第四章 狩って、狩られて・・・

 

 初めてモンスターに襲われ、無残にも死んだEsthill・・・その後もしばらくはきこりをしながら生計を立てていました。そしてとりあえずの目標だった1000GPがようやくたまったのです。豚や牛ぐらいなら鎧を着なくても何とか勝てるのですが、それ以外の動物にも勝てないのでどうしても鎧がほしかったのです。早速防具屋を巡るEsthill・・・・盾と鎧を購入しおまけにマントまで手に入れて集合場所に行ったのです、が・・・・

 「あ・・・誰もいない・・・・」

 せっかく冒険者らしくなったEsthillを見てもらおうと(笑)行ったのですが、誰もいません。しょうがなくその格好のまま再びきこりに行くことに・・・・

 そしてきこりをすること1時間・・・・

 「うーん、今日はあまり木がないなぁ。」

 その日はいつもの半分の量も木材が取れません。その代わり牛や豚、鹿などが私の周りにいっぱいいます。

 「よし、今日は鎧も買ったことだし、狩りをしよう(笑)」

 鎧を買って防御があがったのが自信になったのか? その日のEsthillはものすごい調子で動物を狩って行きます。

 今まで手を出せなかった雄鹿やブルなど苦戦はするものの勝てました。ああ・・・俺って強い(笑)などと思ってしまう始末でした。しかし、そんな気分も長くは続きません・・・・

 「しゃ〜〜〜〜」

 再び例の音が聞こえてきました・・・・・背筋が凍る思いをして画面を見渡します。そしてそこには・・・・・

 「あ・・・あいつだぁぁ」

 そう、先日動けない私をうれしそうに殺してくれたモンスターだったのです。思わず逃げ出す私・・・・でも追ってきます

 田舎に住んでいる私はたとえ64Kや128Kで接続しても滅茶苦茶重いのです。それは当然移動のスピードにも反映します。あっという間に追いつかれるEsthill、こうなったら腹をくくるしか有りません。

 「うりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 と雄たけびを入力して(馬鹿)戦闘モードに突入するEsthill。HITがやばくなったら逃げる。回復したら攻撃するを延々5分繰り返し・・・

 「しゃ〜〜〜〜・・・・・・・・・」

 モンスターが倒れた瞬間、リアルで大声をあげてしまい、両親のみならずご近所さまに迷惑をかけてしまったことは公然の秘密ということで・・・・(自爆)

 あまりのうれしさにチャットで報告する始末、トカゲ殺して喜ぶなど、リアルで飛んできた蚊を叩き落すぐらいの芸当でしかないことをこの時のEsthillに知る余地はなかった。

 ・・・・・・・・数日(リアル^^;)が過ぎ・・・・・・・・

 見事(?)きこりからモンスター&動物狩りにレベルアップしたEsthillはスパでスキルをあげつつ、獲物を探して森の中をさまよう生活を続けていました。ようやくHITもある程度上がり、あれほど苦戦していたトカゲを2分程で逃げなしで勝てるようになると、Esthillは更なるモンスターを求め森の奥へと進んでいくのでした・・・・

 「今日の戦果、トカゲ2匹にオーク2匹、モンバット1匹・・・まずまずだな(笑)」

 切り株に腰掛けたままHidingしてHITの回復を待つEsthill、純粋な戦士を目指していたはずがいつのまにかHidingが60を超え、隠れるのに苦労しなくなっていた。

 「さて、回復したことだし・・・次の獲物を探そう」

 このごろのEsthillはブリティン北の森で狩りをしていました。奥まで行くようになってもなかなか森の出口まではいけませんでしたが、この時はあまりの調子のよさに気を良くしていたのでしょう、とうとう森の出口まできていました。

 「おお・・こんなところに家がいっぱい(笑)」

 森を出たら直ぐ建売住宅地みたいな場所(笑)に出ましたが、面白そうなものを見つけれなかったので集合に戻ることにしました。

 再び森に入りゆっくり動物などを狩りながら一路南へ進んでいました。

 「おぅがぁ〜〜〜」(わしにはこう聞こえます^^;)

 豚との一戦を終え、皮と肉を取っていたEsthillの後ろにオークの姿が・・・・

 「鴨が葱背負ってやってきたぁ♪」

 と速攻で戦闘モードに突入し、オークに駆け寄るEsthill・・・・・・・しかし・・・・・・・・・

 オークにあと3歩といったところで巨大な火柱がEsthillを包む・・・・・

 「へっ!?」 

 You are Dead・・

 某格闘ゲームシリーズの超必殺技らしきものを食らったEsthillは一瞬で丸焼けになってしまいました。

 「な・・・・・何が起きたんだ??????」

 状況がつかめず、再びパニックに落ちるEsthillの幽霊・・・・オークに死体をあさられ、おまけにどこから現れたか、二、三人のキャラに・・・・

 「なんだ? こいつろくなもん持ってないじゃねぇか・・・」

 「金もたった300しか持ってないし・・・」

 「ま、もらっていこう(笑) こんなところで死んでるやつだ、ろくなやつじゃねぇ(笑)」

 等といわれながらあさられる始末・・・・・

 我に返ったときには服すら残っていないEsthillの死体をみて思わず泣きました・・・・・

 

 後日知ったのですが、あれはオークメイジというものすごく強い(オークやトカゲに比べれば・・・・^^;)モンスターらしく、食らった魔法もレベル7のフレイムストライク(FS)でその当時のEsthillなどに使うのがもったいないぐらいの強い魔法だったのでした・・・・

そして再びスパとFF風呂でレジをあげる日々がスタートしたのです・・・・

 

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