| ガラスの誕生 | |
| 古代、地中海を中心にヨーロッパ、アフリカをまたにかけて貿易を行ったフェニキア人という民族がいた。あるときフェニキア人の商人が荷物のソーダ塊で焚き火を囲い調理をしていた。するとソーダと砂が熱により混ざり合い小さなガラスができた。という有名な話があります。 この話が本当かどうかは疑問ですが、実際に実験を行うと私たちが想像する透明のガラスはできないものの、それに近いものはできるらしいです。この話はガラスを作る原理と非常によく似ているのでまんざら嘘でもなさそうです。 “砂からガラスができる”なんていう発見を最初にした人は本当にすごいですね。現代だったらノーベル賞、ビルゲイツよりお金持ち・・・・でしょうね!!これだけ科学が進んだ現代でも、身近な自然や環境に目を向けたら何か新しい発見がある・・・かも? |
| ガラスの実用化 | |
| 最古のガラス器は紀元前16世紀ごろメソポタミア地方で作られました。そして紀元前15世紀にはエジプトに伝えられガラス容器の本格的な製造が始まったと考えられています。古代日本の縄文式土器に似た網目模様の壷などが見つかっています。 こんなに昔の話だからたいした技術はなかっただろうと思われるかもしれませんが、実はかなり高度な技術を持っていたようです。特にバーナーワークの一種であるコアテクニックは現代でも使われている技法です。紀元前2世紀ごろには、カラフルな人物の彫像が作られていました。 さらにローマ時代になると吹きガラスの技法が登場しました。これにより量産可能となりガラス食器が爆発的に普及しました。またそのころ他の技法も次から次えと発明されました。現代のガラス工芸の技法のほとんどはこの時代に考え出されたものです。 ちなみに当店の工房で行うサンドブラスト技法はガラス工芸の世界に使われるようになっておよそ100年なので比較的新しい技法です。 |
| 中世ヨーロッパで技術発展 | |
| 中世ヨーロッパではガラスをインテリアなどの装飾に活用するためにかなり研究されたようです。 最初に開花したのはヴェネチィアで、すべてのガラス工房を1つの島に強制移住させ監禁状態で品質の向上を図ったらしい(お〜怖い)。そして14世紀末には無色透明のガラスの製造に成功した。また鏡やシャンデリアもこのヴェネチィアの職人たちが創りだしたそうです。 ヴェネチィアの次に頭角を現したのはボヘミアです。ヴェネチィアではソーダガラス(普通のガラス)を使っていたのに対し、ボヘミアではカリクリスタルグラス(現在はメガネレンズなどに使用)を使っていました。また絵画を施したりカラフルな色付けによりヨーロッパではダントツの人気を誇っていました。 イギリスでは17世紀後半に鉛クリスタルガラスが開発された。また日本の江戸切子や薩摩切子の源流となった重厚なカットの技法もこのころのイギリスで作られていました。 このように中世のヨーロッパが発展した理由の一つは王朝貴族にとってガラスの輝きは宝石の輝きと変わらなかったからでしょう。しかし現代では希少価値という面から宝石のほうが価値があるというのが当たり前になってしまいました。ブランドや希少価値にとらわれず、“美しいものは美しい”と感じる素直な心を持った人が、現代人(特に日本人)には少ないのではないでしょうか? |
| 日本におけるガラスの発展 | |
| 日本では世界に誇る「陶器」というものがあったせいかガラス器の生産はほとんど行われませんでした。たまに中国から技術が入ってきていたのですがすぐに途絶えていたようです。 江戸時代になり長崎でビードロの生産が始まり、やっと幕末に諸藩でガラスが作られるようになりました。世界の流れからは大変遅れておりました。しかし当時の江戸切子や薩摩切子の技術は世界水準でも最高峰のカット技術を有していました。外国の技術を持ち込み発展させるのは今も昔も日本人の得意技ですね! また最近の茶道の世界では耐熱ガラスの普及により、夏季以外でもガラス器を使うことがあるとか。この先茶道もガラス器の使用により更なる発展をされることと思います。 |
| アール・ヌーヴォー | |
| 19世紀末から20世紀初めにかけてガラス作家というものが認められるようになってきた。その先駆けとして現れたのが、エミール・ガレ氏のアール・ヌーヴォーである。アール・ヌーヴォーは自然をテーマに、昆虫・小動物・植物などに魂を込めた感じのちょっと不気味な作品が多いです。ゆえに目にしたときのインパクトはかなり大きいです。 またエミール・ガレは1つの作品のために、いくつかの技法を組み合わせて数点作ったうえで完成品を作るといった手の込みようだったらしいです。だからこそ作家の意図が明確に現れた深みのある作品ができたのでしょう。 がしかし現在、エミール・ガレの作品とされるものがかなりの数、出回っています。その原因は“エミール・ガレの指導のもとに作られた作品”・“エミール・ガレの死後に工房で作られた作品”・“単なる偽物”があるからでしょう。 私も誰かに真似されるようなカリスマ作家になりた〜い、と思う今日この頃です。 |
| 未来のガラス(ここから先は私(店長)の勝手な推測です) | |
| 地球規模で環境問題やリサイクルなどが叫ばれる昨今、ガラスの存在は非常に大きなものとなるでしょう。なぜなら、ガラスの主原料は砂であり地球そのものです。また溶かして何度でもリサイクルできる優れものだからです。 近い将来には光ファイバーが日本のほとんどの世帯まで張り巡らされるようです。 また日立製作所はCD・DVDなど大容量記憶装置のディスクをガラスで作ることに成功し、いままでの1.6倍もの記憶容量を可能にしたとのこと。実用化ももうすぐそこ、というわけですね。 <未来に発明されるだろうガラスグッズ> ・軽量で柔軟性のあるガラスの衣類・鞄・靴(もちろん透明ではありません) ・電波に反応するテレビガラス ・人は通すが風は通さないガラス ・火事にならないガラスの家 ・食べておいしいガラス菓子 などなどきっと新聞をにぎわす日が来るでしょう。それまで生きていたいです。 |
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