高校時代にS君から聞かされた、『ロンパールーム』の話

 皆さん、あの懐かしの子供番組、『ロンパールーム』での有名な「“き”の付くもの事件」ってご存知でしたか?私が初めてその話を聞いたのは高3の時、当時のクラス・メイトだったS君から聞かされました。前日、風邪かなんかで休んでたS君、学校に来るなりとっても元気で、私を捕まえるやいなや、「おい、おい、しんじ!!昨日テレビ観てたら、しんじみたいな奴がいたぞ!!」と言うのです。と言うのは、彼が家で寝ながら『ロンパールーム』を観てると、番組にたかし君(名前はちょっと定かではないけど、たしかそんな名前だった)とか言うと〜っても落ち着きの無い子供が出てたんだそうです。みどり先生が、「はーい、じゃあ今日は、“き”の付く言葉を考えてみましょう。何か有りますか!?」と子供たちに聞くと、他の子は誰も手を挙げる事が出来ず、そのたかし君だけが、「ハイハイハ〜〜〜イ!!」と手を挙げたのだそうです。みどり先生が、「ハイ、たかしくん」と指すと、たかしくんは大きな声で自信満々に、「キ○タマ〜!!」と答えたのだそうです。あせったのはみどり先生はじめ、TVスタッフ、スポンサーでしょう。それは生放送だったからです。しかし、ビデオがまだまだ一般的ではないその時代、聞き間違えで済まされる事を期待したのか、何事もなかったように気を取り直して、もう一度みどり先生が、「他に“き”の付くものは有りませんかぁ?」と続けたのでした。するとまたしてもそのたかし君だけが「ハイハイハ〜〜〜イ!!」と手を挙げてたのだそうです。仕方なくたかし君を指すと、彼はまたしても「キン○マ〜!!」と言ってしまったのだそうです。困ったみどり先生は、今度は「じゃあ、“き”の付くもで、キレイなものは無いですか?」と言うと、最悪な事に、やっぱりたかし君だけが「ハイハイハ〜〜〜イ!!」と手を挙げてたのだそうです。が、今度は大丈夫だろうと安心して「はい、じゃあたかし君、キレイな物よ」と念を押して指すと、事も有ろう事か、たかし君は「キレイなキ○タマ〜!!」と叫んでしまいました。その瞬間、テレビの画面は「暫くお待ち下さい」という無機質で寂しいものに、一瞬として変わってしまたんだそうです。そして、そのまま数分が過ぎましたが、やがて画面も元に戻り、まるで今までの事は何も無かったかの様に、何とかその続きを放送する事が出来たのだそうです(メデタシ、メデタシ)。ただしかし、肝心のたかし君の座ってた席には、もう既に彼の姿は無く、その席にはナント、ぬいぐるみのクマちゃんが座ってたんですって。
 S君はその話しを私に一気にまくし立てると、「俺はホントはもう一日学校を休むつもりだったんだけど、おまえにこの話を教えてやろうと思って、特別に来たんだからな!」と恩着せがましく言ってました。しかし、だったら電話でも良かったんじゃないかと思うのですが……。


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