手放しでは喜べない。一つは、相変わらず何万人の学生が就職が決まらず、卒業していっていることだ。さらに、今回の調査とは違うが、卒業して3年以内の離職率が3割もあるという問題もある。アルバイトをしている卒業生は、並行して正社員を目指して、早期に就職活動に取り組んで欲しい。長引けば長引くほど、正社員へのハードルは高くなるからだ。それと、運よく入社した人も、多少、思っていることと違う局面に立たされるだろうが、石の上にも3年ということわざがある。我慢はして欲しいと願うが、悩んだらひとりで悩むのではなく、まわりの誰かに相談してみることをすすめたい。(2013/05/18)