卒業生の子ども(現在高校3年生)から以下の質問をされました。大学受験問題集の問題のようです。
     「幸せならそれでいいさ。」  (  ) you have to be is (  ) happy.

     上記の質問についてTea Roomで様々なご意見をいただきました。
     ★文の形を見た時、最初に思いついたのがビートルズの♪All you need is love. のタイプでした。
       そこからこじつけてみると All you have to be is being happy.  ?
     ★予備校の講師をしている知人が鍵をくれました。 All you have to be is be happy. が答えになり
       そうです。文法的には All you have to be is to be happy. が正しいのでしょうが。 all があるた
       め to が落ちるんだそうです。たしかに辞書で all のところを読むと、会話では to が省略される
       とありました。入試問題とすれば、ここは be を入れさせたいのではないかと推察します。
     ★知り合いのイギリス人にメールで聞いたところ、答えは All you have to be is be happy.
       これはBeatlesのGeorge Harrisonが出した "The Best of Dark Horse"(1976-1989)という
       レコードの中の "Blow Away"という曲に似た歌詞があるそうです。
       ♪All I have to do is love you. All I have to be is be happy・・・etc.


6月4日 2003年   もとの英文が???

受験問題集の英文には、たまにもともと不自然なのがあります。これもその一つと思います。
私の答えは All you have to be is simply / just happy. でしたので、みなさまのカキコミを読んで、なんか
しっくりこないなあと思っていたところ、たまたまアメリカ人の友だちから電話がきたので、All you have to
be is be happy. って言える?と聞いてみました。彼女も私と同じ意見で、All you have to be is happy.
または All you have to do is (to) be happy. のどちらかでないと正しくないと強く言いました。
品詞は英語で part of speech と言います。入れ替えて良い部分のパーツです。 All you have to be で始ま
っていますから、is の次は happy でないとダブルんです。この感覚おわかりになりますか?
みなさまの答は、この問題が正しく自然な英語をもとにしているという assumption から導かれていますが、
じゃあ、その英文は自然か?と問い直してみると、うううううむ、って感じを受けながら答を書いていらした
のではないかと思います。
ジョージ・ハリソンの歌詞については、私自身が知らないので、なんとも言えないのですが、歌詞は韻を踏
む、リズムを合わせるために distort している場合もあります。ラップの歌詞なんかは、そのまま話すことは
できませんよね。 ちなみに、たまたま電話をかけてきた友だちとは SuperKids の著者アリーダ・クラウス
さんで、誕生日が3日違うだけ、話がよく合う good friend です。現在はOUPとPearsonで競合する著者で
すが、SuperKIds を一緒に作ったり、様々な場面で一緒に仕事をしてきて、英語に関しては彼女に聞けば
迷うことない正解が返ってきます。 She is soooooo solid. なので私としては、自分の感覚か彼女と一緒だっ
たので安心した次第です。
文法は、言葉を使うルールなので、往々にして「感覚」であることがあります。
生徒さんに、どのように説明されるか迷っていらっしゃると思いますが、その生徒さんがどこでこの問題を
拾ってこられたのか分かりませんので、なんとも助言できません。いちばん良いのは、Tea Roomで出た答
全部教えてあげて、さらに、その生徒さんが、学校の先生の答を聞いて説明してもらうことでしょう。

6月4日 2003年   ジョージ・ハリソンの歌詞

みなさま、とても気になったので、歌詞をネットで調べました。
All I got to do is to love you. All I got to be is , be happy. All it's got to take is some warmth to make it
Blow Away , Blow Away , Blow Away

All I got to be is , be happy のカンマがくせものです。こうなったら聞いてみるしかありませんが、たぶん、
歌の中では pause があるはず。一つの英文としてのサンプルにはならないと思います。
Tea Roomの商売繁盛は、お客さん(子ども英語の先生)の交流と英語総合力アップということですから、
これからもまた色々な質問が寄せられることを期待しています。私は毎日見ていまーす!


     ★生徒から聞いたところ、大学受験の過去問題集に載っている問題とのことでした。実際に入試
       問題として出題されたというわけですね。生徒が学校の先生に質問したところ、「こういう問題
       は受験生に足止めをさせるためにわざと出しているいじわる問題だからそういうのが出たら
       すっ飛ばして別の問題に移るべし。」というお返事だったそうです。英語そのものではなく受験
       テクについての指導だったんですね。う〜ん、なかなかにheavyな現実・・。

     ★友人がGeorge HarrisonのCDを貸してくれました。その歌詞の部分はコーラスになっていて何度
       も歌うのですが、8ビート?(1,2,3,4,1,2,3,4,・・)なので、
       ♪All you got to do is to (* *) love you. All you got to be is (* *) be happy.
       ・・・というように * * の部分が、にゃんこ先生のおっしゃるとおりPauseとなっています。チャンツ
       だったらパンパンと手をたたくところでしょうか。どちらにしろ、そういう英文はポップソングの歌
       詞としてはOKでも、Natural な英文ではないし、カッコに入れる答えも絶対にこれはひとつだ!
       というのがないので、大学入試の問題としては不適切だと思います。にゃんこ先生の言われる
       ように、これに限らず受験問題集などには不自然な英文や絶対実際では使わないのではと思
       われる言いまわしがたまにあるようです。子ども達は必死で勉強するし、試験でそういう問題で
       間違って何点差かで大学が不合格にならないとも限らないので、作る方はもっとNativeのチェッ
       クを入れるなり対策を考えて欲しいと思います。今回いろいろ勉強になりました。

CONTENTSへ戻る