reading & writing, phonics     まごころ青年さん
      
    reading & writing, phonics を学習経験や年齢でどう取り扱っていくべきかということが、最近、
    私の中での課題になってきています。皆さんは reading & writing, phonics の導入と実践を
    どのように考えてレッスンを行っていますか?


10月15日 2003年    お子さまランチ

  子どもに英語を教えるときのイメージは 「お子さまランチ」 だと思います。子どもの好きなものを色々
  ちょっとずつ盛るのです。私は先生がフォニックスを知っていれば、その先生の教え方の中には、
  フォニックスをフォニックスとして導入するときの準備になる要素が必ず入っていると思います。
  だから、いつどのようにフォニックスを教えるかという定番は無いと思います。単語をどんどん覚えていく
  クラスがあったとします。すべて音だけで定着させるには限りがありますから、reading を入れたくなり
  ますね。その際、sight words も phonics rules で読める単語の指導もします。

  フォニックスを教えることが目的のようになってしまうと、単語は読めるけれど、フレーズを読むとき
  とぎれとぎれになってしまう可能性もあります。だから、reading指導は、chunk を音声化する指導と
  同時でなくてはなりません。

  chunk を読めるためには、意味がchunkで把握できる子どもでないとなりません。
  それには、先生が普段から意味のある言葉かけを子どもに分かる英語で実践していないとなりません。

  このようにすべてが絡み合って successful teaching が生まれると思います。

  私は以前コースブックは必要無い、絵本で充分カリキュラムを組み立てられると主張していたのですが、
  コースブックは、上記の要素を、どんな先生でも教えられるように製作してありますから、拠り所になる
  と思います。それで、English Time の執筆を引き受けました。コースブックの著者として敢えて警鐘を
  鳴らすとすれば、採用したテキストそのものを教えるようになってしまう傾向があるので、あくまで採用
  したテキストを道具として使って、それぞれの先生の色を出した Teaching を目指してもらいたいな、と
  思います。

 まごころ青年へのお答え、というより一般論になってしまいました。皆様に参考にして頂ければ嬉しいです。




  ありがとうございます
     まごころ青年さん
      
     節子先生、「お子さまランチ」という表現はとてもわかりやすく、自分の中にスッと入ってきました。
     アドバイスありがとうございます。私独自の「お子さまランチ」を作って、いろいろな学習スタイルや
     能力をもったこどもたちに、必ずどこかの部分でおいしいと思ってもらえるように努力していきます。

     コースブックのお話を読んでいて、児童英語講師デビューの最初の2レッスンを思い出しました。
     以前の教室で、とても詳しい TM のある 「SuperKids」 を使っていたのですが、TM 通りに忠実に
     準備して教えたところ、どこか味気ないレッスンになってしまいました。まさしく自分自身がテキスト
     に使われてしまい、私の色が出ていない teaching でした。その後、テキストを道具として、私なり
     の teaching に切り替えたところ、レッスンに良いテンポができ、上手く運べました。


10月17日 2003年    Teacher's Book

  SuperKids の Teacher's Book は詳しいでしょう。それには訳があります。
  私は SuperKids の development editor として立ち上げから最後まで深〜く関わったのですが、
  Teacher's Book を作るとき、チーム全員の了解事項として、初心者の先生でも、TBを見れば
  教えられる親切なものを作ろうということでした。

  TBは、著者および製作者全員の考えが入っている「とんでもない」リソースです。
  私は、コースブックを採用したら、最初の1年はTBに沿って教えることをお薦めします。それで著者から
  通信講座を受けたようなものです。2回目に使うときは、自分の色を入れます。

  お料理のレセピと同じで、「あ、これを作ろう」と思ったらまず最初はレセピ通りに作りますよね。でも、
  その味を覚えたら、自分なりにその味に到達できるのではないでしょうか?

  SuperKids に関わった全員が昔OUPの Sesami series を使っていました。そして、セサミのTBには
  "Teach the vocabulary. Then ...." というのがあって、この teach the vocab は具体的にどうすれば
  良いのか煩悶したという共通の体験を持っていました。なので、SuperKids の TBは、何から何まで
  至れり尽くせりになったのでした。

  あと何語削らないとページにおさまらない、ううう、どうしよう、、、という会話を何百回もしたものです。

  コースブックを使っていて、TBを使っていないのは、宝の山を半分も掘っていないのと同じです。
  著者の考えはTBにあります。というわけで、まごころ青年さんの軌跡はとても正しいです。
  機会があったら English Time のTBも読んでみてくださいませ。



  English Time の TB     まごころ青年さん
      
    節子先生、SuperKids の Teacher's Book の裏話をとても興味深く読ませて頂きました。
    こうした著者や製作者の考えを知ると、実際にTBを見る目も違ってきます。
    なお、English Time の TBの製作にあたっては、SuperKids など、これまでのご経験から、
    節子先生のどんな考えを注入したものになっているのでしょうか?


10月22日 2003年    ET の Teacher's Book

  
SuperKids の編集長だった Lesley Koustaff がOUPにヘッドハントされて、English Time を立ち上げ
  編集長として企画を推進しました。ですから、基本的な姿勢は同じです。初心者の先生がTBを読めば
  教えられることを目標にしています。離島にいて、teacher training workshops に参加できない先生を
  念頭に置いています。TBには Student Book の使い方マニュアルであるだけでなく、
  teacher trainer の役割を持たせています。

  また、日本は子どもが英語を学習する時間が少ないですが、韓国・台湾など週に数回、そして1回の
  レッスン時間が長い国では Student Book と Activity Book だけでは1レベルがあっという間に終わって
  しまい、それでは recycle, review が足りないので、TBに worksheets や tests をたくさん入れて教える
  材料を増やしています。

  極端な例ですが、韓国のOUPは上記の環境で教える先生や language schools のために、OUPの
  教材の組み合わせ方を明記したパンフレットを出しています。1年間に Let's Go!, English Time, など
  複数のコースブックの同じレベルを使うのは珍しくないのです。ですから、* * * * のレベル * を
  終わったら、* * * * のレベル * を使うと、シラバスがだいたい同じです、というように出版社は内容を
  しっかり把握して先生方(顧客)に対応しているのです。

 日本の子どもの英語学習は、他の国に比べると趣味に習い事の域を出ていないと言っても過言ではあり
 ません。これは、昨年韓国で2回、台湾で1回ワークショップ・ツアーをして各地を廻って実感したことです。
 何よりの違いは、放課後英語を習わせている親が「話せるようにしてほしい」と強く要求しています。



  質問           わたるっちさん
      
    SuperKids と English Time との違いは?


2月17日 2004年      お答えします

  
SuperKids と ET の違い。ううむ。SKは私は編集をしました。ETは執筆しました。

  SK は著者の一人である Aleda Krause さんの特徴が強く出ています。彼女はTPRの大家なので(私と
  アリーダはすごーく仲良しです。同い年で、誕生日が3日違うだけ) Do it! のページが充実しています。
  また、Culture pages もいいですよね。Grammar songs は編集の私が大いに関わった部分です。

  ETは、SKの作りよりずっとシンプルで、1ユニットが4ページで、各先生が自分の好きなサプリメントを
  入れる余裕がSKよりあると思います。また、storybook approach というか、どのページにも story性を
  持たせているので楽しいです。キャラクターも際立っていて、各レベルに私が書いた Storybook を使うと
  キャラクターの住む世界がもっと深く分かります。

  なんたって著者ですので、幼稚園、小学校の低学年には Magic Time を、小学校中、高学年には
  English Time をおすすめです。ETの songs and chants は、すっごーく使いやすいです。子どもがぱっと
  覚えてしまいます。

  ちなみに、SKもETも編集長は同じ人。SKを作った Lesley Koustaff(私の親友です)がOxfordにヘッド
  ハントされて、児童コースブックの編集長になったのです。現在彼女は別の出版社に移りましたが、
  New York の Oxfordの製作過程はほんとうに丁寧で緻密で、私は English Time のできばえに、
  とてもとても満足し、幸せです。

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